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追想の八夜目
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キリムド様のお部屋だ。
幻覚剤を持ち込まれたのはランドルフ様だったけれど、幻覚剤を上手く利用していたのは、キリムド様も同じだった。
ベッドサイドの椅子にいらっしゃるキリムド様は私の姿を見て、一言。
「三年ぶりだな、ミリア。私のことを覚えていなかったなんて、随分だ」
ウィリエール様のお姿をしているけれど、キリムド様にかわっているときには瞳のお色がルビーレッドに変わる。
「当時は野ネズミのお姿でした。フロスティン国では野ネズミもお話になるのか、と思っておりました」
「そんなわけがないだろう。国外のことを何も知らなかったのだな」
キリムド様は私に手招きをして、自分の元に来るようにしめしてくる。
同じように私を呼び寄せたランドルフ様はその椅子の上で、絶命なさっていた。
まだ床や絨毯には、その血痕が残っている。
戸惑っていたら、キリムド様が立ちあがり、手を取って来る。視線が合えば、約束をしたはずだよ、とキリムド様はおっしゃった。
幻覚剤を持ち込まれたのはランドルフ様だったけれど、幻覚剤を上手く利用していたのは、キリムド様も同じだった。
ベッドサイドの椅子にいらっしゃるキリムド様は私の姿を見て、一言。
「三年ぶりだな、ミリア。私のことを覚えていなかったなんて、随分だ」
ウィリエール様のお姿をしているけれど、キリムド様にかわっているときには瞳のお色がルビーレッドに変わる。
「当時は野ネズミのお姿でした。フロスティン国では野ネズミもお話になるのか、と思っておりました」
「そんなわけがないだろう。国外のことを何も知らなかったのだな」
キリムド様は私に手招きをして、自分の元に来るようにしめしてくる。
同じように私を呼び寄せたランドルフ様はその椅子の上で、絶命なさっていた。
まだ床や絨毯には、その血痕が残っている。
戸惑っていたら、キリムド様が立ちあがり、手を取って来る。視線が合えば、約束をしたはずだよ、とキリムド様はおっしゃった。
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