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外国から見た日本
ニ号研究の内容、続けます。
しおりを挟む飯盛は戦後になってから、その頃仁科に会うたびに仁科が次のように語っていたと述べている。
「なかなかむづかしい、とにかく核分裂するときに非常なエネルギーが出るんだから、爆弾みたいにしないで、熱源というか、動力源として使うには非常にいいんだが」
爆弾にするということを口にすることはあまりなかった、という[13]。
空襲によって分離筒が焼失するまで6回分離実験を行ったが、6回とも分離はうまくいかなかった。
ウラン235がどれくらい濃縮されたかを知るには、質量分析計で同位体比 (U235/U238) を測定するのがもっとも確実だが、当時の理研には質量分析計が無かった。
次善の方法として、サイクロトロンで発生させた中性子を試料に当て、ウラン235の核分裂によって発生するベータ線の強度をローリッツェン検電器で測定することにより、間接的にウラン235の量を求めた。
熱拡散分離筒にかける前の試料と分離操作をした試料を同一条件で測定したが、両者の間に有意の差が認められず、分離ができていないと結論された。
分離筒が焼失した後、理研の一部は山形高校に疎開し、木越は六フッ化ウランの製造を続けるとともに、なぜ分離がうまくいかなかったを考えた。
そこで分子間力を考慮に入れると、分離筒の中で起こっているのは、単に重いウラン238は下へ、軽いウラン235は上に、という単純な現象ではないことに思い至った。
熱拡散法はアメリカとドイツでも試みられていたが、1941年に熱拡散法ではウラン235は分離できないという結論が出ていた。
つまり理研で熱拡散法を選んだ時点ですでにこの方法では分離できないことが確認されていたのである[13][16]。
終戦時、木越は残っていた六フッ化ウランを山形高校の校庭に埋めた。後年訪れたとき、様子がすっかり変わっていてどこに埋めたかわからなかった[1]。
◆熱拡散分離筒の焼失
仁科研究室の山崎文男の家は理研のすぐ近くの本郷曙町 (現・本駒込一丁目、二丁目) にあった。
当時、山崎は家族を地方に疎開させて、ここに一人で暮らしていた。
同じ仁科研の朝永振一郎と福田信之も家族を疎開させて一人暮らしをしていた。
山崎の家は理研に通うのに好都合なので、この二人ともう一人物理学校 (現・東京理科大学) の学生の合計四人がこの家で共同生活をしていた。
1945年4月12日の夜、空襲があり山崎の家も被災した。
その日は福田は不在で三人で消火に当たったが、素人の力ではどうにもならず、全焼してしまった。空襲警報が発令中だったので、山崎と朝永は近くの防空壕に避難した。
やがて解除のサイレンが鳴ったので二人は防空壕から出て理研に行ってみると焼夷弾が落ちてあちこちが燃えていた。熱拡散分離筒がある49号館は燃えていなかったので、そこにいた人たちと協力して水を掛けたり回りにあった材木を片付けて延焼を防ぐ処置をした。
一応めどが着いたので49号館の向かいにある43号館で休んでいると、夜が明けた頃、49号館から煙が出ていることに気が付いた。
人々が油断している間にモルタルの壁の中に残っていた火が燃え上がったのである。急いで駆けつけたが、もう手が付けられない状態で、結局49号館は分離筒と共に全焼してしまった[1]。
この空襲では理研希元素工業荒川工場 (後出) ウラン抽出棟も直撃弾を受け、工員3名が即死した。
この空襲について飯盛は、日本の原子爆弾開発計画がアメリカ側に洩れていたのではないか、と述べている[18]。
※ まだ、この倍以上の文章が続きますが、ニ号研究の内容は、ここまでとさせて頂きます。
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