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双子の第六王子と第七王子

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「紙切れが見つかったら教えてくれないか?あれは、王子に不貞をはたらこうとした決定的な証拠となる」
 不貞とは物々しい。

 けれど、ふと気づいた。

 私もまた、なけなしの知識を使って書いた手紙があったと。それはウィリエール様の元に届いたようだったけれど、偶然の一致にしては出来過ぎている。

「その紙切れとはまさか、Mと送り主が書かれたものではありませんか?」
「なぜ、それを知ってるんだ?」
 やっぱり。

 どうしてあの手紙がウィリエール様の元にたどり着いたのかだけは、少しだけ見えてきた。エルドナード様はあの手紙を手にしていたのだ。
 そして、ここ、ウィリエール様のお部屋の前に落としてしまった?」

「お手紙はウィリエール様がお持ちでした。そのようなお話をしていましたから」
 そもそもあれは私がヴィルヘルム様へ出したお手紙です、とは言えなかったけれど。

「なるほど、ウィリエールが持っていたのか。なら、問題はないかな」
「問題はないのですか?」

「そうだよ。あいつはいつだって、ミリア君に首ったけだ。だから、競合にはなり得ないし、全く眼中にないさ」
 競合とはどういう意味だろう?

「いずれにしても、安心した。それなりに役に立つな、ミリア」
 と言ってエルドナード様は去って行った。
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