魂レベルでビッチです~ヤンデレ彼氏に殺されて悪役令嬢に転生したらしいので、処刑上等で自由な異世界ライフを楽しみます!~

KUMANOMORI(くまのもり)

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暗殺のお誘い

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ギリアン兄は最低限の資源で、最大限の効果を出したい、と考える合理主義なイメージだ。
「無駄なことをしないギリアンが、王に密告するとは思えない。リーブル家に疑いが向く可能性もあるしね?ってわけだから、僕はギリアンを信用しているんだよ。ギリアン手伝って?」
「仮にも兄である俺を呼び捨てにするな」
「え、じゃあ。お兄ちゃん?」
「お、お兄ちゃん?やめろ、気色悪いっ」
 そう言ってギリアン兄はほのかに頬を赤色に染めた。
「お兄ちゃん、手伝ってくれる?」わざと繰り返したら、分かった、分かったからもうそうやって呼ぶな、と言われた。
 ありがとう、と言って抱きつこうとしたら、避けられてしまう。
「魔法を封じる呪具を作りたいんだ!僕の魔法を使って作ってみようよ!」
「あまり大きな声を出すな……っ」

 迷惑そうに耳を塞ぐギリアン兄だったけれども、早速魔法装飾に関する書物を見つけ出してきた。さすがぁ、と思うのもつかの間、ギリアン兄はエッグボルト家の敷地内で鉱石を探しだし、さっさと腕輪状の呪具を作ってしまうのだ。
 鉱石を割って鉱物を取り出す作業と金具を成形する作業を手伝ったら、ギリアン兄は目を丸くしていた。

「素手で鉱石を割る人間が存在するのか……?どこからそんな怪力が出てくるんだ?」と不思議そうにするのだ。

 私は元々力が強い上に、魔法力を込める方法を前回リーミアから学んでいた。剣術が相変わらず苦手なので、剣に魔法を込めるのは難しいけれど、拳に魔法を込めることは出来るらしい。アカデミーの科目に、剣術じゃなくて、武道でもあれば私も少しは活躍できると思うのだ。

 こうしてギリアン兄の協力のおかげで、ロアシュの提案から賞味三時間程度で呪具が完成する。
「すごいなっ!これでキャディを脅せるぞ!」と性悪なことを平気で口にするロアシュだったけれど、今回は私も彼のノリについて行くことに決めたのだ。
 ――――よ~しっ!今回は悪役騎士として、王政を乗っ取ろう!

 そのとき、クラドと踊った後のように、手の甲が光りフルーティオ国の紋章が浮きあがっていたのを、私は気づかなかった。
 さらに、ある人物がその紋章を目にし、口元を緩めていたのをそのときの私は知らなかったのだ。
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