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何でもかんでも競争だ。

競争、競争、とにかく競争… 韓国の5 Gを巡る3社の競争

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先行した韓国と米国の5G、ファーウェイは商戦にどこまで食い込めたのか
金子 寛人 日経 xTECH/日経コンピュータ
2019.10.23

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全1742文字

韓国や米国では一足先に5G(第5世代移動通信システム)の商用サービスが始まっている。両国の展開方法は日本での5G展開を占う参考になる。基地局や端末のビジネスには米中摩擦の影響が垣間見える。

 韓国の通信大手3社であるKT、SKテレコム、LG U+は2019年4月に5Gの商用モバイルサービスを始めた。3社合計の5G契約数は8月までに200万件を超え「9月上旬に300万件に達した」との報道もある。

 「アンテナの設置密度は十分ではないが、3社が競うようにソウルを中心に5Gのエリアを広げている。3社の販売競争も激しい」(情報通信総合研究所の岸田重行上席主任研究員)

 普及を後押しするのが端末と通信料だ。端末については韓国サムスン電子の「Galaxy S10 5G」といった上位機種から「Galaxy A90 5G」のような中位機種までが出そろっている。

 韓国は日本と同様に政策によって端末代と通信料を分離している。通信会社が通信料を原資に端末価格を割り引く販売方法は規制されている。しかし5Gについては規制が緩和され、端末の価格が安くなっている。

 野村総合研究所の亀井卓也ICTメディア・サービス産業コンサルティング部上級研究員は、これらの施策により「ハイエンド層だけでなく中程度の利用頻度のユーザー層も5Gに取り込めている」とみる。情報通信総合研究所の岸田上席主任研究員は「韓国企業が世界の5G市場でシェアを獲得する足がかりとして、政府が自国での普及を支援している」と分析する。

 SKテレコムは5G向けに月間データ量が150ギガ~300ギガバイトという大容量の料金プランを提供している。期間限定でデータ量を無制限にするキャンペーンで4Gからの移行を促す。KTは月額8万ウォン(約7200円)以上のプランで、データ量を無制限とする。

韓国での5G商用サービスの概要。通信3社が激しく競う。
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