ちょうどいい私は、無理めの宮久土先輩のくるぶしをかじりたい

フツーな私を取りまくもの

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「つや先輩は中三の頃からだし、ひょうも高一のときからモデルの仕事してるって有名だよ。さらに二人ともキャラクターが濃いから、より有名になった感じで」

「し、知らなかったですっ」
「だからこそ、露出してなかった妹に注目が集まってたんだよね。二人ともうらちゃんのことは徹底ガードだから」

「そんな話、聞いたことなかったけど。二人とも私には当たりが強いし、雑な感じだし」
　完全ガードだったんだね、と宮久土先輩が短く感想を言う。

「名前が出ている投稿が出てくるとマズい気がするよ。芦野姉弟の妹だと分かると、良くないな」

「芦野さんは、すごく危ないな」
　と宮久土先輩が言い、
「それは同意」
　と航先輩も言うのだった。

　今思えば、このとき私自身がことの重要さを理解していなかったのが、致命的だったのだと思う。

　心へおりてきた昔話は、フツーな私の生活を変えてしまった。