魂レベルでビッチです～ヤンデレ彼氏に殺されて悪役令嬢に転生したらしいので、処刑上等で自由な異世界ライフを楽しみます！～

リキュル国へ

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　リキュル国では近々王子様とお姫様の婚礼式が行われる予定になっているらしい。

　ルーカスの母方の親族がリキュル国にゆかりがあることから、彼はリキュル国の情勢に詳しい。

　リキュル国は高い魔法力を持つ王が統べる国だときく。リキュル国の王族は高すぎる魔力を持つがゆえ魔力を持てる期間が決まっており、寿命も短いらしい。

　王は魔力を失ったときに、王位を後継者に譲位する。そのときに、新たな王が王妃と婚姻するのが慣習となっているようだ。王妃様になるのは、海の巫女と呼ばれるリキュル国出身のお姫様らしい。

　向かう道中でリキュル国の王政について聞いた。次から次へと追っての顔なし兵がおってくるので、きりがない。

　持ってきた大判の布を木にくくりつけて、テントがわりにして睡眠をとりながら、山を越える。レモやロビは不自由な山道を歩かせるのは可愛そうなので、魔法を使って一時的に手のひらサイズにした。皮のザックの中にも収まるサイズだ。

「王妃の候補になっているのは、ロゼ姫はソル国の前王に蹴られた姫様の娘だ。王妃になるのは、母親の代からの悲願ってやつらしい」

「あーソル国の王様はリキュル国出身の元カノの痕跡を消したかった……みたいな話もあったよね」
　世俗的な言い方を選んだら、
「お前を殺した男にそっくりな、王のやり口だな」
　と突っ込んだ話が出てくるので、反応に困ってしまう。

「……殺された覚えないけどなぁ～！」
「ごまかしても無駄だよ。お前が楽華だってのは分かってる。お前のアカデミーでの言動って高校のときのまんまだったしな」
「こうこうってなぁに？」

　白を切ってみたら、いかにもムスッとしたルーカスから、
「高校ってのはさぁ。お前が散々触ってくるから……。何度もあちこちでーーーーで人が通りかかってやめたことがある場所だよ」露骨な下ネタを放り込まれる。

「あー……」
　そんな前の話、しかも前世だしあまり覚えてない。

「へー君って、そんなに元気だったんだねぇ～」
　逃げきるつもりでそう言ったら、
「じゃあ思い出させてやろうか？今じゃ男とのやり方も少しは知識がある……」
　ルーカは不機嫌そうに私の襟ぐりを掴んで、そう言ってくる。

　目が笑っていないし、ほとんど脅しだ。

「べ、勉強熱心だね～男の子とも出来るんだねぇ～」
「お前が下になるの決定な。無理そうでもちゃぁんと準備してやるよ」
　と恐ろしいことを言う。

「……入んないよ、苦しすぎて。無理無理ふつーじゃないもん、はるくんのアレ規格外」
　とコメントすれば、今度は形勢が変わって彼の顔があっという間に赤くなる。

「……うるせぇ。ほらみろ、お前絶対に楽華じゃん」
「昔話、しかも前世の話しても意味ないよ～」
「あるだろ。お前達が死んでた状況は変だったし……。お前には熱烈なストーカーがいたんだろ？」