ワンナイトだって言ったのに!

KUMANOMORI(くまのもり)

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バックボーンは不問でお願いします

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「お見合い話か、元カノ問題ですか?」
「まさに、見合い問題だよ。断っても断っても、次から次へと刺客が」

「素直に結婚したくないとか、事実婚ならしてるって言ったらどうですか?」
「リサーチが凄いんだよ。四人の姉の。だから無理だ」
 四人の姉とはまた、随分人材が豊富だ。

「跡取りみたいな感じですか?」
「まさに」

「大変ですね」
「他人事か?お前んちも中々大変そうじゃないか」

 私の実家は、創業500年の酒造株式会社だ。私は一人娘なので、子どもの頃から何度となく跡取り話をされている。

「後継者が血縁者だなんて、古いんだよ!」
 と言って父といつも喧嘩になっていた。あまりにうるさいので最近では、結婚して婿養子を送り込んだ後で、離婚しようとも思い始めている。

「やっぱり、探りいれたんですね」
「身辺調査は大事なんだよ。どっちみち調べられるんだから」

「一点差じゃだめです。二点差じゃなきゃ。それに、鈴木選手が入れなければなかったことに」
「厳しいな」

「ちなみに、彼は十五試合無得点です」
 と私は言ってピッチを見る。

 背番号22番、鈴木夕岱。
 一番可能性の低い選手をあげたものの、勝ってくれればそれでいい。順位が一個上のチームとの直接対決なのだ。得失点差を加味すれば、二点差以上で勝っておきたい。

 並んだ時に笑うか泣くかは得失点差にかかっていると言っていい。昨年は点を取る分だけ、相手にも点を与えるゆるゆるディフェンスのせいで、二位のチームに得失点差で負けて三位に沈んでいた。

 今日は勝てばいい。
 鈴木選手は生え抜きのエースで、期待をかけていたけれど、今期得点には期待していない。

 この際、賭けはどうでもいいのだ。正直、綾川凌のお見合いがどうなろうが、私の知ったことじゃない。

 勝てばいいのだ!

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