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後編6
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「どういうことだ」
はじめて殿下達サイドに動揺が走る。マリアを見る目が変わるのをミリは確認した。
出てくるのが遅かったけれど少しは役に立ったようね。
出てきた女はもちろんミリの仕込みである。
こんなに都合よく偶然があるわけがない。
あらかじめ王子たちがミリを糾弾する、それが分かっていたから
ミリが用意しておいた仕込みのひとつに過ぎない。
王子たちは奇襲をかけたと思っているかもしれないが
逆に手ぐすね引いて待っていたとしたらどうするだろう。
今日は彼女が当番というだけで他にも何通りかのシナリオは用意されていた。
彼女たちを用意したのはただ後で王子たちが目を覚ますための
布石にでもなればいいという軽いものでしかない。
それでもあのマリアという女の化けの皮をはがすのに役立てばいい
疑うきっかけになればとしいた芝居に過ぎない。
「マリアはぼくがはじめてだって…」
「それはおれも…」
「随分と沢山のはじめて、だね。まあその女の手口なんだけど。
私の彼氏のジョニアは目が覚めたみたいだけど、あのマイケルとか
アンドレとかは未だあんたに騙されたって知らないで探してるみたいよ」
「誰よそれ!知らないわっ」
「まあ忘れてるんでしょうよ。あんたにとっちゃ取るに足らない取り巻きで
今はそれ以上の極上が手に入ってるんだから、あんたにしたらそうなんでしょうけど、やられたほうは忘れてないわよ」
「……知らないわ」
そうかもしれませんわね。
だってそれは仕込みですもの。
彼女の話は作り話ですから。
貴方が私についた作り話と同じ。貴方は冤罪でしょうね。
ただ、一つ違いを言っておきますわ。
貴方はまったくそんな疑いもかけられないようなところに
嘘をついて無理やりの犯罪を作った。
調べればすぐボロが出るようなうすっぺらい嘘。
ですが私は貴方の身辺調査を行い
それを元にこんな話があってもおかしくはないという話を
でっち上げました。だから調べてももしかしたらの疑念は払拭できない
真実に近い嘘を作りましたの。
何でこんなことをしたかお分かりかしら?
マリア様。
自分で味わう冤罪はどのような気分でございますか?
「あの女が全部仕組んだのよっきっと!私を陥れるためになんでもするのね。
権力に買収。大方、私の悪い嘘のうわさを流してこの女も金の力で用意したんでしょう?ミリ様?貴方ならそれ位するんでしょう?!」
そうですわね。否定はしません。
「そうなのか?ミリアーナ。」
「今ここで私がなにを言ったとしても真実とは受け取ってもらえないのでしょう。私は何も語りません」
まっすぐとミリを見つめてくる殿下にしっかりと
その視線を受け止めてミリは返す。
「お前でなくともその取り巻きという線もあるがな」
「彼女たちはそのようなことはいたしません。私の名を持って保障します。」
後ろの取り巻き立ちの言葉をミリは跳ね除ける。
「取り巻きをかばうか」
「ええ、大切な大切な友でありますから。殿下も同じでありましょう?」
そしてそんな友を傷つけたのです。
それは貴方たちも同罪。
ですから殿下、許しませんわ。
私の大切なものを壊そうとした貴方たちを
いいえ、貴方たちだから。貴方だから許せませんわ。
ミリは怒りに瞳を燃えさせる。
「殿下、全部あの女が悪いの。殿下、信じて!私のことが好きなんでしょ?
私は潔白よ。だから誰が信じてくれなくても貴方だけは信じて」
マリアが悲痛な叫びで王子に訴える。
※誤字のご指摘ありがとうございます。沢山あったみたいで…。
もうちょっとで完結ですので、すみません、これ以上長くならないよう気をつけます。
「どういうことだ」
はじめて殿下達サイドに動揺が走る。マリアを見る目が変わるのをミリは確認した。
出てくるのが遅かったけれど少しは役に立ったようね。
出てきた女はもちろんミリの仕込みである。
こんなに都合よく偶然があるわけがない。
あらかじめ王子たちがミリを糾弾する、それが分かっていたから
ミリが用意しておいた仕込みのひとつに過ぎない。
王子たちは奇襲をかけたと思っているかもしれないが
逆に手ぐすね引いて待っていたとしたらどうするだろう。
今日は彼女が当番というだけで他にも何通りかのシナリオは用意されていた。
彼女たちを用意したのはただ後で王子たちが目を覚ますための
布石にでもなればいいという軽いものでしかない。
それでもあのマリアという女の化けの皮をはがすのに役立てばいい
疑うきっかけになればとしいた芝居に過ぎない。
「マリアはぼくがはじめてだって…」
「それはおれも…」
「随分と沢山のはじめて、だね。まあその女の手口なんだけど。
私の彼氏のジョニアは目が覚めたみたいだけど、あのマイケルとか
アンドレとかは未だあんたに騙されたって知らないで探してるみたいよ」
「誰よそれ!知らないわっ」
「まあ忘れてるんでしょうよ。あんたにとっちゃ取るに足らない取り巻きで
今はそれ以上の極上が手に入ってるんだから、あんたにしたらそうなんでしょうけど、やられたほうは忘れてないわよ」
「……知らないわ」
そうかもしれませんわね。
だってそれは仕込みですもの。
彼女の話は作り話ですから。
貴方が私についた作り話と同じ。貴方は冤罪でしょうね。
ただ、一つ違いを言っておきますわ。
貴方はまったくそんな疑いもかけられないようなところに
嘘をついて無理やりの犯罪を作った。
調べればすぐボロが出るようなうすっぺらい嘘。
ですが私は貴方の身辺調査を行い
それを元にこんな話があってもおかしくはないという話を
でっち上げました。だから調べてももしかしたらの疑念は払拭できない
真実に近い嘘を作りましたの。
何でこんなことをしたかお分かりかしら?
マリア様。
自分で味わう冤罪はどのような気分でございますか?
「あの女が全部仕組んだのよっきっと!私を陥れるためになんでもするのね。
権力に買収。大方、私の悪い嘘のうわさを流してこの女も金の力で用意したんでしょう?ミリ様?貴方ならそれ位するんでしょう?!」
そうですわね。否定はしません。
「そうなのか?ミリアーナ。」
「今ここで私がなにを言ったとしても真実とは受け取ってもらえないのでしょう。私は何も語りません」
まっすぐとミリを見つめてくる殿下にしっかりと
その視線を受け止めてミリは返す。
「お前でなくともその取り巻きという線もあるがな」
「彼女たちはそのようなことはいたしません。私の名を持って保障します。」
後ろの取り巻き立ちの言葉をミリは跳ね除ける。
「取り巻きをかばうか」
「ええ、大切な大切な友でありますから。殿下も同じでありましょう?」
そしてそんな友を傷つけたのです。
それは貴方たちも同罪。
ですから殿下、許しませんわ。
私の大切なものを壊そうとした貴方たちを
いいえ、貴方たちだから。貴方だから許せませんわ。
ミリは怒りに瞳を燃えさせる。
「殿下、全部あの女が悪いの。殿下、信じて!私のことが好きなんでしょ?
私は潔白よ。だから誰が信じてくれなくても貴方だけは信じて」
マリアが悲痛な叫びで王子に訴える。
※誤字のご指摘ありがとうございます。沢山あったみたいで…。
もうちょっとで完結ですので、すみません、これ以上長くならないよう気をつけます。
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