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(二十三)友を見送り、からの本格コーチング
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まあ、分かってはいたけど、そりゃあ、あいつと飲めば、二日酔いになるよな。てか、ミエコおばさんも、まっちゃんも、相変わらず強いよね。全然、平気な顔して、朝ご飯くってんだっよなあ。この人たち、バケモノ?
「あ、すんまんせん、おばさん。少なめでいいっすよ、さすがに」
「あら、遠慮しないで」
どんな、やり取りじゃ。
今朝の、朝ご飯は、ミエコおばさんが作ってくれたのよ。元気やね。
とは言え、買い物の段階で、僕がメニュー考えてたけどね。おかゆ、梅干し、塩昆布、湯豆腐(白菜と生椎茸入り)、温泉卵。
「おかゆ、いいっすね。こういう朝は。いくらでもいけちゃう」
やっぱ、バケモノじゃ。
「シカ肉、美味かったね、期待を裏切り」
「え、オトヤ、期待してなかったの」
「だってさ、知らない人が獲ったわけじゃん」
「あ、お前はな、東北の田舎モンだからな。そりゃ、熊五郎さんがな、獲ってくれんだろうよ」
「だれ、その熊五郎って。オトヤの親戚」
「ちゃうわ」
「おばさん、俺がいま、作りました。そんな感じだろうな、おもて」
たか、何で、酒残ってると、大阪弁やの、僕も。
「まっちゃん、何時頃、出る」
「どうすっかね、飛行機の時間しらべてみるわ」
「流石に、新幹線は疲れるもんな。じゃあ、どうしよう。羽田まで送ってくよ。おばさんもたまには、ドライブしたいと思うし」
「いや、悪いよ。横浜あたりでいいぜ」
「それね、中途半端。金曜だから、そんなに混んでないだろうし」
「そうだよ、まっちゃん、今さら遠慮しないで。博多まで道中長いんだからさ」
「じゃあ、お言葉に甘えるかね」
予想通り、道は比較的空いており、十時くらいに、まっちゃんを羽田でリリースして、僕らは帰りに喜多方ラーメンを食べて帰ってきましたよ。ミエコおばさんは、あらかじめ求めておいたマカロンの詰め合わせを、奥さんへ、とお土産に持たせておりました。
そんなわけで、久々に旧交を温めましたよ。
帰ると、一転切り替えて、コーチングの準備。今日は実質の本格スタートということでね、初の競技場コーチングなんで。
プリントの出力。これがあれば、僕がいなくても、自主練でもできるからね。
生徒たちは、それぞれに、電車で向かうはず。僕は、三時半に車で出発。高校裏の駐車場にパークして、競技場へ。まだ、誰も来ていないので、少し待つ。
「あ、ハルヤマ先生。お疲れ様です」
「こんにちは、小柳さん。お天気良くなってきましたね。よろしくお願いします」
まあ、僕、晴れ男なんで。
生徒たちも続々と集まってくるが、何となく、緊張した面持ちだ。これが日常的にならないと、強くはなれんよお。
事務所に挨拶して、競技場内へ。高校生らしきが一チームいるだけで、予想に反して、人が少ない。そういう時期なのか、こんなもんなのか、分からん。
「準備出来たら、いつもの、ウォーミングアップは早速初めてください。荷物はね、あの砂場の横、壁際あたりで良いらしいから」
カツマタくんが率先して動いて、皆を引っ張る。大きな水筒タンクを運んで行ったり。
僕は、歩いていき、フィールドの状況なんかを確認する。ハルヤマ先生が事前に連絡してくれたせいか、走幅跳のマット周りは、すぐに使える感じになっている。
ジョグから。
「カツマタくん、足、どう」
走りながら。
「あ、ほとんど痛くなくなりました」
「じゃあ、様子見ながら、今日は、幅跳びも少しやってみるかね」
まずは、スプリントまで共通練習を進める。
その後。
「じゃあ、長距離チームは、インターバル走、プリントの通り、今日は、二百、三百、四百を三セットね。それで、少し休んだら、タイムトライアル。八百と、千五百。とりあえず、そこまで」
「はい」
「短距離は、腿上げから、ダッシュまでいつも通りやって。その後、もう一回、百五十スプリントを五本。最後、二百かけ二百インターバル走を三セットしてから休憩。その後、タイムトライアルね、それぞれ。カツマタくんはやれるところまでやって、無理せず、その後、砂場。オチアイさんは、スプリントの後、マットのとこね。その他、フィールドやるひとは、適宜、その場所に行ってね。僕も回るので」
はい、これで、始まるぞ。
しかし、懐かしいものなだあ、こんなグラウンド、いつ以来だ。高校二年か。
おお、長距離チーム、インターバル走にも慣れてきたみたいだな。ウサミくんが引っ張っていってるな。
「はい、がんば。なるべく、前についていくんだよ」
僕は、百メートルのゴール付近にしばらく居て、その後、三十メートル付近に移動し、短距離チームを指導する。
「腰は、しっかり、こう、入れて。軸足は伸ばす。一回一回意識して。腕も、正しく降って」
まあ、伸びしろはまだまだあるな。
「ダッシュは、百メートル本番の、姿勢、加速をイメージして走るんだよ、三十メートルダッシュでは無いからね、イメージは、百。二十メートルくらいまでは、顔は下だぞ。すぐ上げるな」
練習は、万全とやってはダメ。イメージを大切に、丁寧にやらないと、力にならない。じゅあ、そろそろ、高跳びを見るか。
「問題なさそう、マットとか、バーとか」
「はい、大丈夫そうです」
「じゃあね、一メートル十にセットしようか、最初」
懐かしい、このバーと高さ調整。
「そしたらさ、その場跳びで、跳んでみる。イメージは、ちゃんと、上に跳んてから、身体を反らして、抜ける、という一個一個の動作を、きちんと意識してやる」
「飛べますかね」
「跳べる、理論上は。その腰の高さで、オチアイさんは、垂直跳び、五十以上は跳ぶでしょ。出来ない場合は、さっき言った動作ができていない
証拠」
一回目、バーの上に直接落ちる。
「まあ、上に上がるっていっても、完全に垂直ではダメで、少しはマットよりに斜めうえに。腕の動きも大事だよ。曲げたまま、よりは、真っすぐから、クリアするときに少し、うえに上げる。本番で背面跳びみたいにはしなくていいけど」
二回目はクリア。
「まあ、一メートル、二十は、すぐに跳べるようになる。歩いていど、出来たら。次は、五歩跳びね。例のリズム。タン・タン・ターン・ダ・タン。フォームは、分かってるよね。やってみて。右利きだから、右回りふだよね」
「はい」
「じゃ、まず、スローモーションで、フォーム確認。じゃあ、まず僕やるわ」
僕は、やって見せる。タン・タン・ターン・ダ・タン。
「踏切のあと、の腿上げ、姿勢までね。こんな感じで。実際に跳ぶ時には、このイメージを再現するので、身体で覚える。インプットする。録画するみたいに。それを再生する早送りで」
我ながら、上手いこと言ったね。
「それで、気が済んだら、実際、五歩助走で跳んでみるか。高さは、まあ、一メートル二十にしておくか。
そこへ、カツマタくんが来たので、バーの補助をやってもらう
「この、五歩助走で、キャパ、決まる。この間話したとおり。これで、跳べる距離かける、助走のスピードだから。まあ、でも、三十くらいまでは、行くはず。やってみて、ちょっと幅跳び見てくるから。カツマタくん、行こ」
「どう、足」
「なんか、こういうグラウンドのほうが、痛くないような、気がします」
「まあ、それは気のせいかな。というより治ってきたんだよね、きっと。でも、フル助走は止めておこう。五歩助走で、フォームを固めよう。
「はい」
まずは、砂場をレイキで、一応均す。
「まあ、幅跳びは、その場トビってあっまり意味ないから。五歩、あ、最初、三歩助走やってみよう、リズムを確認するため。ターン。ダ・タン。ちょっとやってみるね、できるかな、いきなりアキレス腱切ったりして」
僕は、三歩で踏み切り、飛び上がるフォームまでみせる。
右足踏み切り、左腿を上げ、右手を上げ、状態を反らして、振り上げた右手をお気負いよく、押し下げるようにして、揚力につなげる。
「まあ、説明したとおり、再現できてないけど、たった状態で、再現すると、こう」
カツマタくんも真似してみる。
「身体を仰け反らすっていうのが、重要なポイント。空力の関係で、上に上がる揚力ができる。これを完全にマスターすれば、助走して跳ぶと、上に浮き上がる感覚を体感できるよ。まあ、向かい風が吹けば、五歩助走でも、その感覚は、そのうち分る、と思うよ。ちょっと、その場でイメージ作ってから、やってみて、三歩から」
結構、再現力あんな、カツマタくん。もう何となくできてんじゃん。
「ここでは、あくまでも、上に上がるイメージね。高跳びも一緒なんだけど、上に上がるイメージをちゃんと身につけないと、流される跳躍がクセになって、記録に伸び悩むことになるから、あとあと」
四時半で一旦集合。記録会をやる。
長距離チームは、軒並み、自己記録を伸ばしていた。早くも練習の成果が出てきているということか。短距離はまちまち。
僕は、最後に、伸び悩んでいる生徒のフォームを見て、良くないところと、改善策を提示。やっぱり、総じて、脚力不足だな。筋トレと練習量だろう、これは。
最後に、ペア組んで、マッサージと、筋トレのやり方を指導。
これを継続すれば、確実に伸びるはずだ。
「あ、すんまんせん、おばさん。少なめでいいっすよ、さすがに」
「あら、遠慮しないで」
どんな、やり取りじゃ。
今朝の、朝ご飯は、ミエコおばさんが作ってくれたのよ。元気やね。
とは言え、買い物の段階で、僕がメニュー考えてたけどね。おかゆ、梅干し、塩昆布、湯豆腐(白菜と生椎茸入り)、温泉卵。
「おかゆ、いいっすね。こういう朝は。いくらでもいけちゃう」
やっぱ、バケモノじゃ。
「シカ肉、美味かったね、期待を裏切り」
「え、オトヤ、期待してなかったの」
「だってさ、知らない人が獲ったわけじゃん」
「あ、お前はな、東北の田舎モンだからな。そりゃ、熊五郎さんがな、獲ってくれんだろうよ」
「だれ、その熊五郎って。オトヤの親戚」
「ちゃうわ」
「おばさん、俺がいま、作りました。そんな感じだろうな、おもて」
たか、何で、酒残ってると、大阪弁やの、僕も。
「まっちゃん、何時頃、出る」
「どうすっかね、飛行機の時間しらべてみるわ」
「流石に、新幹線は疲れるもんな。じゃあ、どうしよう。羽田まで送ってくよ。おばさんもたまには、ドライブしたいと思うし」
「いや、悪いよ。横浜あたりでいいぜ」
「それね、中途半端。金曜だから、そんなに混んでないだろうし」
「そうだよ、まっちゃん、今さら遠慮しないで。博多まで道中長いんだからさ」
「じゃあ、お言葉に甘えるかね」
予想通り、道は比較的空いており、十時くらいに、まっちゃんを羽田でリリースして、僕らは帰りに喜多方ラーメンを食べて帰ってきましたよ。ミエコおばさんは、あらかじめ求めておいたマカロンの詰め合わせを、奥さんへ、とお土産に持たせておりました。
そんなわけで、久々に旧交を温めましたよ。
帰ると、一転切り替えて、コーチングの準備。今日は実質の本格スタートということでね、初の競技場コーチングなんで。
プリントの出力。これがあれば、僕がいなくても、自主練でもできるからね。
生徒たちは、それぞれに、電車で向かうはず。僕は、三時半に車で出発。高校裏の駐車場にパークして、競技場へ。まだ、誰も来ていないので、少し待つ。
「あ、ハルヤマ先生。お疲れ様です」
「こんにちは、小柳さん。お天気良くなってきましたね。よろしくお願いします」
まあ、僕、晴れ男なんで。
生徒たちも続々と集まってくるが、何となく、緊張した面持ちだ。これが日常的にならないと、強くはなれんよお。
事務所に挨拶して、競技場内へ。高校生らしきが一チームいるだけで、予想に反して、人が少ない。そういう時期なのか、こんなもんなのか、分からん。
「準備出来たら、いつもの、ウォーミングアップは早速初めてください。荷物はね、あの砂場の横、壁際あたりで良いらしいから」
カツマタくんが率先して動いて、皆を引っ張る。大きな水筒タンクを運んで行ったり。
僕は、歩いていき、フィールドの状況なんかを確認する。ハルヤマ先生が事前に連絡してくれたせいか、走幅跳のマット周りは、すぐに使える感じになっている。
ジョグから。
「カツマタくん、足、どう」
走りながら。
「あ、ほとんど痛くなくなりました」
「じゃあ、様子見ながら、今日は、幅跳びも少しやってみるかね」
まずは、スプリントまで共通練習を進める。
その後。
「じゃあ、長距離チームは、インターバル走、プリントの通り、今日は、二百、三百、四百を三セットね。それで、少し休んだら、タイムトライアル。八百と、千五百。とりあえず、そこまで」
「はい」
「短距離は、腿上げから、ダッシュまでいつも通りやって。その後、もう一回、百五十スプリントを五本。最後、二百かけ二百インターバル走を三セットしてから休憩。その後、タイムトライアルね、それぞれ。カツマタくんはやれるところまでやって、無理せず、その後、砂場。オチアイさんは、スプリントの後、マットのとこね。その他、フィールドやるひとは、適宜、その場所に行ってね。僕も回るので」
はい、これで、始まるぞ。
しかし、懐かしいものなだあ、こんなグラウンド、いつ以来だ。高校二年か。
おお、長距離チーム、インターバル走にも慣れてきたみたいだな。ウサミくんが引っ張っていってるな。
「はい、がんば。なるべく、前についていくんだよ」
僕は、百メートルのゴール付近にしばらく居て、その後、三十メートル付近に移動し、短距離チームを指導する。
「腰は、しっかり、こう、入れて。軸足は伸ばす。一回一回意識して。腕も、正しく降って」
まあ、伸びしろはまだまだあるな。
「ダッシュは、百メートル本番の、姿勢、加速をイメージして走るんだよ、三十メートルダッシュでは無いからね、イメージは、百。二十メートルくらいまでは、顔は下だぞ。すぐ上げるな」
練習は、万全とやってはダメ。イメージを大切に、丁寧にやらないと、力にならない。じゅあ、そろそろ、高跳びを見るか。
「問題なさそう、マットとか、バーとか」
「はい、大丈夫そうです」
「じゃあね、一メートル十にセットしようか、最初」
懐かしい、このバーと高さ調整。
「そしたらさ、その場跳びで、跳んでみる。イメージは、ちゃんと、上に跳んてから、身体を反らして、抜ける、という一個一個の動作を、きちんと意識してやる」
「飛べますかね」
「跳べる、理論上は。その腰の高さで、オチアイさんは、垂直跳び、五十以上は跳ぶでしょ。出来ない場合は、さっき言った動作ができていない
証拠」
一回目、バーの上に直接落ちる。
「まあ、上に上がるっていっても、完全に垂直ではダメで、少しはマットよりに斜めうえに。腕の動きも大事だよ。曲げたまま、よりは、真っすぐから、クリアするときに少し、うえに上げる。本番で背面跳びみたいにはしなくていいけど」
二回目はクリア。
「まあ、一メートル、二十は、すぐに跳べるようになる。歩いていど、出来たら。次は、五歩跳びね。例のリズム。タン・タン・ターン・ダ・タン。フォームは、分かってるよね。やってみて。右利きだから、右回りふだよね」
「はい」
「じゃ、まず、スローモーションで、フォーム確認。じゃあ、まず僕やるわ」
僕は、やって見せる。タン・タン・ターン・ダ・タン。
「踏切のあと、の腿上げ、姿勢までね。こんな感じで。実際に跳ぶ時には、このイメージを再現するので、身体で覚える。インプットする。録画するみたいに。それを再生する早送りで」
我ながら、上手いこと言ったね。
「それで、気が済んだら、実際、五歩助走で跳んでみるか。高さは、まあ、一メートル二十にしておくか。
そこへ、カツマタくんが来たので、バーの補助をやってもらう
「この、五歩助走で、キャパ、決まる。この間話したとおり。これで、跳べる距離かける、助走のスピードだから。まあ、でも、三十くらいまでは、行くはず。やってみて、ちょっと幅跳び見てくるから。カツマタくん、行こ」
「どう、足」
「なんか、こういうグラウンドのほうが、痛くないような、気がします」
「まあ、それは気のせいかな。というより治ってきたんだよね、きっと。でも、フル助走は止めておこう。五歩助走で、フォームを固めよう。
「はい」
まずは、砂場をレイキで、一応均す。
「まあ、幅跳びは、その場トビってあっまり意味ないから。五歩、あ、最初、三歩助走やってみよう、リズムを確認するため。ターン。ダ・タン。ちょっとやってみるね、できるかな、いきなりアキレス腱切ったりして」
僕は、三歩で踏み切り、飛び上がるフォームまでみせる。
右足踏み切り、左腿を上げ、右手を上げ、状態を反らして、振り上げた右手をお気負いよく、押し下げるようにして、揚力につなげる。
「まあ、説明したとおり、再現できてないけど、たった状態で、再現すると、こう」
カツマタくんも真似してみる。
「身体を仰け反らすっていうのが、重要なポイント。空力の関係で、上に上がる揚力ができる。これを完全にマスターすれば、助走して跳ぶと、上に浮き上がる感覚を体感できるよ。まあ、向かい風が吹けば、五歩助走でも、その感覚は、そのうち分る、と思うよ。ちょっと、その場でイメージ作ってから、やってみて、三歩から」
結構、再現力あんな、カツマタくん。もう何となくできてんじゃん。
「ここでは、あくまでも、上に上がるイメージね。高跳びも一緒なんだけど、上に上がるイメージをちゃんと身につけないと、流される跳躍がクセになって、記録に伸び悩むことになるから、あとあと」
四時半で一旦集合。記録会をやる。
長距離チームは、軒並み、自己記録を伸ばしていた。早くも練習の成果が出てきているということか。短距離はまちまち。
僕は、最後に、伸び悩んでいる生徒のフォームを見て、良くないところと、改善策を提示。やっぱり、総じて、脚力不足だな。筋トレと練習量だろう、これは。
最後に、ペア組んで、マッサージと、筋トレのやり方を指導。
これを継続すれば、確実に伸びるはずだ。
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