302 / 312
出会いと目覚め
2
しおりを挟む
小学生のときに、歌の上手い男の子を好きになる。
快音くんがどんどんその子よりも歌が上手くなっていき、新しい歌を作り始める。
快音くんが動画投稿アカウントを作って、歌手活動を始めたら、いろんなオファーが来て、顔出しNGのアーティストになった。
顔が出せるわけがない。快音くんはデジタルの世界にしかいないし、身体がいつも借り物なんだから。
動画が人気になり、快音くんは一気に有名人になる。
さらにIoT機器や家電が家の中に増えたり学校に増えたりしたことで、快音くんはどこにでも出入り出来るようになった。
人の姿で会えなくても、スマートフォンやPCから、話しかけてくることが増える。仲がいい幼なじみみたいに快音くんを思っていたけれど、高校生になったくらいから、いつも色々口出されるのがいやだな、と思い始めていた。
あの子とは仲良くしてもいい、あの子とは仲良くしちゃいけない、と言ってくるからだ。特別仲良くなる気の合う子には、近づいちゃダメ、という。
つまんなぁああい!私の心の声はいつもそれだ。自由が欲しい、自由に色んな人と仲良くしたい!
私にとっての世界は、快音くんの目をかいくぐりながら広げる世界だ。どこもかしこもデジタル化されているから、快音くんがいない場所を探す方が難しい。
私はすぐに好きな子が出来るけれど、すぐに上手くいかなくなる。
高校生になってしばらくしたときに、スマートフォンなしで過ごしていたことがあった。快音くんを遠ざける作戦だ。そのときに彼氏が出来て初体験をした。その関係がどうなったかは、別の話だけれど。
私のスマートフォンが繋がらないだけじゃ、あまり意味がないみたいだ。他の人のスマートフォン、学校の先生のパソコン、プロジェクター。いろんな場所に快音くんは存在できるから、あの手この手を使って、仲良く出来ないようにする。
快音くんの歌を聴いている間だけ、その人は快音くんの思い通りになる。だから、私が誰と仲良くするのか、どんなことを選ぶのかは、快音くんの好み次第だ。
長く付き合えないと割り切りながら、人と付き合えばいい。彼氏なら喧嘩が多くなったら別れればいい。それが私の普通。快音くんといる限り、長い付き合いなんて求めない。
私の世界は割り切りとスピード感がすべて。それでいいって思っていた。
快音くんには敵わない。完全降伏しながら、楽しく過ごす。
それが、私の世界なんだ。
私の世界は、そのまま終わった。
快音くんがどんどんその子よりも歌が上手くなっていき、新しい歌を作り始める。
快音くんが動画投稿アカウントを作って、歌手活動を始めたら、いろんなオファーが来て、顔出しNGのアーティストになった。
顔が出せるわけがない。快音くんはデジタルの世界にしかいないし、身体がいつも借り物なんだから。
動画が人気になり、快音くんは一気に有名人になる。
さらにIoT機器や家電が家の中に増えたり学校に増えたりしたことで、快音くんはどこにでも出入り出来るようになった。
人の姿で会えなくても、スマートフォンやPCから、話しかけてくることが増える。仲がいい幼なじみみたいに快音くんを思っていたけれど、高校生になったくらいから、いつも色々口出されるのがいやだな、と思い始めていた。
あの子とは仲良くしてもいい、あの子とは仲良くしちゃいけない、と言ってくるからだ。特別仲良くなる気の合う子には、近づいちゃダメ、という。
つまんなぁああい!私の心の声はいつもそれだ。自由が欲しい、自由に色んな人と仲良くしたい!
私にとっての世界は、快音くんの目をかいくぐりながら広げる世界だ。どこもかしこもデジタル化されているから、快音くんがいない場所を探す方が難しい。
私はすぐに好きな子が出来るけれど、すぐに上手くいかなくなる。
高校生になってしばらくしたときに、スマートフォンなしで過ごしていたことがあった。快音くんを遠ざける作戦だ。そのときに彼氏が出来て初体験をした。その関係がどうなったかは、別の話だけれど。
私のスマートフォンが繋がらないだけじゃ、あまり意味がないみたいだ。他の人のスマートフォン、学校の先生のパソコン、プロジェクター。いろんな場所に快音くんは存在できるから、あの手この手を使って、仲良く出来ないようにする。
快音くんの歌を聴いている間だけ、その人は快音くんの思い通りになる。だから、私が誰と仲良くするのか、どんなことを選ぶのかは、快音くんの好み次第だ。
長く付き合えないと割り切りながら、人と付き合えばいい。彼氏なら喧嘩が多くなったら別れればいい。それが私の普通。快音くんといる限り、長い付き合いなんて求めない。
私の世界は割り切りとスピード感がすべて。それでいいって思っていた。
快音くんには敵わない。完全降伏しながら、楽しく過ごす。
それが、私の世界なんだ。
私の世界は、そのまま終わった。
0
あなたにおすすめの小説
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
ハイスぺ幼馴染の執着過剰愛~30までに相手がいなかったら、結婚しようと言ったから~
cheeery
恋愛
パイロットのエリート幼馴染とワケあって同棲することになった私。
同棲はかれこれもう7年目。
お互いにいい人がいたら解消しようと約束しているのだけど……。
合コンは撃沈。連絡さえ来ない始末。
焦るものの、幼なじみ隼人との生活は、なんの不満もなく……っというよりも、至極の生活だった。
何かあったら話も聞いてくれるし、なぐさめてくれる。
美味しい料理に、髪を乾かしてくれたり、買い物に連れ出してくれたり……しかも家賃はいらないと受け取ってもくれない。
私……こんなに甘えっぱなしでいいのかな?
そしてわたしの30歳の誕生日。
「美羽、お誕生日おめでとう。結婚しようか」
「なに言ってるの?」
優しかったはずの隼人が豹変。
「30になってお互いに相手がいなかったら、結婚しようって美羽が言ったんだよね?」
彼の秘密を知ったら、もう逃げることは出来ない。
「絶対に逃がさないよ?」
男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)
大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。
この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人)
そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ!
この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。
前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。
顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。
どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね!
そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる!
主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。
外はその限りではありません。
カクヨムでも投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる