魂レベルでビッチです～ヤンデレ彼氏に殺されて悪役令嬢に転生したらしいので、処刑上等で自由な異世界ライフを楽しみます！～

ミッション開始

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　カナオの送ってきた音声ファイルの音源を特定するまでには数分だった。

【聖女のキスと祝福と耳飾りと約束の地と】ジャパニーズ・ビデオゲームズの主題歌だ。

　在庫を確認してもすぐに取り寄せられるところにはない。元々廃盤になっている上に、誰かが買い占めているらしい。

　一つ手に入ったよ、と友人の一人からチャットが来た。

「かなり高額になってしまったけれど、ハルナ・アマハラシ。日本人女性から手に入ったよ」と言うのだ。

　評判は散々みたいだ、とゲームのレビューを調べていた友人が言う。制作者に当たってみるよ、とジョシュアは制作者を調べてコンタクトを取るけれど、既に亡くなっているという話を聞く。

　女性向けのラブロマンスゲームになんて興味はないけれど、今際の際にいたカナオの以依頼だ。仕方ないのでプレイし始めることにする。

　予想外だったのは、主人公のライバル役の女性が自分の好みだったことだ。彼女とのラブロマンスを楽しみたい、と思うけれど、邪魔が多い。

　彼女と仲良くなろうとすると画面がフリーズする上に、オートセーブ機能にエラーが発生する。散々な評判の理由が分かった。

　つまらないな、改造してしまおう。と元の目的から少し外れていき、システムからシナリオまでいじり倒してしまい、作り替えてしまった。とはいえ、なぜかキャラクターの動作にバグが多い。いわくのあるゲームだ、とジョシュアは思うのだ。

　ゲームデザインをいじり倒してしまい、手元にあった素材を組み合わせてキャラクターデザインもまた組み直してしまったら、自分の周辺の人物に似てきてしまった。とりわけメインヒーローの姿は、某親友にそっくりだ。

　現在唯一のプレイヤーである、ジョシュアは悪役令嬢を偏愛するばかりに、シナリオをぶち壊してしまっていた。そのゲームの内部に、親友とそしてその愛しの彼女が転生しているとは、ジョシュアは知らない。
　死の間際に耳にした曲が、彼らの転生先を決めていたなんてことは、誰にも予知できなかったからだ。
　
　この偶然により、乙女ゲームの中に閉じ込められたメンバーは復讐の機会を与えられることになる。