[完結]美術界の変革を願う

鏡子 (きょうこ)

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2018年5月20日

神様と日本狼

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「神様と日本狼」

2018/05/20 16:27


太古より、人々は、神仏を崇め敬い、有り難がった。


人知を超えた何かにすがらなければ、また、それを拠り所にしなければ生きていけなかったから。

権力ある者に逆らえない理不尽な世の中で、科学も医学も未発達な世の中で、人々は、絶対的な愛にすがり、愛を求めた。

そして、神様を信じれば、
奇跡が起き、救われるかもしれないと思った。

現実は、なかなか上手くはいかず
いくら神様を拝んだところで、
雨乞いしても雨はなかなか降らず、神様を拝んだところで、
我が子の病は治らない…

そういうことを経験しながらも、人々は、神様の存在を信じ続けた。

豊穣を祈り、村人みんなで祭りをし、祈願していたことが叶えば、
神様にお礼詣りをし……
そうやって、神様と共に生きていた。

何より、神様を崇拝することで、
自分の心は慰められる。

神は、人と共にあり、
人に常に寄り添い、
正しい道へと導く、
そういう存在だったのだ。


何世紀も経ち
文化や経済が著しく成長し、
人々の考え方は変わっていった。


べつに神様を拝まなくとも、
医学の進歩により、
今まで治療法がなかった病気が治るようになった。


べつに神様を拝まなくとも、
科学の進歩により、今まで未解決だった問題や事件が解決されるようになった。


そうやって人々は、
だんだんだんだん
神様を蔑ろにするような生き方をする。

神様がいなくとも、
人間の力のみで何でも解決出来ると、何でも可能になると奢り高ぶった。


そういう中でも、心優しく謙虚な者もいたが、傲慢さを極めていく者多々で、無神論者は確実に増えていった。


世の腐敗や破壊、破滅よりも
お金儲けの道を選んだ。


人々と共に生きていた、
動物や鳥、魚や昆虫は、行き場を失う。


自然環境は、確実に悪化を遂げ、
絶滅する生き物も増えていった。


それもこれも、
人間のせい。


人間だけの地球ではなかったはずなのに。


それだけではない。

もっとも恐ろしいテクノロジーという魔物がやって来た。


人々は、テクノロジーを崇拝し
人々は、それを使いこなす。

神様など、なくとも、この力によりあらゆることが可能になっていく。

結果、神様は、置き去りにされていった。

太古より人々に寄り添い
人々を助け、導き、
人々と共に生きていたはずの神様は、小人よりも小さな小さなものに様変わりしてしまったのだ。


人間は愚かだ。


人間は、自分の中にも、神様がいらっしゃることにまだ気付いていない。


テクノロジーが発達し、
神様がいないと認めることで、
《精神》という名の神様が
どんどんどんどん退化し、弱っていった。


神様が弱っていくことで
悪いことを悪いと感じる心や感覚は麻痺してしまう。


虐めは増える。
犯罪は増える。
時に戦争は起きる。


人間が、
自分で蒔いた種だから仕方ない。


神様の存在を蔑ろにしたのも自業自得だ。



私は、子供の頃
日本狼の遠吠えに幾度も悩まされた。


授業中、どこからともなく
切ないような声で遠吠えするような日本狼の鳴き声が聞こえてきて
切なくて苦しくてたまらなかった。


人間が傲慢でなければ、
彼らも絶滅しなくてもすんだのにな。
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