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バカかもしれない

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「宮久土先輩は、かける先輩の弟?」
「そう、だから。なんであえてそこに行くのかと、誰もが思うと思うんだけど」

 和華奈に繰り返されて、ようやく事態の厄介さを理解した。

 かける先輩と離れようとしていたのに、かえって近づく選択をしていたのだ。

 宮久土先輩のマネージャーをすると教えた相手は、私のことをバカだ、と思うのかもしれない。
 もっとも、反鳥や航先輩くらいにしか、話していないけれど。

「私ってバカ?」
「さすがに、今だけはフォローの言葉もないわ。でもまあ。宮久土、いや馳先輩は無理めって有名だけどね」

「そんな、付き合うわけじゃないもん。それに宮久土先輩は私なんか、ぜーんぜん興味ないと思うし」

 くるぶし齧るだけだし。それはさすがに引かれると思って口にしないけれど。

 かける先輩と宮久土先輩は似ていない。
 かける先輩は底抜けに明るいけれど、宮久土先輩はクールな印象だ。

 だからこそ、兄弟だなんて想像しなかった。いや、苗字を知っていれば一発だったとは思う。宮久土という苗字は珍しいから。

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