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医療機器販売のブラック企業に勤める日比谷優(ひびやまさる)。
36歳独身、何の取り柄もないおっさんだ。
ある夜、彼は異世界に迷い込む。
夜空には月が二つ。辺りには石造りの建物が並んでいる。
明らかに地球とは違う。
『シュワッチ!』
『え、月が二つあるんだが。マジで異世界なん?』
『はよステータスオープンしてくれやw』
急に脳内で声がした。
驚いた優は、体をびくりとさせて驚く。
辺りに人の気配はない。
「まさか、妖精か?」
ここは異世界。妖精は人間にイタズラすると聞いたことがあった。
『なぜバレた?』
『そうそう、俺ら妖精だよw』
『こんなに早く気付かれたの三百年ぶりかも。おっさん天才か?』
謎の声は自らを妖精だと認めた……が、しかし。その正体は違う。
シュワッチというサイトでライブ配信を見ているだけの人間であった。
コメントをナビゲート役の妖精だと信じ込んでしまったラノベ脳の主人公が、厳しい世界を生き抜く珍道中が始まる。
文字数 35,199
最終更新日 2026.09.16
登録日 2026.09.15
13歳になる年の始め、子供達は教会に集まる。
人生が決まるに等しい、適性診断があるからだ。
全ての人がモンスターを召喚できる召喚士となり、サモナーとテイマーに分かれる。
これが問題で、一般的にテイマーはハズレ、サモナーはアタリとされていた。
適性診断では、どんなモンスターに特化した召喚士であるのかが分かる。
ここに、夢を語りながら教会へと向かう子供が二人。
主人公のカイト・フェイトと、その幼馴染のラビ・エンローズだ。
どんな召喚士になるのか、気になってしまうのは当然のこと。
同じ学校に通う、顔見知りの子供達が作る列の最後尾に並び、ドキドキしながら順番を待つ。
一人、また一人と診断を終えて出てくる子供の顔は三者三様。嬉しそうな表情ならサモナー、絶望を浮かべていればテイマーになったのだろうと分かりやすい。
そしてついに、二人の順番がやってきた。
まずは、幼馴染のラビ・エンローズから。
「……ねえ、カイトくん? ……ラビね、ドラゴン特化サモナーになっちゃった」
小さく呟き、振り返ったラビの顔は、悲しんでいるのか喜んでいるのかよく読み取れない。口角は上がっているのに涙目で、頬がヒクヒクと動いている。
何が起きたのか理解できず、まるでカイトに助けを求めているようで……。
「す、すごいじゃん!」
幼馴染が、世界最強のドラゴンサモナーになってしまったのだ。手の届かないところへ行ってしまった気がして、カイトには情けない一言を発することしかできない。
「僕だって!」
しかし、カイトも自分を信じて疑わない。
ステータスを見ると、スライム超特化テイマーと表示されていた。
絶望するカイト。世界から色が消え失せて、ショックからか意識を手放す。
親の助言もあり、立ち直ることはできた。
だが、いじめっ子同級生のザンブに決闘を挑まれる。
自分を信じてスライムをテイムし、カイトは困難に立ち向かう。
文字数 47,464
最終更新日 2026.09.16
登録日 2026.09.14
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