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ロンダリング
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「碧衣みたいに、愛情を受けることを、普通に思ってる子に、オレたちは弱いんだと思う。オレは碧衣んちに行ったことはほとんどないけど。碧衣んちに行ってた常盤はそうだったんだろうと思うし、花菜野もそうなんだろうと思うよ」
「弱いって。花菜野も愛されたと思うし、常盤のことを彼のお母さんは最後まで心配していたと思う」
と言ったら、緋々来はシニカルな笑みを浮かべる。
「碧衣は知らないままで、いいと思う。けど、一個だけ言っとこうかな。アバター試用試験の後、本格的にアバター行為が行われてるって知ってた?」
「え?」
「花菜野の父さんの会社が装置を研究してたんだけど。小型化して、使えるようになってるんだよ。もちろん、まだ一般での運用はしてないけどさ。社員や関係者は使用段階として使える」
「身体の交換?」
私が言うと、
「そう。懐かしいだろ」
と悪戯な表情で、こちらを見る。
「あまり覚えてないよ」
と私は言った。嘘だ。でも、あの時のことは、口にしてはいけないように思えた。
「弱いって。花菜野も愛されたと思うし、常盤のことを彼のお母さんは最後まで心配していたと思う」
と言ったら、緋々来はシニカルな笑みを浮かべる。
「碧衣は知らないままで、いいと思う。けど、一個だけ言っとこうかな。アバター試用試験の後、本格的にアバター行為が行われてるって知ってた?」
「え?」
「花菜野の父さんの会社が装置を研究してたんだけど。小型化して、使えるようになってるんだよ。もちろん、まだ一般での運用はしてないけどさ。社員や関係者は使用段階として使える」
「身体の交換?」
私が言うと、
「そう。懐かしいだろ」
と悪戯な表情で、こちらを見る。
「あまり覚えてないよ」
と私は言った。嘘だ。でも、あの時のことは、口にしてはいけないように思えた。
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