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本との出会い
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ここは魔法の世界、色々な物を創造するだろうが
おそらくみんなの思い描いている魔法の世界とは多少の差はあれど
そんなに大きくかけ離れたものでは無いだろう
補足するならば文明の程度としては日本で言えば南蛮から鉄砲が伝わってくる以前ぐらいのものだと思っていてもらえばよいだろう
雷や地震を神の怒りだと思っていたり、夜は篝火をともすぐらいしか灯りを取る術がなかったり
もっともこの世界には事実として神が存在してしまっているのだが
話しの発端はそんな世界の僕がまだ子供だった頃の時分からはじまる
僕の両親は昔それなりに名を挙げた冒険者だったらしく父親は酒を飲むたびに僕に昔の冒険譚を自慢気に話してくれた、幼い頃の僕はその話を聞くのが大好きだった
今は小さな村で近所の子供に剣や魔法を教える私塾を開いている
お金持ちの部類に入るような家ではなかったが、食うに困ったことはないのでそこそこな収入もあったのだろう
僕はそんな両親に憧れ自分も両親と同じように冒険者になりたいと思っていた
ある日ぼくは母親に頼まれて夕飯のお使いに行っていると一人の老婆に声をかけられる、その老婆は村ではちょっとした有名人だった。
とても不気味な格好をしていて、シワクチャな顔とどこを見ているかわからない目、馬にでも蹴られて潰されたのかと思うほどにペタンコな鼻
そんな容姿から気味悪がられていて、大よそ信じられ無いような荒唐無稽な噂まであった
そんな老婆に話しかけられ一瞬ヒィと声をあげる
「はい、なんでしょうか」
恐る恐る返事をする
「わかめ頭の坊や、この本はいらんかね。なぁに金を取ろうってんじゃないんだ、異世界の珍しい本だと言われて手に入れたのは良いんだがね、私にはこの本を読むことが出来なくてね。持っていてもどうしようもないからね誰かにあげてしまおうと思ったのさ」
僕に?なんで?と思いつつも、老婆の有無を言わせぬ眼力についつい受け取ってしまう、もっとも老婆の目はどちらかというと死んだような目なのだがその時は眼力を感じてしまったのだから仕方がない
「君のスキルならば、その本を読むことができるだろう?私には使えないがね、君ならば私よりもうまく使ってくれると思ってね」
この世界の住人は一人一つ特殊な力を持っているそれがスキルだ
僕のスキルはどんな文字でもちゃんと文字や文章としての条件がそろっていれば読むことが出来るという、あまり役に立たないようなスキルだったが
大抵の人間のスキルは僕と似たような日常生活でちょこっと便利ぐらいなスキルしか持っていないものなのでそんなに引け目を感じた事はないのだけども
しかしなぜこの老婆は僕のスキルを知っているんだろうか?そう尋ねようとした時にはもう老婆は姿をくらましていた
気味が悪いなと思いながらも渡された分厚い本の表紙を読む
「教科書対応 高校化学のススメ」
まったく意味が分からない、教科書はわかるのだがそれ以外のものはよくわからなかった、僕の能力では読めるだけなので、意味を理解することはできない
しかしなんとなく、僕はこの本がとても大切な気がして気味が悪いからとか意味が分からないからといって、捨てて帰る気にもならなかった
これが僕と本の出会いである
おそらくみんなの思い描いている魔法の世界とは多少の差はあれど
そんなに大きくかけ離れたものでは無いだろう
補足するならば文明の程度としては日本で言えば南蛮から鉄砲が伝わってくる以前ぐらいのものだと思っていてもらえばよいだろう
雷や地震を神の怒りだと思っていたり、夜は篝火をともすぐらいしか灯りを取る術がなかったり
もっともこの世界には事実として神が存在してしまっているのだが
話しの発端はそんな世界の僕がまだ子供だった頃の時分からはじまる
僕の両親は昔それなりに名を挙げた冒険者だったらしく父親は酒を飲むたびに僕に昔の冒険譚を自慢気に話してくれた、幼い頃の僕はその話を聞くのが大好きだった
今は小さな村で近所の子供に剣や魔法を教える私塾を開いている
お金持ちの部類に入るような家ではなかったが、食うに困ったことはないのでそこそこな収入もあったのだろう
僕はそんな両親に憧れ自分も両親と同じように冒険者になりたいと思っていた
ある日ぼくは母親に頼まれて夕飯のお使いに行っていると一人の老婆に声をかけられる、その老婆は村ではちょっとした有名人だった。
とても不気味な格好をしていて、シワクチャな顔とどこを見ているかわからない目、馬にでも蹴られて潰されたのかと思うほどにペタンコな鼻
そんな容姿から気味悪がられていて、大よそ信じられ無いような荒唐無稽な噂まであった
そんな老婆に話しかけられ一瞬ヒィと声をあげる
「はい、なんでしょうか」
恐る恐る返事をする
「わかめ頭の坊や、この本はいらんかね。なぁに金を取ろうってんじゃないんだ、異世界の珍しい本だと言われて手に入れたのは良いんだがね、私にはこの本を読むことが出来なくてね。持っていてもどうしようもないからね誰かにあげてしまおうと思ったのさ」
僕に?なんで?と思いつつも、老婆の有無を言わせぬ眼力についつい受け取ってしまう、もっとも老婆の目はどちらかというと死んだような目なのだがその時は眼力を感じてしまったのだから仕方がない
「君のスキルならば、その本を読むことができるだろう?私には使えないがね、君ならば私よりもうまく使ってくれると思ってね」
この世界の住人は一人一つ特殊な力を持っているそれがスキルだ
僕のスキルはどんな文字でもちゃんと文字や文章としての条件がそろっていれば読むことが出来るという、あまり役に立たないようなスキルだったが
大抵の人間のスキルは僕と似たような日常生活でちょこっと便利ぐらいなスキルしか持っていないものなのでそんなに引け目を感じた事はないのだけども
しかしなぜこの老婆は僕のスキルを知っているんだろうか?そう尋ねようとした時にはもう老婆は姿をくらましていた
気味が悪いなと思いながらも渡された分厚い本の表紙を読む
「教科書対応 高校化学のススメ」
まったく意味が分からない、教科書はわかるのだがそれ以外のものはよくわからなかった、僕の能力では読めるだけなので、意味を理解することはできない
しかしなんとなく、僕はこの本がとても大切な気がして気味が悪いからとか意味が分からないからといって、捨てて帰る気にもならなかった
これが僕と本の出会いである
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