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鏡子 (きょうこ)

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赤ちゃんの気持ち

3 赤ちゃんの気持ち (言葉に纏わるエピソード)

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生まれたばかりの頃から、私は日本語を理解していた。

多分、前世の記憶だろうか?

前世は、いつの時代生まれたかは分からない。とにかく私は、日本語をよく理解していた。

しかし、母親は、私に
赤ちゃん言葉で話しかけてくる。

「ちーは、お利口ちゃんでちゅね。」


私は、母が、何で私に向かって
赤ちゃん言葉で話しかけるのか、分からなかった。

もっと普通に話してくれたら良いのに…

「私は、見た目は、赤ちゃんに見えるかもしれないけど、心は、赤ちゃんじゃないのよ!」

そう思った。

赤ちゃん言葉を理解するのは、困難である。


私は、母が言う「やーや」の意味や「ぶーぶー」の意味が全く分からなかった。


やーやは、赤ちゃん

ぶーぶーは、車


物心ついて、やっと、
母が使っていた赤ちゃん言葉の意味を、知ることになる。


例えば、やーやに纏わるエピソード


私くらいの赤ちゃんを見るたび母は、

「ほら、やーやよ。やーや。」


そう言った。私は、やーやの意味が全く分からなかったので


ああ、やーやって、かわいいって意味なのね


そう自分なりに解釈した。


ある日のお散歩で、犬を連れた大人の人に出会った。



私は、嬉しそうに「やーや  やーや」
って言ったら、母が笑った。



「ちー、それは、やーやじゃないよ。ワンワンよ」って。



やーやって、かわいいって意味じゃなかったんだ。


じゃあ、やーやってどういう意味なの?


全く、わけが分からなかった。


やーやは、赤ちゃんっていう意味だなんて知らなかった。


母が普通に
「ちー、可愛い赤ちゃんがいるね」


そう言ってくれたら、私の頭は、混乱することなかったのに。




※  補足

小学校に入る少し前、母と一緒に歩いていたら、近所で、赤ちゃんを抱っこしている人に会った時、母は、赤ちゃんを見ながら、「可愛い、ややこやなぁ」って言っているのを見た。

私は、その時

「赤ちゃん→ややこ → やーや」

そっか~!やーやって赤ちゃんって意味だったんだ。

私は、その時、やーやの意味が、やっと分かったのです。

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