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動画がアップロードされたばかりだというのに、高評価を上回る大量の低評価がついている。
"タケヤかっけえええぇ!"
"今日も良いジャッジだった!"
褒め称えるようなコメントは沢山ある。
"調子乗んなよゴミが"
"他人の人生めちゃくちゃにして楽しいんか?"
しかし、辛辣なコメントも同様に多い。
それも、胸が苦しくなるような酷いものばかり。
タケヤが過激な動画を作ろうと決めたのには理由がある。
……私のせいだ。
2年前から……いや、もしかするともっと前からかもしれない。私の体を病が蝕み始めた。
朝起きると感じていた異常なまでのだるさ。起き上がる事すら億劫に感じるほど。
今思えば、あれが前兆だったのだろう。
自分では気づけないゆっくりとした病の進行。少しずつ瞼が開く面積が小さくなっていき、呂律がおかしくなっていたらしい。
タケヤが指摘してくれなければ気づけなかった。
医師の診断結果は、全身が麻痺していく難病。疲れからきているのかと思っていた手足の痺れは、そのせいだったようだ。
今は医療が進んでいて、投薬を続ければある程度は食い止める事が出来る。けれど、日常生活にはどうしても支障が出てしまう。
そんな私のために、エレベーター付きのマンションに引っ越してくれたタケヤ。医療費も生活費も、全て彼が出してくれている。何かあった時のために少しでも蓄えを増やしておきたいと、配信者以外にも仕事をしながら。
施設育ちの私にはタケヤしかいない。
人生ごと依存してしまっている自分が情けなく、恥ずかしい。
いっそ捨ててくれれば楽になれるのに。
こんな私を、彼は愛情で包み込んでくれる。迷惑系だなんて蔑まれて、心に傷を負いながら。
"タケヤかっけえええぇ!"
"今日も良いジャッジだった!"
褒め称えるようなコメントは沢山ある。
"調子乗んなよゴミが"
"他人の人生めちゃくちゃにして楽しいんか?"
しかし、辛辣なコメントも同様に多い。
それも、胸が苦しくなるような酷いものばかり。
タケヤが過激な動画を作ろうと決めたのには理由がある。
……私のせいだ。
2年前から……いや、もしかするともっと前からかもしれない。私の体を病が蝕み始めた。
朝起きると感じていた異常なまでのだるさ。起き上がる事すら億劫に感じるほど。
今思えば、あれが前兆だったのだろう。
自分では気づけないゆっくりとした病の進行。少しずつ瞼が開く面積が小さくなっていき、呂律がおかしくなっていたらしい。
タケヤが指摘してくれなければ気づけなかった。
医師の診断結果は、全身が麻痺していく難病。疲れからきているのかと思っていた手足の痺れは、そのせいだったようだ。
今は医療が進んでいて、投薬を続ければある程度は食い止める事が出来る。けれど、日常生活にはどうしても支障が出てしまう。
そんな私のために、エレベーター付きのマンションに引っ越してくれたタケヤ。医療費も生活費も、全て彼が出してくれている。何かあった時のために少しでも蓄えを増やしておきたいと、配信者以外にも仕事をしながら。
施設育ちの私にはタケヤしかいない。
人生ごと依存してしまっている自分が情けなく、恥ずかしい。
いっそ捨ててくれれば楽になれるのに。
こんな私を、彼は愛情で包み込んでくれる。迷惑系だなんて蔑まれて、心に傷を負いながら。
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