【完結】山猿?いえいえ立派な淑女ですわよ。

青井 海

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第3話 初めてのお茶会

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のびのびと成長したクラリス。
彼女は、十四歳になった。
あいかわらず、外を駆け回るのが大好きである。 
残念ながら、以前みつけた『妖精の森』の穴は、その後、何度探してもみつからなかった。 

七歳から始めた勉強と各種レッスンは、刺繍と裁縫以外は軒並み順調。
特にダンスは、目を見張るものがある。
体を動かすのが好きな彼女。
体が柔らかく、体幹がしっかりと鍛えられていて、ダンスに向いていた。

今日は淡いビンクのドレスを着せられているクラリス。
髪のサイドを編み込みにしてもらい、白い小さなリボンをつけている。
『どこのお嬢様?』と噂になりそうな仕上がりである。
まぁ、クラリスは侯爵令嬢なので、普段の彼女を知らなければ、ピッタリの装いと言える。

今、彼女の母 シャルリーヌが催すお茶会が、庭園で行われている。

我が家のパティシエが腕を奮った美しいお菓子の数々。
クラリスは初めて見るお茶会の光景に息を飲んだ。
すごい、すごいわ。
夢の世界が広がっている。

私はズイズイとお菓子に吸い寄せられる。
「いただきます。」
ムシャムシャ、うん美味しい。
自然と顔がほころぶ。
お腹が落ち着いて、余裕が出てきたので、周りを見渡してみる。

私と同じくらいの子供たちが、みな母親と思われる女性に寄り添っている。
男の子は、落ち着いた色味のカチッとしたキレイな格好だ。
女の子は、淡い色のかわいらしいドレス。
この庭園にいる子供は、男の子が多いみたい。

ぼーっと観察していると、お母様に呼ばれた。
「皆様、娘 クラリスを紹介しますわね。娘も今年十四歳となりました。これからよろしくね。」母はフワリと微笑む。

ワラワラと子供を連れた母親たちが集まってくる。
「まぁ、かわいらしいお嬢様だこと。うちの息子はどうかしら?」
「いえいえ、うちの息子のほうが、髪、瞳の色合いがぴったり。お似合いだと思うわ。」
「まあまあ、我が家との縁をより強固なものにいたしましょうよ。」

皆様、すごい迫力だ。
色とりどりのドレスに囲まれて、目がチカチカする。
ムンムンとした熱を感じる。

連れられた男の子たちの顔は、カチコチと音がしそうなほどに硬い。
皆一様に口角が上がっている。
親から言い含められているのか、一生懸命に笑顔を作っているように見える。

私は夢の世界から、一気に現実へと戻って来た。
みんな変な顔をしているが、一応 私をもらってくれそうな感じである。
というか、私の取り合いになってるのでは?

ネリー、見てごらんなさい。
皆様、私を望んでくれているわ。
今でも苦手なものは、苦手だが、今まで頑張ってきたのだもの。
私は、立派な淑女とやらになれたのかしら?


    
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