訳あり能力者 芙蓉儚の幽能力世界 (ハカナは国連傘下組織の依頼により、普通では解決困難な事件を担当する。)

ヨシオ ヤマモト

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2B 儚の透視

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2B 儚の透視

 B-1  秘密の組織 国連傘下の秘密組織
 B-2  捕虜救出 保護幕使用  迫撃砲かミサイルを撃たれる
 B-3  嘉紀の解説書 解説書出版
 B-4  儚と嘉紀は米国へ ニューヨーク で喧嘩
 B-5  儚の透視 高速道事故  初めての透視

 
 B-1秘密の組織

ある日、ある秘密組織から、嘉紀に連絡が届いた。
そこは国連の下部組織で、通常はSSSと呼んでいる。SSSとは、SPECIAL SECRET SERVICE の略号である。そこは、普通では解決が困難な、危機事案を担当する。


B-2  捕虜救出

東南アジアのある国で、国連の関係者が捕虜になってしまった。その関係者は、その辺りの国々の調停を行なっていた。その経緯は、まだ良くは分からないのだが、高額の保釈金を要求されている。そして、一切の交渉は拒絶されていた。
「その国際機関は、揉め事を調停する立場なのに、何故捕まるんですか?」
「理屈の通じない奴は、どこの国にも居るんですよ。」
嘉紀は、人質を取り、それを盾に交渉するのは認めて居ない。事実関係は不明だが、人質は助けて置きたい。人質の命が掛かって居る以上、見逃す訳には行かない。
「出来れば、夕方に出発したいのですが?」
「分かりました。いつもの所へ迎えに行きます。」
「お願いします。」
車で、近くの空港まで送ってもらい、組織の専用機で現地へ向かう。そして、その日の夜半に現地に着いた。
「人質の居場所は、特定されてますか?」
「夕方までは、移動して居たんですが、今は止まっています。」
組織は、人質の位置は特定している。しかし、捕虜の命が掛かっている為、下手に手を出せない。
「今から動かれますか?」
「その積もりです。暗い方が、隠れやすいと思いますので。 」
近く迄、密林を歩く事になるのだが、暗視装置が無いと何も見えない。
密林を歩き、捕虜の収容施設に接近した。しかし、まだ三百米ぐらいは残っている。
家の陰から施設を見たが、どの部屋か特定出来ない。嘉紀は、その家を透視する。
居た。捕虜の居場所は確認出来た。念の為、部屋に近付いてから再確認をする。
「右の部屋は無人の様だ。あの部屋の壁を抜く事にしよう。」
見廻りが去った後、家の側に走り込む。嘉紀は、壁に穴を抜いた。
「隣の部屋に人質が居る筈。居た。あの拘束されている人だ。」
その側に寄った嘉紀は、携帯電話の通訳アプリで、人質と話をしている。そして顔をスキャンした。その国際機関の職員は、全て顔や指紋を登録している。
「間違い有りません。直ぐ逃げますよ。」
「有り難う。しかし、直ぐ見つかりますよ。」
「大丈夫です。見つかっても、僕から離れない限り、命は保証します。」
二人は、施設を出て密林に走る。中程まで行った所で、見廻りに見つかった。
嘉紀は、防護幕を展開する。嘉紀の他保護能力で、側の人間は護れるのだが、それをやれば能力が疑われる。幕は、それを幕の機能と誤魔化す為に展開する。
嘉紀達の特殊能力は、知られる訳には行かないのだ。
その幕は、ボタン一つで、六メートルの長円に展開する。
「防護幕の中から出ないで下さいよ。そこに入って、前に走って下さい。」
「貴方は中に入らないんですか?」
「僕は、真ん中に入ります。この幕を動かしますので。」
「分かりました。」
「僕が誘導しますから、頑張って下さい。」
この幕は、本来何の機能も無い。嘉紀の能力を、誤魔化す為に展開する。
こんな能力を、世界に晒す訳には、いかない。
「行きますよ。このまま突っ切りますよ。」
「分かりました。頑張ります。」
嘉紀の他保護モードは、半径六メートル迄の命を護れる。嘉紀が離れなければ、中の人の命は護られる。
「この中に居れば、命は保証しますので、そのまま走ってください。」
嘉紀の保護範囲内に居れば、銃弾も届かない。範囲に入った時点で消滅する。
嘉紀は、前に居た奴を、能力で押しのける。あたかも幕の力に見えている。
保護範囲内に入った所で、銃弾も消去されるのだが、人間の場合は、押しのける事しか出来ない。敵で有っても、人間を殺す事は出来ないのだ。
「もう少しですから、頑張って下さい。」
「分かりました。」
嘉紀の能力は、誰にも秘密で有る。知られれば、世界に混乱を巻き起こす。
しばらく走って、密林に逃げ込んだ。密林に入った所で幕を畳む。
二人が、組織の車へ歩いている時、嘉紀が突然立ち止まった。
「うん?  何かが、こっちへ向かって来る。」
嘉紀には、強い悪意が感じられる。小型ミサイルかも知れない。
「急いで組織の車に向かいますよ。」
嘉紀は、ミサイルでも迫撃砲でも、害意が有れば瞬時に感じ取れる。そして、その元は消滅する。その為、危険は無いのだが、嘉紀が離れてからが危ない。この能力は、幽体能力と言い、基本の保護機能とは別の能力になる。
二人は十分程歩いて、組織の車に辿り着いた。
「この人に、マーカーが付いている様です。直ぐ調べて下さい。」
「そんな兆候が見られましたか?」
「少し前の所に、ミサイルか迫撃砲かが撃たれました。この儘では危ない様です。」
組織の担当者は、小型の機械を持ってきて、二人をスキャンした。
「有りました。上下に付けられています。マーカーは破壊します。」
もう一発、何かが飛んで来たのだが、嘉紀の幽力で、悪意の元は消えた。
組織も、現場事務所を畳むと言う。
「それでは失礼します。」
組織の担当者は、本人を、再スキャンして頷いた。
「ご苦労さまでした。後は、我々が責任を持ちます。ここも直ぐ離れます。」
帰りは、組織の交通手段は使えなかった。運悪く、事件が重なってしまったのだ。
嘉紀は、民間の航空機を乗り継いで、やっと、関西空港まで辿りついた。

ただ、この事件を窺っている奴が居た。少し離れて居たので、人質の周りの人間は、気づいていなかった。それでも、回数が増えると危ない。

何れにしても、覚られずに、人質の側に寄れるかどうかが勝負になる。助けに来るのが覚られれば、人質の命が危ない。人質を盾に取られる事にもなる。窺っている奴が敵に見つかれば、人質の命が危ない。


 B-3  嘉紀の解説書

「山臥さんでしょうか?  PC 出版日本支社の、松本です。」
「はい、山臥です。」
「ホームページを見たのですが、プログラムの解説を、載せて居られますね?」
「初歩のプログラムですが、所々を抜き出して、解説しています。」
嘉紀のページは有名でもなく、ネットの奥深くに眠っていた。その出版社は、それを見つけたらしい。解説が分かりやすいので、目に付いたと言う。
「その全文を、見せて貰いたいのですが?」
「あれは、初歩の初歩ですよ。習い初めの中学生ならともかく、普通の人には、つまらないと思いますよ。」
「それで構いません。是非とも見せて貰いたいです。」
最近は、プログラムを習う人が増えている。ところが、中学生等の、初心者を対象にした解説書が少ない。そこで、この解説が目に付いた。
「そう言う事なら、パスワードを設定して置きます。」
嘉紀は、プログラムの全文が読めるパスワードを、PC出版に送って置いた。
しばらくして、PC出版から電話が有った。
「PC出版の松本です。」
「山臥です。」
「あの解説集を、本の形式に書き直し出来ますか?」
「それは出来ますが、直ぐやるんでしょうか?」
「本にしたいので、直ぐやって貰いたいのですが?」
その書き直した文は、文字を若干修正の上、出版される事になった。
それは、五月中頃の事であった。
「山臥さん、プログラムは、まだやっているの?」
「初歩的な事は、大体解った。」
儚は、嘉紀の勉強が気になっている。肝心の勉強が、進んで居ない様に思えるのだ。
「学校の勉強もしようね?」
「出来るだけは、やっている。」
嘉紀は、何とかプログラムの初歩を卒業した。現在は、機械制御等の勉強中だ。
実戦になると、中々難しいのだが、仮想機械を幾らか作り、それを制御する。
まだ、遊びの様な物では有るのだが、プログラミングの訓練にはなる。


 B-4  儚と嘉紀は米国へ

今は九月、高校へ入学して半年程の頃。嘉紀は、儚にアメリカへの同行を頼んだ。
「儚、アメリカへ、助手として同行して貰えないかな?」
「何をしに行くのよ?」
嘉紀は、詳しい内容を儚に説明した。プログラム解説書の出版と、講習を頼まれた事等を説明した。講習の後には、パーティも有る。
「講習とパーティね?  親に相談する。」

山臥嘉紀は、プログラムの解説をする為に、アメリカへ行く。
芙蓉儚は、この講習の助手を務める。
嘉紀は、これより2ヶ月程前、儚に同行を頼んだ。一人でも出来ない事は無いのだが、行き帰りの飛行機の中や、講習の隙間に、暇を持て余すのだ。
真面目な話なので、儚の両親も、何とか納得してくれた。
「助かった。飛行機に乗ってる時間を、どうしようかと心配してた。」
「私も、アメリカへは、行って見たかった事だしね?」
実のところ、パーティに合わせて、プログラムの講習が組まれている。

今、儚と嘉紀は、ニューヨークに来ている。
嘉紀は、ミドルスクールの教師や生徒達に講習をする。
明日の午後から、パーティにも出席する。PC 出版の著作者として出席する。

二人は、講習の済んだ夜、ホテル近くの商店街に、土産物を買いに出た。
通訳の山芳佑美も一緒に行く。佑美は大学を出たところで、歳も比較的近い。
「近い所の方が、いいわね?」
「そうだね、あの店にでも入りましょうか?」
三人は、儚の提案で、近くの土産物店に向かった。土産を買い、店を出たところで、一団の男達が道を塞いだ。
「そこの女、ちょっと待て。」
「何の用事が有るのよ?」
儚が、その男達に尋ねている。それを祐美が、そのまま通訳する。
「ちょっとだけ、お茶に付き合え。」
「冗談!そんな暇は無いわよ。そこを退いて。」
「うるさい。大人しく誘っている内に言う事を聞け。」
男の一人が、儚の肩を掴もうとした。儚はその手を払い退ける。儚の後に居た奴が、儚の腕を掴みに来る。儚はその手も払う。儚の辛抱も、そろそろ切れる頃合いだ。
前に居た奴が、再び儚の肩に手を置いた。その瞬間、儚が動いた。
儚は、その手を捻り、浮き足を刈る。その男は宙に浮く。
「ぎやっ。」
怒った横の男が、儚の顔を殴りつけた。しかし、儚は平然としている。
儚は、男の手を取り、それを引きながら体を廻す。男は空気投げの如く吹っ飛んだ。
「げっー。」
反対側の奴が、儚の襟を掴んだ。儚は、その手を掴み逆に捻る、そして大外を刈る。
「ぐっう。」
その時、後で眺めて居た奴が動いた。一段と強そうな男だ。
「皆んな下がれ。兄貴が出る。」
後から、のそのそと出てきた奴が、儚の前に立つ。そいつが嘉紀に尋ねている。
「お前だったな?  アメリカで、プログラムの本を出版しているのは?」
「それが、どうしたのよ?」
その男に、儚が対応している。そいつは突然、回し蹴りを放つ。
「けやっー。」
儚はそれを腕ではじく。
「かっー。」
続いて飛び蹴りが来る。儚は、それも腕ではねる。
「いったい、なんだって言うのよ?」
「出版をやめろ。それなら許してやる。」
「なんだ、そんな事なら、出版社に言いなさいよ。あっちが頼んだんだから。」
儚も、その話は解っている。その為も有って、嘉紀に代わって対応している。
「くそがっ。」
再び、回し蹴りが儚の頭部を襲う。儚は、それも腕で払った。
「やっぱり、言う事は聞けんか?」
嘉紀は、儚の動きを観察している。儚は柔刀術を習い、それでなくても相当強い。
「ええっい。」
次は正面から突きが来る。次々と攻撃術が儚を襲う。男の連続技が止まらない。その男は、体も大きく確かに強い。しかし、闘っている時の儚たちは、殴られても微動だにしないだけの重量感が有る。その理由は不明だが、基礎能力の保護機能が働いているらしい。
「ほう、中々強いね?」
儚は、そう言いながら、踏み込んで行く。そして、次の蹴り脚を掴み、その男を地面に叩きつけた。その衝撃は緩和されているのだが、男は恐怖した。
儚や嘉紀が持つ、不可思議な謎の能力は、種族保存本能が原点に有り、人を殺す事は出来ない。術の衝撃が緩和されてしまうのだ。しかし、投げられた方は恐怖する。

一番頼りの男が倒され、残った不良達は、こそこそと路地裏に消えた。
通訳の佑美は、それを、呆然と眺めていた。
「何か、やる気が無くなったね。買い物は又にしようか?」
「今日は止めよう。そこの店で、お茶でも飲もう。」
近くの店に入った三人は、窓際の席で、お茶を飲んでいる。
「あなた達は何なの、何故そんなに平気でいられるの?」
佑美の問に、二人は答えた。
「僕達は、良く喧嘩に巻き込まれるので、慣れて居るんですよ。」
「そんなところだね?」
「僕達は、何かしら、喧嘩に巻き込まれる。」
本当のところは、儚が可愛く、大人しそうに見えるので、ちょっかいを掛けられる。
「それに、芙蓉さんは、何故そんなに強いの?」
「一応、昔の格闘術とかは、習っているけどね?」
「ふーん。まぁ、安心だけど。」
祐美も、二人の案内と通訳の為、同じホテルに泊まる。

次の日三人は、ホテル近くで服を借り、午後のパーティに挑んだ。
嘉紀は、若くしてプログラムの本を書いたとして、結構人気が有った。補助教材として採用の洲も有り、名前は知られている。嘉紀のパートナーとして、儚も、色々と質問を掛けられた。東洋人は小柄な為、儚も可愛らしくて、なおさら人気だ。
そんな時、初老の紳士と中年の紳士が、嘉紀の元へ現れた。
「君が、あのプログラム解説の著者か?  若いな、何歳になる?」
「はい、16歳になります。ハイスクールに行っています。」
「あの本は、本当に解り易い。私でも読める。」
初老の男性が感想を述べる。
「恐縮です。」
「ミドルスクールでも、人気が有るようだよ。」
「有難う御座います。」
後から佑美に聞くと、教務省の副長官と、局長だと言う。
アメリカ教育界の大物である。周囲が張りつめているとは、二人も思って居た。
「そうだったのか?  知らなかった。」
パーティも無事に終り、次の日二人は、ニューヨーク空港から帰路についた。
「疲れた。飛行機は長過ぎだ。」
儚も、それには賛同する。アメリカへは15時間、ヨーロッパは、もっと掛かる。
「本当にね?  外国へ行きたい人の、気が知れないわね?」
「観光で行くのは、良いんだけどね?」
「山臥さんは、外国が嫌いなの?」
「そう言う訳では無いんだけど、どちらかと言うと日本に居る。」


 B-5  儚の透視

「山臥さん、たまには遊びに行こうよ。」
儚と仁美の提案である。
「何処か良い所は有るかな、紅葉はまだだね?」
「紅葉は無くてもいい。とにかく何処かに行きたい。」
儚と仁美の二人は、何処でも良いから、遊びに行きたいと言う。
「高速バスで、広島方面にでも行って見ようか?  宮島と帝釈峡とかが有ったな?」
「それは楽しそう、今度の日曜にしよう。」
「乗るのは何処にする?  ここの駅で乗れるかな?  二人で調べてみて。」
嘉紀は、そんな事は得意では有るが、二人の女の子に任せる。
「分かった。旅行社に行って見る。席が有れば予約をするよ。」
「それで良い。結果を知らせて。」
次の日曜日、幸い三人の住む街から乗る事が出来た。ただ、運の悪い事に、広島に入った所で渋滞に捉まった。多重事故だそうだ。
「山臥さん、車に閉じ込められた人が居る。4km程先の様。」
「儚も透視が出来たのか?」
「いや、今日が初めてだった。」
嘉紀は、組織に連絡をした。
「もしもし、山陽道の下り車線で、人が閉じ込められて居る様です。僕は高速バスで渋滞に掴まって居ます。救助の手配は出来ているか、調べて欲しいのですが?」
「了解しました。すぐ返事をします。しばらく待ってください。」
数分して、携帯電話に返事が来た。
「迎えの車が行ったら、出られますか?」
「大丈夫です。経験者が三人居ます。」
「警察の車が、側道でそこへ行きます。出る準備をお願いします。」
「分かりました。」
嘉紀は、儚と仁美にそれを伝えた。。
「儚、仁美、待機していて。もう直ぐパトカーが来るから、それに乗るよ。」
「分かった。」
「そうだな、僕は特殊機能服を羽織る。」
この服も本来何の機能も無いのたが、如何にも特殊機能が有る様に見せている。
三人は、服を着替えて、パトカーを待った。
「来た、サイレンが聞こえる。あれに乗るよ。忘れ物が無い様にね?」
他の乗客は、何事が起こったのかと、怪訝な顔で眺めている。
「山臥さん居られますか?  直ぐこれに乗って下さい。事故現場に向います。」
「儚、仁美、行くよ。」
三人は、パトカーに乗り換える。パトカーは、サイレンを鳴らして現場に向った。
現場には数分で着いた。皆んなは、車のドアを開けようと、苦心をしている。
嘉紀は、調べる振りをして、歪んだドアの周囲をなぞった。それを儚が引っ張る。
瞬間にドアは外へ倒れた。嘉紀は歪んでいる所を、部分消去したのだ。
「怪我人をお願いします。」
反対側のドアも、同じく、儚と嘉紀が開ける。儚も嘉紀も、保護範囲内の物質なら、瞬間に消去が出来る。
「開いたわよ。怪我人を早く出して。」
車の事故は、うっかりすると出火する事も有り、注意が必要だ。
反対路線にいる救急車から救護員が飛んで来る。人を両側から助け出し、救急車に運ぶ。嘉紀達も救急車に乗せて貰う。救急車は、サイレンを鳴らして病院に向かった。
「済みません、外でパトカーを待ちますので。」
救急車から降りた三人は、救急隊員の目を盗んで、何処かへ消えた。
「今日は、仕事になってしまったな?」
「人が助かったんだから、文句は言わないの! こんな機会は滅多に無いよ。」
「山臥さん、ドアを切る時、中の人は傷付かないの?」
「それは無い。この能力は、思った所にしか作用しない。切断光線では無い。」
最近の車は、コンピューター等、電子機器の塊だ。事故の場合、いつ出火するか解らないのだ。早く助けて置かないと危ない。
「事故の人達も、命は大丈夫そうだし、めでたし、めでたしだね?」
結局三人は、列車で帰ってきた。遊びは、又計画する事になる。
「美味しい物でも、食べようか?」
「それがいいわね?」
「そこのレストランに入ろう。」
儚の提案で、近くのレストランに入る。
「ステーキでも食べようか?」
三人は、食事を堪能して家に帰った。予定していた遊びは、初めからやり直しだ。
しかし、儚が透視能力を持ったのなら、画像入手は儚の担当になる。
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