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3J 遺跡と龍の地底湖

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 J-1  遺跡調査護衛 アフリカ
 J-2  龍の地底湖 遺跡の地底湖
 J-3  エジプトで不良と喧嘩 
 J-4  将校誘拐 巡航ミサイル撃たれる
 J-5  彩華たちの能力 経験で能力増加

 
 J-1  遺跡調査護衛

ある日、彩華が祥生に尋ねた。
「山雅さん、アフリカの遺跡調査を頼まれたけど、どうしたものかな?」
「遺跡調査には、専門家が居るんじゃないのか?」
「まあ、調査と言っても、安全性の調査だから、学者の護衛だね?」
その遺跡は、最近ジャングルの中で発見された。中程迄は調べているが、奥の方へは危なくて進めない。そこで、危険事案グループに回って来た。
「僕達が行かなければならない程、値打ちが有る物かな?」
「かなり重要の様には、聞こえたけどね?」
「軍の中に行くのよりは、やり易いかも知れないけど、遠いな?」
「そうだねえ?  行くのだけで、丸一日掛かりそう。」
重要な物件らしく、再度依頼が来た。組織とも良好な関係が望ましい事から、彩華も賛同した。祥生も渋々重い腰を上げた。
その現場は、普通に言うところの、洞窟探検であった。
彩華は、親にも学校にも、学術調査で通している。
「学術調査で許可を取ったから、皆んな行けるよ。」
「皆んな必要だな?  そうしたら、今回は、アフリカ支部担当だな?」
「じゃ、今晩から出た事にして、実際は明日の朝からだね?」
「そうだな、明日の朝から、先に安全を確認する。」
皆んなは、明日の朝九時に、事務所に集合する事になった。
「皆揃ったか?  彩華、人の居ない所へ跳んでくれ。」
「遺跡の中がいい。危ない場所だから、人が居ない。」
彩華は、古い遺跡の中に転移した。そこは、ジャングルの中に有った。

「遺跡の外は凄いジャングルだね?」
「だから、今迄発見されなかったのよ。」
そこには、石造りの建物が有った。地上は一階建てだが、地下も有る。
地下には、通路が張り巡らされている。おそらく、自然の洞窟を利用しているのだ。
まるで迷宮の様で、いつ崩れるか分からない状況だ。これでは、学者も入れない。内部を調べていると、学者達が現れた。
「中の状況は、大体調べて置きました。」
今の彩華達は暗視も出来る。そんなに明るく無いが、中は見える。しかし、普通の振りをする必要が有る事から、懐中電灯を持つ。

その日、学者達と彩華達は、一緒に遺跡に入った。学者は四人なので、彩華と祥生が二人ずつ護る。彩華や祥生は、半径10米迄なら、他人の命も護る事が出来る。これが基礎能力で有る。この効果は、防護服の機能と説明されている。
「大体の所は、調べられましたか?  ここは危ないので、単独で来られない方が良いと思います。私達は防護服が有るので、多少は安全ですが?」
「調べられる所は調べた。後は理論だけなので、来る必要は無い。」
「それなら、良いのですが?」
「今回は助かった。地図まで作って頂いて、有り難う。」
これで、調査の手伝いは終った。後は帰りだが、どうしたものか?
「帰りも、瞬間移動するしか無いわね?」


 J-2  龍の地底湖

「山雅さん、この間行った、ジャングルの中の遺跡なんだけど、地下に洞窟が張り巡らされて居たでしょう?」
「あれは、自然の洞窟だと思ったけど。」
「そこに、冒険で入った奴が居るんだよ。」
彩華は、組織からの依頼内容を、祥生に説明している
「そんな冒険者が居ても、おかしくは無い。しかし危ない事をする。」
「そこまでは、良かったんだけどね?」
その冒険者達は、洞窟の奥で、ドラゴンを見たと言う。実際に遭遇したのは三体だが、奥に数体は居た雰囲気だった。慌てて逃げ帰って来たのだが、当局で調査をして欲しいと言う。
「あんな地下深くにドラゴンが居るなんて、他に入り口が有るのかな?」
「あの洞窟なら、三か所に出口が有っても、不思議では無いよ。」
アフリカなんかに、普通の航空便で行ったなら、時間が掛かる。瞬間移動で行くしかない。
「彩華、幽視でも妖視でも良いから、画像を頼む。」
「今回はアフリカ支部から行くんだね?  人の居ない所を探して置く。」
最近は、仕事依頼が来た場合、現地近くの支部から行った事にしている。一々日本から、一般航空便で行く場合、時間が掛かり過ぎるのだ。

彩華は皆を、その近くに瞬間移動で運んだ。もう少し先に地底湖がある。
前に調べた遺跡の相当奥に、その地底湖は有る。ドラゴン達は、その地底湖の近くに、たむろしていた。そこには、二十数匹のドラゴンが居た。
それらは、報告ではドラゴンだったが、中国で言う龍の形をしていた。
「山雅さん、これは龍だよ。中国で言う龍の形をしている。」
彩華が指摘する。
「彩華、瞬間移動で、龍の近くまで行って、尻尾の先を、消去してみてくれるか?」
「分かった。やってみる。」
突然、彩華の姿は消え、瞬間に、ドラゴンの側に現れた。そして、直ぐに戻って来た。
「あいつら、幾らかの知能が有る。尻尾は消滅しなかった。」
「どのくらいの能力が有るか、少し闘って見るか?」
そう言いながら、祥生は、龍の側に飛ぶ。その龍は、蛇に足が生えた状態で、中国で言う、龍の姿をしている。その尻尾が、ぐるっと回って祥生を襲った。祥生は、上に飛んで逃げた。それを尻尾の先が追って来る。祥生は、瞬間で方向を変える。
「中々器用に逃げるな?」
祥生の頭に、龍の意識が響く。
「やっぱり、知能が有ったか?  前の奴は、知能が見えなかったが?」
「同じ形をしていても、色々の種族がある。」
「それで、これからどうする。此処は人間に知られてしまったが?」
「取り敢えず此処は去る。この大地には、こんな場所が幾つもある。」
「その方が良い。人類には科学力も有る。喧嘩はしない方が利口だ。」
伝説に出て来る龍は、人智を超えた存在で、神に近い力が有った。しかし、ここの龍は、それだけの能力は見えない。ただ、彩華も祥生も、全ての龍族を見た訳ではない。もっと優れた龍が居る可能性は有る。
「君達も、幾世代も経てば、もっと能力が上がる可能性も有る。」
「君の心は解った。何とか生き延びて見る。この姿も此処から消える。」

あの龍達は無事生き延びただろうか?  彩華も祥生も心配はしているが、彼等程度の勢力では、隠れ住む事しか出来ない。


 J-3  エジプトで不良と喧嘩

彩華は、祥生に提案している。
「帰りは、エジプトへでも行って、観光でもしようよ?  今迄は中途半端だったし。」
「それはいいね?  せめて、観光気分にでも浸ろうよ。」
彩菜も、それに賛成した。その日の夕方、一同はエジプトへ着いた。
「先ずホテルを探そう。ご飯はそれからだ。」
四人は、歩きながらホテルを探した。そんな時、向こうから、中東系らしい少年達が歩いて来た。その中の一人が、彩菜に声を掛けた。
「おい、そこのネエチャン、俺達と飯を食べよう。」
彩菜は知らぬ顔で擦れ違った。少年達はこちらのグループを追って来る。
「おい、聞こえないのか?」
その一人が彩菜の腕を取った。彩菜は腕を払い、相手の脛を蹴飛ばした。
「いってー。何をしやがる?」
「誰がアンタ達と行くか、今は忙しいのよ。」
少年達は、男が一人なので舐めて掛かっている。
「お前でも良いわ、ちょっと来い。」
今度は、彩華の腕を取る。彩華は、それをはね退ける。その少年が、再び彩華の腕を取った。これで彩華の堪忍袋の緒が切れた。彩華はその少年を、放り投げた。
「ぎやっ。」
祥生は、面白そうに眺めて居るが、腕の陰からスマホが見える。これらの動画を撮っているのだ。彩菜は、向って来る少年に、背負いを掛けた。そいつも宙に浮き、背から落ちる。
「ぐえっ。」
亜香里に向って来る奴も居る。亜香里は、そいつに足払いを掛けた。それも、見事に決まった。
「ぐっうー。」
「天翔流奥義翔武!」
一同が奥義を唱える。同時に彩華が後に飛んだ。その跡を二本のナイフが流れる。亜香里の身体が横に動く。その横腹を掠めて銃弾が飛び過ぎる。
祥生も狙われた。祥生は突然腕を振る。その腕でナイフがはねられた。
彩菜の身体が宙に浮いた。その身体の下を銃弾が流れる。
「いったい、何なんだ。お前達は何者だ?」
「無駄だよ。我々の武術は破れないよ。」
相手の男達は、胡散臭そうな顔をしていたが、仲間を起こして路地の奥に消えた。
「消えたか?  いつも同じパターンだね?  行った先で喧嘩になる。」
「やっぱり、山雅さんが大人しそうだからだね?  髭でも生やしたら?」
「彩菜、冗談はよしてよ。山雅さんに髭が似合う訳無い。」
「あははは、それはそうか?  ところで、山雅さんは何をしてたのよ?」
「ああ、僕は君達の動画を撮ってた。仕掛けられた証拠物件だよ。」
「随分と用意の良い事で。」
本当は、そんな動画は他人には見せられない。撃たれた瞬間に身体が逃がれた。分析されると、妙な話になる。
本当のところは、妖体機能で、相手の行動力を無効に出来る。元々祥生が持つ機能だが、大分前に彩華も感応している。普段は、基礎能力でも対応出来るので、余程の時しか使わない。
それから一行は、その辺りのホテルに泊まり、そこで夕食を取った。


 J-4  将校誘拐

次の日、朝食後のお茶を飲んでいると、彩華に電話が掛かった。
組織からだった。
「山雅さん、組織からだけど、このアフリカで、誘拐事件が起こった。」
「満が良いと言うのか、悪いと言うのか、タイミングの良い事で。」
「出来れば、対応して欲しいと言うのだけど、どうする?」
「やるしか無いよ、お姉ちゃん。このアフリカに居るんだもの。」
ゆっくりする暇が無くなるが、せっかくだから、片付ける事にした。
彩華は、組織に連絡を入れた。ホテルまで組織の車が迎えに来る。
今回の現場は、アフリカの小国である。民間路線を使うと、直通便が無い為、時間が掛かる。その為、組織の交通網を使う。直ぐに、ホテルを出なければならない。
一同四人は、服を着替えて、組織の車を待つ。
「来た。すぐ乗るよ。」
そして、近くの飛行場に行く。そこから、組織の小型飛行機で、問題の国の空港に着いた。その後ジープで密林の中を走り回った。
「やっと着いたか?  疲れた。」
そこには、密林を切り取った様な空間が有り、そこに街が築かれている。
問題は、この国と隣国が緊張状態に有り、時々国境紛争が起こる事だ。
つい最近も紛争が有り、軍が暴走し、相手方の将校を拉致してしまった。
政府は、困ってしまったのだが、軍は政府の言う事を聞かない。そこで、国連組織に内密の依頼が来た。その現状を、何処にも知られずに、解消して欲しいと言う。
「少々厄介な仕事だね?」
彩華が、仕事について感想を述べる。祥生も説明している。
「今から偵察に行く。政府の情報官が一緒に行く。」
その情報官は、一般人の振りをしていて、軍にも知られて居ない。
「あまり沢山では行けないね?  私と彩菜は現地人に化ける。」
「それがいい、彩菜、捕虜の位置を特定して置いて。」
「分かってる。」
彩華と彩菜は、現地の服を借り顔を塗る。日本人と、こちらの人では、顔の形も色も違うが、夜に入るので、そんなに厳密で無くても良い。
情報官は、それと思われる場所へ案内をする。彩華は妖視で近くを探る。
彩華の正体も、情報官には言っていない。例え味方で有っても、グループ以外には、本性を見せられない。彩華は、珍しそうに周囲を眺めて居る様子だが、頭の中では妖体を操っている。
彩華は、彩菜の手に合図をした。幽閉されている位置が、分かった様だ。
「少し、向こう側へ行って見ましょう。」
「もう少し見たら、こちらで判断をすらしか無いわね?」
「大体、頭に入ったから、山雅さんに判断を任そう。」
情報官には、祥生に判断を任せるように言ったが、判断は付いている。
彩華も彩菜も、情報官自体を信用していない。どちら側の人間なのか完全には信用出来ない。三人は周囲を廻って、政府の建物に戻った。
「山雅さん、大体の道筋は分かった。後は、その時の状況次第だね?」
「もう一時間程したら出かけて見よう。それ迄はゆっくりしてて。」

「何かの悪意が飛んでくる。高度は高くない。時々、感応の弱い時や強い時が有る。」
「こんな所に、何処から来るんだろう?  少なくとも隣国では無いね?」
「巡航ミサイルか?  時々感度が変わるのは、方向が変わるからだ。」
祥生が、飛行物の予測を立てた。
「概ね、こちらを向いて居るので、今度向いた頃には反応する。」
彩華も、祥生と同じ考えの様だ。
「どう反応するのよ?」
彩菜が尋ねる。
「機体が消滅する。時々方向が変わるので、敵意認知が遅れたんだよ。」
方向が変わりながらも、全体的には、こちらを向いているので、妖能の保護機能は働く。しかし、どこから発射したのか?  隣国は、何処かの国と同盟を結んだ。その国が、地中海からでもミサイルを発射したのだ。
隣国は、人質にされた人を犠牲にしてまでも、有利な状況を、作ろうとしている。
ミサイルは、先程消滅した。それを確認して彩華たちも動く。
「やっぱり、巡航ミサイルだ。今は消滅しているから、大丈夫だ。」
祥生が保証をする。彩菜も、その機能について疑問を述べる。
「次々と、新しい兵器が作られるから、この能力も対応に大変だね?  何処まで対応してくれるのかな?」

予定の時間が来た。皆んな服装を整え、暗視ゴーグルを付ける。
今の皆んなは、妖視能力が付いて居り、暗視ゴーグルは要らないのだが、普通の人の振りをして居る。しばらく歩いて、目的の建物に近付いた。
「彩華と亜香里は、建物の外で陽動だ。僕は彩菜と幽閉者を助け出す。」
彩華と亜香里は、建物の表側に向かう。
「彩菜、人質の様子はどうだ?」
「側に見張りが二人居るわね?  もう直ぐ、見張りの交代らしいよ。」
その時、建物の入り口付近で騒ぎが起こった。彩華達の陽動だった。
彩菜が、部屋を監視していたが、騒ぎを受け、見張りが部屋から出た。
祥生は、彩菜と共に、部屋に瞬間移動をした。
そして、幽閉されて居た人と共に、森の奥に飛んだ。そして記憶消去を施した。
「彩菜、この人を護って居て。僕も騒いで来る。」
「分かった。」
先程の建物に戻った祥生は、壁を壊し、人目に付くように走り出た。
わざわざ壁を壊したのは、ここから逃げたと言う証拠を残す為である。
「彩華、もういいよ。森に走って。」
彩華達と合流した祥生は、ジグザグに走りながら、森の中に逃げ込んだ。
「早かったね、山雅さん。この人で間違い無いの?」
「それは大丈夫。顔認証をした。」
その後、しばらく歩いて組織のアジトに着いた。最寄りの空港迄は、組織に送って貰ったが、アフリカ支部までは自前で帰る。そう言う話になって居るが、実際は瞬間移動で日本に帰る。


 J-5  彩華たちの能力

日本へ帰り、商店街を歩いていると、横の路地で騒いでいる奴等が居た。
皆んなが、そこを覗くと、十人余りの男達が騒いでいた。
それは、二組の男達が喧嘩をして居るらしい。
「あーあ、又、この展開か?  山雅さんは、いつも喧嘩にぶっかる。」
「それは彩華の方だよ。彩華の方が喧嘩っ早い。」
呑気にそんな事を話していると、喧嘩をしていた奴等が、彩華達に気が付いた。
「おい、何を見てやがる。お前等は、どっち側だ?」
「あ、どうぞ続けて下さい。私達は見ているだけだから。」
彩華は、かえって煽る様な言い方をする。
「お前、舐めとるんか?」
「とんでもない。私達は田舎者だから、喧嘩が珍しいだけで。」
「やっぱり舐めてやがる。この女共を捕まえて置け。」
「女だけなの?  男は怖いの?」
彩菜までが、男達をからかう。男達は、本気で怒ってしまった。
「お前等も手伝え。喧嘩は中止だ。こいつ等を捕まえる。」
「お姉ちゃん、怒らせちゃったじゃない?  言葉に気を付けなくちゃ。」
「もう、彩菜のせいだよ。これだけ居ると面倒くさいよ。」
この会話を聞いて、男達は、ますます怒った。
喧嘩をしていた、両方の奴等が、彩華達に向かって来る。
「あんた達は、喧嘩をしてたでしょう?  そっちを続けてね?」
「本気で舐めてやがる。こいつ等を捕まえるぞ。」
「そっちの相手をすれば良いものを。わざわざ、やられに来るなんて。」
彩華達も、暇だったのか、喧嘩の方が面白い様子だ。
「大胆な兄ちゃん達だね?  マゾかな?」
「本気で怒ったぞ。男は要らないけど、ついでに捕まえて置け。」
「彩華、怒ってしまったぞ。責任を取りなよ。」
「山雅さんも働きなさいよ。呑気に構えていないで。」
とうとう、一人の男が彩華の襟を掴んだ。彩華はその腕を取り、背負いで放る。
「ぎえっー。」
彩菜にも、亜香里にも掛かってくる。どちらも、背負いで男を放る。
「ぎやー、」
「ぐおー。」
祥生にも掛かって来る奴が居る。祥生は、いつもの如く、足払いで対応している。やっぱり、手では動画を撮っている。相手の数も多い事から、完全に乱戦状態になった。それでも数分で片が付いた。彼女等にとって、軍隊の中に比べれば、遊びの様なものだった。
「大体、片が付いたかな?  引き上げるよ。」
「皆さん、ゴメンなさいね?  少々暇を持て余していたもので。」
「ゴメンなさーい。」
彩華も彩菜も、形だけ詫びを入れた。そして、彼女達は去った。
男達も幻想の世界だ。あんな少女達に、こんなに大勢がやられるなんて?

学校の帰り道、今日は、いつもと違う道筋の、喫茶店に寄っている。
「ミルクティーをお願いします。それとコーヒーを一つ。」
祥生は彩華たちに仕事の分散をしている。祥生一人では忙しい事も有る。
今日は彩華に、能力の説明をしている。
「種族保存に反しない事は、経験によって、能力が増えると思う。」
「そうなのかな?」
彩菜や亜香里も、他保護範囲が付いた。今は10米の範囲内なら、武器の消去も出来るし、人間の保護も出来る。
「昔の様に暗殺なんかをやっていると、能力は無くなると思う。」
「そうだね。山雅さんは、敵も味方も殺さないから、そこの違いだね?」
「おそらくね? 我々は人間を殺そうと思っても、殺す能力が無いけど。」
「本当だね。そこが変わって、この能力が生き延びたのかな?」

今のところ、理論的な証拠は何も無い。
しかし現実に、基礎保護力も妖能力も、彩華や祥生たちに発現している。
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