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3L 突然の危機
しおりを挟むL-1 突然の危機 以前の洞窟が、突然頭に浮かぶ 。瞬間移動で跳ぶ
L-2 SSSの在り方戻る
L-3 南極観測で行方不明 岩壁の洞窟が雪崩で塞がる
L-4 雅の危機 雅が狙われる
L-5 雪崩捜査 幽視で覗く
L-1 突然の危機
彩華、彩菜、祥生、亜香里の四人は、喫茶店でお茶を飲んでいた。
そして、店を出ようとした時、祥生が突然立ち止まった。何か難しい顔をしている。
「突然、妙な光景が頭に浮かんだ。見覚えの有る場所だった。とにかく、そこへ飛ぶ。彩華と彩菜、付き合ってくれ。亜香里、これでお金を払って置いて。」
祥生は、二人をトイレの裏に連れて行き、瞬間移動で飛んだ。
そこは、以前に見た洞窟だった。洞窟の天井から土砂が崩れ落ち、人が埋まり掛けて居る。
「瞬間で外へ出る。皆んなを、ここへ集めて。彩華と彩菜もここへ。」
祥生は、そこに居た数人を、瞬間で運んだ。彩華と彩菜も一緒だ。
妖視で他に人が居ない事を確認して、連れだした人達の記憶を消去した。
一応、人の居ない事を確認はしていたが、慌てていたので再確認をした。
「洞窟に入った人は、これで全部ですか?」
「ああ、全部で五人だ。一体どうしたんだ?」
「私達が入った時、埋まり掛けて居られたので、慌てて連れ出したんですが、怪我は有りませんか?」
「いや、大した怪我はない。有り難う、助かった。」
「急ぎますので直ぐに出ますが、現場事務所に連絡を入れて置きます。」
三人は慌てて、そこを離れた。改めて彩華が祥生に尋ねる。
「どう言う事だったの? あそこは去年の洞窟だね、確か山口だよね?」
「その関係で、頭に浮かんだと思うけど、多分妖視機能だ。」
「どう言う事になってるの?」
「妖視は、今迄の全てを記憶している。その一つの変異を感知した。」
「凄い話になってきたね? しかし、なんの証拠もないからね?」
と彩華が言う。
「我々の能力は、どれを取っても、証拠は無い。」
「証拠は無いけど、偶然にしては出来過ぎだよ?」
彩菜も感想を述べた。
その日は、家に言う暇も無かったので、彩華は家に電話を入れた。
友達の家で宴会をしていたら、家への連絡を忘れていた。今日は彩菜共、その家に泊めて貰う事になった。家には、そう言う話をして置いた。
「さて、何処へ帰ろうか、人の居ない所は有るかな?」
と祥生が言う。
「この時間なら、瞬間移動しなくても、列車で帰れるでしょう?」
と彩菜も言う。
「そうだな、まだ夕方だから、普通に帰れるか?」
「せっかく、ここ迄来たのだから、山陰の温泉に泊まってもいいわね。」
彩華が提案をする。
家には、友達の家に泊まると言っている。三人は一晩ここに泊まる。
「じゃ、玉造温泉に泊まろう。」
「亜香里には、又、何かしてやろう。」
「そうだね、一人だけ、置いて来ちゃったからね?」
「亜香里に、電話をして置くわ。」
彩華は、亜香里に経緯を説明した。帰りが中途半端になるので、一泊する事も言って置いた。
「用心して下さいね? お姉さん達は、喧嘩に巻き込まれ易いから。」
「全くね? 山雅さんは、喧嘩に好かれて居るんだよ。」
亜香里は、何か言いたそうだったが、言葉を飲み込んだ。亜香里から見ると、彩華自身も、喧嘩に好かれて居る。
夕食も済み、彩華と彩菜は、亜香里達に土産を買うと言う。万が一の事態を考え、祥生は、二人に付いて行く。
祥生は、二人の後を歩いて居たが、彩華達は、やっぱり男達に捉まった。
二人は、喧嘩をしていない時には随分可愛い。つい、男達の目に留まる。
「姉ちゃん、遊びに行こうよ。」
「連れが居るから、無理だよ。」
「男一人ぐらい、放って置こうよ。」
「そう言う訳には行かないわよ。スポンサーだからね?」
「俺達の金で遊べば、良いじゃないか?」
「やだよ。おっさんは、趣味でも無いし。」
彩華は、男達の要求を一蹴した。それで男達は怒った。
「おっさんとは何だ。大人しく誘ってやれば、生意気を言いやがって。」
「それが、おっさんのセリフだよ。何でも思う通りに行かないわよ。」
男達は益々怒った。彩華は、男達を焚き付けている。
「こいつ等を連れて行く。二人を捕まえろ。」
男達が、彩華と彩菜の腕を取った。彩華はその男の出足を払う。
「ぎやっ。」
その男は俯せに倒れた。彩菜に絡んだ男も、背負いで放られる。
「ぐっうー。」
「何をしやがる? こっちが大人しくして居れば、生意気な。」
「そっちが、先に手を出したんだからね?」
もう一人の男が、祥生にも絡んだが、足払いだけで片付いた。
「兄さん達、止めた方がいいよ。この子達は、喧嘩がやたら強いよ。」
「畜生。覚えてやがれ。」
男達は、捨て台詞を残して、路地奥に消えた。
「やっぱり、喧嘩になっちゃったね?」
「二人が、なまじ可愛いから、男に絡まれる。」
「私達のせいじゃ無いわよ。山雅さんが喧嘩を呼ぶんだよ。」
「そうそう。山雅さんが生意気そうだから、喧嘩になるんだよ。」
二人は声を揃えて言う。こんな喧嘩は、上手く逃げる方法も有りそうだが、彼女らのセリフは、却って煽って居る様に見えた。
今夜は、三人共この温泉に泊まり、明日の午後に家に帰る。
L-2 SSSの在り方戻る
ある日、SSS の最高責任者の某氏が、そこの担当者に尋ねている。
「最近、YA グループは、どうしている? 噂を聞かないが?」
「今は連絡不能です。WV 社の件で、トラブった儘です。」
「何故、あんな会社とトラブルんだ。関係無いだろうが?」
その担当者は、トラブルの原因を説明した。あのグループを、WV 社の下部組織にしようとして失敗した。その時から、連絡不能になっている事等も話した。
「何を馬鹿な事を。無理に決まっているだろうに。修復出来ないのか?」
「統括委員が絡んでいるので、私達では難しいのですが?」
「分かった、想像がつく。私が解決しておく。あそこが動かないと、SSS としても非常に拙い。」
「あのグループが、そんなに重要ですか?」
「小規模な案件だが、あそこまで解決出来る組織が、他に有るか?」
「そうですね? 腰の軽いグループとだけ、認識していましたが?」
「その認識で良い。特別に意識されても困る。」
「分かりました。今迄の通りに対応します。」
「ここだけの話になるが、あのグループは、若い連中ばかりだが、本当の歴史は古いんだよ。この SSS の開設にも、関係している。」
その最高責任者の話に依ると、あそこのリーダーの、親の時代から関係が有る。SSS の開設の時、組織に誘ったが、固苦しいのは嫌だと断られた。
しかし、今でも社外相談役の様な関係にある。今のリーダーは、その事を知らされて居ない様子だ。
「そんな事になって居たんですか? 全然気が付きませんでした。」
「誰にも内緒だ。本人達にも秘密だ。これが知られると組織が揺れる。」
SSS の最高責任者は、その担当者に、YA グループとの修復を保証した。
L-3 南極で行方不明
組織内の流れが元に戻り、祥生達との関係が正常化した。
暫くして、彩華の携帯電話に、組織から連絡が入った。
「長らく失礼しました。社内のゴタゴタが解決しました。」
「それは良かったですね?」
「早速なのですが、南極へ行って欲しいのですが?」
組織によると、某国の南極基地で、外部観測に出た儘、帰らないグループが有る。出来る範囲は探して見たのだが、見つからない。
「山雅さん、今度は南極だよ。」
「南極で何が有った?」
「岩壁の観測に出た連中が、行方不明になってしまった。」
南極は、殆んど氷と雪で覆われているが、ほんの少し、陸地の現れる所が有った。おそらく、その辺りを観測して居たので有ろう。
「そのくらい、現地で探せないのか?」
「探したんだけど、無線は届かないし、見て回った所には居なかった。」
「南極では、瞬間は使えない。支所が有るとも言えないし、誤魔化し様が無い。」
「そうだよね? あんな所に人が突然現れたら、言い訳出来ないよね?」
「遠いけど、やむを得ないな? 早い方が良い。今日中に出る。」
某国の南極基地で、一日の予定で観測に出たのだが、予定を過ぎても帰えらない。そこで、万が一を見越して、組織に依頼をよこした。
「夕方から誰が出られる? それで無くても遠過ぎる、早く出たい。」
「それなら、全部出られる。」
「分かった。五時に行くから、食料を用意して集まって。」
今回は緊急を要する。行ける所迄、組織の専用機で飛ぶ。今度乗る、組織の専用機は、垂直離着陸機で、燃料さえ確保出来れば、南極迄行ける。
もちろん、天候が問題だが、当地は、今のところ穏やからしい。
「皆んな居るか? 神戸空港まで、この車で行くから。」
神戸空港から、組織の専用機に乗り変える。専用機の燃料は補給されているが、この機体では、中途補給が必要であろう。
一同は、落ち着いたところで夕食を取った。コンビニで買った弁当だ。
燃料補給やら悪天候やらで、南極迄、丸一日掛かった。機体が小さいので、相当揺れたが、とにかく南極には着いた。
「まだ、連絡は付きませんか、何人ですか?」
「合計五人です。探せる所は探したのですが、まだ見付かりません。」
「部分雪崩れでしょうか、岩陰に避難されていれば良いのですが?」
「心当たりは探したんですが、まだ見つかりません。肝心の専門調査員達が、行方不明になってしまったので、困って居ます。」
現地は、雪も有るし氷も有る。何が有っても不思議では無い。
「早速ですが、直ぐに探しに行きます。時間が惜しいですので。」
「彩華、この島全体を、妖能で俯瞰してくれ。」
「了解。」
彩華は、一度全体を俯瞰し、怪しそうな場所を特定する。そして、その怪しげな所を、再妖視する。
「彩華、怪しい所は有るか?」
「何ヶ所か有るけど、左へ1キロほど廻った所に、洞窟が有る。中をみてみる。」
彩華は、洞窟を再妖視して居たが、祥生の方を向き、内容を伝えた。
「山雅さん、洞窟の中に人が数人いる。」
祥生も、その洞窟を妖視で探る。その奥に人が5人居た。
四人は、直ぐにそこへ向かう。
「感じる。数人の気配を感じる。」
亜香里も彩菜も、人の気配を感じた。
「ちょっと上に洞窟が有る。そこに人が何人か居る。奥の方に外部へ通じる裂け目が有るが、普通の人では通れない。瞬間移動で救出して、その記憶を消去する。」
「それしか無いわね? 他の人が来ない間に片付けよう。」
彩華と祥生は、人の居る位置より、少し奥に瞬間転移した。そして歩いて現れた。
「ここに居られましたか? 探しました。これで全部ですか?」
これで全部だ。良く入れたな?」
「あなた方は、どうしてこの洞窟に入られたんですか?」
彩華が、その人達に尋ねている。
「穴を見つけたんだが、気になって入ったところで、雪崩が起きた。」
「それで、出られ無くなったんですか?」
「出口を空けようとすると、上から雪が落ちて来るし、困っていた。」
「私達は他の穴から入ったのですが、通るのが難しいので、迷って居たところ、偶然に音が聞こえたので、無理矢理入って来ました。」
適当に答えながら、彩華に目配せをして、祥生が三人、彩華が二人を瞬間移動で洞窟の外に出した。その人達が疑問を口にする前に、彩華が記憶を消去した。
「いやあ、危なかったですね? 洞窟の入口に穴を開け、皆んなが出た途端、上から雪崩が起きました。間一髪でした。」
彩華は、消去した記憶の部分を補完して置く。
「しかし、偶然にしろ、洞窟の中に居たのが、幸いだった。」
「本当だね、雪崩に巻き込まれたら、助からなかったね?」
「山雅さんにツキが有るんだよ。いつも偶然が付いて回る。」
「皆んなが居てくれるから、ツキが起こる。僕だけでは無いよ。」
仕事は二時間も掛からなかったが、帰るのに時間が掛かった。組織の都合が悪く、長時間待たされた。そんなに早くケリが付くとは、予想をして居なかったのだ。結局、基地内を見学して過ごした。五時間以上も待って、迎えが来た。
「やっと帰れる。まだこれから、一日近く掛かりそうだ。」
「南極迄来て、四日で帰れたら超早いよ。天候が悪いと地獄だよ。」
L-4 雅の危機
南極から帰った次の日、彩華の携帯に電話が掛かった。雅からだった。
「彩華さん、帰られましたか? 電話が通じないので、心配しました。」
「ちょっと、遠方へ行ってたからね。何か有ったの?」
「知り合いの男に、街で会ってしまって、デートに誘われたんですが、断り切れませんでした。明日の放課後、暇が有ったらと思いまして。」
「この前の男なの?」
「いえ、あの男は、どっちかと言うと、由香里の方です。」
「以前に、付き合いは無かったのね?」
「それは有りません。嫌いなタイプなので。」
雅は、明日の午後三時半、喫茶店に呼び出されて居ると言う。由香里に付き合って貰う積もりだが、恐ろしくて、断れない雰囲気だそうだ。
彩華は、祥生と行く事にした。その男は、蓮田裕司と言うが、喧嘩が強く、かなり強引な男のようだ。喧嘩が強い為、誰も逆らえないのだろう。
彩華と祥生が、喫茶店に入ると、由香里と雅は既に来ていた。
その二人は、奥の方の席で、縮こまっている。
「雅、俺達のデートは、いつにする?」
「私は、まだ出来ません。そんなに親しく無いですし。」
「充分親しいだろう、俺は前から言ってるだろうが?」
「私は、返事をした事は有りません。」
「お前は、俺の言う事を聞いておれ。俺が気に入ったんだからな。」
そこで、彩華が席を立った。そして雅達の席に近づく。
「雅じゃない? 久し振りだね?」
「何だ、お前は?」
「雅の友達だよ。雅、由香里、久し振りに話をしよう。」
彩華は、雅と由香里の手を取って、自分の席へ連れて行こうとした。
それを見て、裕司が怒った。
「誰が連れて行って良いと言った? 雅は俺の女だ。そこへ戻せ。」
「中学生を相手に、何を言ってるのよ。警察を呼ぶわよ。」
「うるさい、お前は向こうへ行け。」
「雅と由香里は、どうしたい?」
彩華は、後の為に話を誘導している。それを祥生が録音をしていた。
「私は、お姉さんの方に行きたいです。」
「由香里はどうする?」
「私も、そっちに行きたいです。」
これで結論は出た。彩華と祥生が、二人の女の子を助ける条件が整った。
「結論は出たね? 雅、由香里、こっちへおいで。」
「何を勝手に仕切ってやがる。そいつは俺の女だ。」
彩華と祥生は、二人の女の子を連れて、さっさと店を出た。
男達は、やむを得ず、二人に付いて出る。
「いい加減にしろよ。俺を誰だと思ってやがる?」
「断念ながら君達を知らない。」
「俺を知らないだと? 頭に焼き付けてやる。おい、そいつを殴れ。」
蓮田は、横に居た奴に命令した。
「自分は怖いんだね? 自分で来なさいよ。情けない奴だね?」
彩華は、蓮田を挑発している。それでも、子分らしい奴が殴ってくる。
祥生に向かってくる拳を、彩華が止める。
「彩華、任せたよ。僕は忙しい。」
「私は、山雅さんの手じゃないんだからね? 自分でも働きなさいよ。」
その時、やっと蓮田が前に出てきた。祥生は自保護を切って前に出た。
「ちょっと痛い目を見るけど、勘弁しなよ。」
「うるせい、俺の攻撃を受けてからぬかせ。」
蓮田は、いきなり飛び蹴りを掛けて来た。余程自信が有るらしい。
しかし、祥生はその足を、ちょんと払った。相手は辛うじて足で立つ。
今度は廻し蹴りが来る。祥生はそれも手で払った。
「中々やるな? 俺の技を手で止めるとは、褒めてやる。」
そいつは、自信有りげに腰を落とす。そして、突然突きを放つ。
「うーん、凄いね? 今迄の奴の中でも鋭い方だ。」
祥生は、そう言いながら、その突きを手の平で止めた。祥生はそのまま、その手を取り一本背負いを掛ける。祥生は自保護も切って居る為、その衝撃は、まともに相手に掛かる。続いてその腹に当て身を放った。彩華達は自保護は切れない為、相手に掛かる衝撃も自動的に緩和されるが、祥生は例外である。蓮田は身を捻り、辛うじて当て身を外した。
「いってー。負けた。あいつから身を退く。」
「そのくらい強ければ、スポーツでも通用するだろうに、惜しいな?」
「お前は、何故そんなに強いのだ。何故スポーツで名が出ない?」
「僕は武術をやっている。スポーツとは、ルールが合わない。」
「分かった。詳しい事情は聞かない。俺も気を静める。」
蓮田は、子分を引き連れて、そこを去った。奴が去った後、彩華は祥生に尋ねた。
「あいつ、これから改心するかな?」
「うーん、絶対とは言い切れないけど、大丈夫じゃないかな?」
L-5 雪崩捜査
「山雅さん、組織から連絡が有った。北アルプスで雪崩だそうだよ。三人埋まっている様子。こちらが動けるなら、助けて欲しいと言ってる。」
やっと組織が元に戻った。しばらくは連絡出来ない状態だった。
「僕は動ける。彩華と彩菜は行けるか? 亜香里も誘って置いて。」
彩華は、彩菜に連絡を取った。
「彩菜動ける? 亜香里はどうかな?」
「私は動ける。亜香里に聞いて見る。」
暫くして、彩菜から連絡が来た。亜香里も動けると言う。
「彩菜から連絡を受け取った。私達は三人共大丈夫。」
「ヘリを回して貰う。直ぐ用意して。」
半時間後、四人はヘリの中に居た。後半時間程で現地に着く。
その現場は、ヘリを降ろす所は無い。ロープで降りるしか無さそうだ。
「彩華、下の様子は分かるか?」
「人らしい影が三人、雪に埋っている。急がないと危ない。」
「僕が最初に行く。後二人を探して。」
祥生は、ロープを伝って、高速で滑り降りた。
気配を探りながら、斜面を下って行く。居た、人間の気配が有る。その位置を掘ると人が居た。まだ体温は有るが息が弱い。酸素ボンベを取り出し鼻に当てた。念の為、弱い呼吸に合わせ、胸を押す。息が深くなって来た。助かりそうだ。
彩華達は、後の二人を探している。三人が、下の方に滑り降りる。
「この下に一人いる。気配が有るから、まだ息が有る。急ごう。」
「息が浅い。人工呼吸と酸素が要る。」
彩華は、酸素ボンベを当て、人工呼吸を施して居たが、段々息が戻った。
「この人も、息が戻った。」
「この下に、もう一人が居る。まだ息は有る。」
亜香里がもう一人を見つけた。酸素ボンベと人工呼吸で、息は戻った。
「生き返ったぁ。自分で息をしている。」
彩華は、携帯電話で、上に居る人達と話した。
「被害者の息は、何とか戻りましたが、何処へ連れて行きますか?」
「岩肌に向って、左側へ30米程動けますか? そこなら、引き上げられます。」
「分かりました。ここまで届くロープを三本下ろして下さい。」
「彩菜と亜香里は、この人を頼むよ。山雅さんと私は、もう一人ずつを助ける。」
祥生は、ロープを取りに行き、そしてロープを三本持って元へ戻る。
そのロープの先に一人ずつ結び付ける。
「ゆっくりと、上に引っ張って下さい。」
ロープに、しっかり結び付け、ロープを引かれて、やっと上面に着いた。
それを繰り返して、全員を引き上げた。
「疲れた。あの人達は大丈夫か? 怪我はどうだ?」
「助かるそうよ。それより、早く消えないと。」
四人は、人目を忍んで、その場を離れた。
その四人共、人前に出る時は、軽いながらも変装をしている。
人相で名前を特定されると、色々と煩い事になるからだ。
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