さかさまな世の中 ※

鏡子 (きょうこ)

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赤ちゃんの記憶

I先生に送ったFAX 4

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 だんだんと目が見えるようになって嬉しかった日の事も覚えています。自分を抱っこしてくれている母親の目と焦点が合いました。黒い瞳が、まるで宝石のように輝いて澄んで見えました。そしてチラチラとさらに光るものが動いています。
「あ~お母さんの目に私がいる。なんて幸せなんだろう。」私は、抱っこされてそう思いました。  
    はじめての声(絞るような声)が出た日の事も、忘れられません。母は私に、いつも話しかけてくれました。「ちえは、りこもん。本当にりこもんやな。」私はその時、私もしゃべれるよ!!と、心の中で思いました。私は、前世でも日本語を使っていたので、日本語が分かります。母と話したいと思いました。でも、口の動かし方が分からなくなっていました。あんなに流暢に話せていたはずの言葉が出てこなかったのを悲しく思いました。口の神経が麻痺してて、私は、このまま一生しゃべれないのではないかと、不安になりました。力いっぱい声を出そうとしました。「ア"~」絞るような声でしたが、やっと声が出ました。
    おっぱいの味も、決して忘れる事のできない味でした。毎回味が違うので、私にとって魅惑の味でした。本当に、この世の中で、こんなご馳走はないと思うくらい美味しい味だったのを覚えています。しかし、欲を言えば右のおっぱいの方が格別に美味しい、左は少し味が薄い気がするな。そう思っていました。
   喃語が話せるようになった頃の事です。なぜ喃語が話せるようになったか理由があります。私は、前世の言葉が理解できていたので、まずアイウエオの練習をしようと思いました。アは、すぐに言えました。続けてイが言えません。口の動かし方が分かりませんでした。ウは、なんとなく言えた気がします。
はじめは、「アウ、アオ」それくらいしか言えなかったのを覚えています。
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