訳あり能力者 芙蓉儚の幽能力世界 (ハカナは国連傘下組織の依頼により、普通では解決困難な事件を担当する。)

ヨシオ ヤマモト

文字の大きさ
7 / 25

2F 海岸洞窟水没

しおりを挟む

 F-1  南極で人質事件 元仲間が精神異常
 F-2  海岸洞窟水没 満潮時は完全水没
 F-3  夢とカコ再 
 F-4  ドローン 四角の形の自家用飛行車 ドローンの様なので、そう呼ぶ
 F-5  M社の誘惑 民間雑務M社から勧誘


 F-1  南極で人質事件
   
儚と嘉紀は、今日も二人でお茶を飲んで居る。
そんな時、例の秘密組織から電話が入った。
「芙蓉さん、南極へ行って欲しいんですが、人は揃いますか?」
組織からとは言え、南極で仕事とは、行くだけでも時間が掛かる。
天候が悪いと船も近づけない。飛行機なんか、もっての外だ。
「山臥さん、南極で人質だってよ。どのくらい時間が掛かるんだろうね?」
「儚は動けるか?  一週間は掛かりそうだ。」
「冬休み中だから動きやすいけど、南極とはね?  仁美にも聞いてみる。」
儚は、そう言いながら電話を切った。
「仁美、今度は南極らしいけど、 一週間程掛かるらしい。」
「凄い所だね、一週間で済むかな?」
「十日ほど見た方が無難だよね?  天候が悪かったら最悪だよ。」
儚と仁美は、冬休み中でも有り、協力出来ると言う。二人共、南極に興味が有る。
「山臥さん、何とか行けそうだけど、早い方がいいわね?」
「今日からでも行きたいけど、無理かな?」
「分かった、仁美に相談して見る。」
儚は、仁美と相談をしている。仁美は、何とか親を説得すると言う。
「山臥さん、行けそうだって。」
「夕方、組織の車で、儚の家の近くまで迎えに行く。」
その日の夕方、嘉紀は、儚の自宅近くに車をつけた。
「お待たせ。例の所へ来たよ。」
到着の知らせを受けて、儚と仁美は、車の元へ現れた。
儚たち三人は、その車で空港へ向かう。そして、組織の専用機で飛び立った。
ここで言う組織とは、国連傘下のスペシャル•シークレット•サービスの事を言う。
通常は SSS と言っている。国連傘下とは言え、殆ど独立して活動している。
一々、国連に図っていては間に合わない。結局、独立の様な形になった。
「しかし、こんな遠くから行って、大丈夫なのかな?」
「今のところは、落ち着いて居るらしい。」
近くの地方空港から出発して、途中で給油を受け南極に向かう。行き先は、ある国の南極基地である。そこで、トラブルが起こっている。
議論をしている内、本気で切れた奴が居る。余程のストレスが溜まって居たのか、精神異常まで起こしてしまった。
「そいつが、キレてしまわなければ良いんだけど、危ういね?」
「銃まで持っているとなると、鬱陶しいわね?」
元の原因は些細な事とは言え、科学者が人質に取られている。
銃を持っているので、警備の人間も動けない。そこで、SSS へ依頼が来た。
SSS としても、普通の人間を送っても意味が無い。
それに対応する、特殊装備を持つ者として、儚たちに白羽の矢が立った。
装備としては、胡乱な所が有るのだが、解明出来ない為、見逃されている。
距離が遠いのも、多少は目を瞑るしかなかった。天候の調子を見ながら、行ける所迄特別機で行き、後は船やソリに乗り換え、何とか南極基地に辿り着いた。
「やっと着いた。一時はどうなるかと思ったわ。」
「本当だね。氷の上を、歩かされるかと思ったわよ。」
儚は、そこの本部に顔を出し、着任の挨拶をした。
「SSS から来ました。今はどうなっていますか?」
「そのまま、膠着状態です。」
その研究員達は、儚達の構成に驚いている。高校生の少女二人と、少年が一人だ。
それで無くても、多くの欧米人は、日本に珍奇な目を向ける。
「平面図は有りますか?」
儚は、担当者から平面図を借りた。構造は簡単なのだが、科学者の保護が一番の目的なので、科学者の居場所を特定しなければならない。
「科学者達三人は、どんな状況ですか?」
「科学者三人は、計測機器の所に居ます。」
儚の幽視でも、各自、自分の計測機器の前に居た。儚は、ここの担当者に施設の事情を尋ねている。
「壁に穴を開けたら、後で修復出来ますか?」
「それは大丈夫だが、音を出したら、覚られるだろう?」
「いえ、音を出さない、特殊な機械が有ります。」
「私は部品棚の外の壁を抜いて、部品棚に張り付く。山臥さんは正面のドアからね?  仁美は、向こうの壁にお願い。」
「反対側の壁まで、何メートル有るの?」
平面図で測ったところ、約十二メートル有る。幽体機能を使えば、カバー出来る。
真ん中のドアから、一人飛び込めば、死角が無くなる。
「安全の為、武器は取り上げる必要が有るわね?  山臥さん、お願いね?」
儚は、各自の担当を決めてから、黒くて薄い箱を取り出した。
「私はこれで壁を切る。」
儚は、人が通れる程度の広さに道具を走らせ、筋状に壁を切る。そして、壁を手前に倒した。本当は、壁の穴全部を消滅させられるが、普通の人には見せられない。
「山臥さんは、ドアの鍵を破壊して、部屋に飛び込んで。今から三分後ね。」
「分かった。仁美、位置に着こう。」
「分かった。奥の壁の裏に廻って置く。」
二分余りで、準備が整った。
「こっちの準備は出来たわよ。」
「後一分で決行だな?」
一分後に、儚は部品棚の裏から飛び出す。同時に、嘉紀も部屋に飛び込んだ。
「何だお前は?」
気の狂った職員は銃を撃ったが、その銃の前には、嘉紀が立ち塞がる。
弾は嘉紀に当たった瞬間、消滅しているのだが、嘉紀の陰で他の人には見えない。
その銃を、嘉紀が蹴り飛ばす。銃の消去も出来るが、それこそ、一般人には見せる事は出来ない。
その職員は訳が分からず呆然としている。狂ったその職員は、嘉紀が取り押さえた。結局、誰も怪我は無かった。
この仕事は、いかに犠牲者を出さずに、事件を終息させるかが課題になる。
それと同時に、今の科学で説明出来ない事象は、絶対見せられない。
「壁とドアを壊しましたが、後はよろしくお願いします。」
「有り難う。助かりました。科学者も計測機器も無事だったのは有り難い。」
仕事は済んだが、帰るのに一苦労をした。組織の航空機も、中途で降ろされた。
儚たちが現場を離れてから、そこの研究員たちが話している。
「あんな少年や少女が来るとは、思わなかった。あの組織も人手不足なのかな?」
「それでも、やる事は凄いよ。あの難問を瞬時に終わらせた。」
儚たちは、色々と乗り物を乗り継いで、やっと日本に帰って来た。
「帰って来たー。今回は疲れた。」
元気者の儚も、相当疲れた様子だ。
「仕事は、一時間も掛からなかったけど、行き帰りが大変だったね?」
「時間待ちも含めて、六日で帰って来れたんだから、良しとしよう。」
「最悪、十日掛かると踏んでたんだから、予定の半分だよ。」
「一日のんびりしてから、学校へ行こうか?」
「そうだね。疲れたけど面白かったね?  この達成感は久し振りだわ。」


 F-2  海岸洞窟水没

「芙蓉さん、今空いてますか?」
学校の帰りに、又、組織から連絡が届いた。
「大丈夫ですけど、今度は何ですか?」
この街に近い海岸で、海辺の洞窟に閉じ込められた人がいる。ボートで入ったのだが、入り口が潮で塞がれ、外へ出られなくなった。よりにもよって、大潮の一番潮が低い時に入ってしまった。そいつ等は、余まりにも潮の知識が無さ過ぎる。
その洞窟は、普通の時でも入れない。満潮時には奥も水没するので、時間との戦いになる。ダイバーも頼んでいるが、間に合いそうに無い。
結局、儚たちが一番近かった。
「分かりました、三人行けます。ウエットスーツとボンベ三セット、別に酸素ボンベの大きいのを三本用意して下さい。ロープを50米程と水中電灯も頼みます。私達はタクシーで行きます。」
「山臥さん、かなりヤバい。仁美も手伝って。この近くの海岸らしい。」
「タクシーで行くしかないな?  すぐ出よう。」
儚たちは、タクシーにしばらく乗って、現地に着いた。
「待っていました。時間が有りません。このポートを使って下さい。」
ボートの中で、三人とも、ウエットスーツに着換え、酸素ボンベを付ける。
「儚、洞窟の奥を幽視して見て。」
儚は、洞窟の中を幽視した。儚は岩でも鉄でも、幽視が出来る。幽視と言っても、普通は透視と余り変わらない。
今のところ、ボートは無事浮いていた。しかし、時間の問題だ。
「今のところ、皆んなは無事だけど、一時間も保たない。急がないと。」
嘉紀達は、大型ボンベ三本をボートに乗せ、ボートを水に沈めて、海中を引っばってゆく。ボンベはロープで括り付けた。ボートがひっくり返っても落ちないようにだ。もちろん、防水懐中電灯を何本も用意している。
「直ぐ行くわよ。二人共ボートに取り付いて。ボートを引っ張るよ。」
洞窟の、水没した天井を、ひどい所だけ消滅させて、ならしながら進んで行く。
「見えた、あそこだ。辛うじて空気がある。もう少しで水没する。」

そこには、ボート二隻と数人の男女が居た。一隻に三人ずつだ。
「山臥さん、交渉を頼むわよ。屁理屈では、私は勝てない。」
儚が嘉紀に交渉を頼んだ。嘉紀は、少年達に話し掛けた。
「間に合いましたね?  ボートに、ボンベを一本縛り付けて。その二隻はひっくり返して、ボンベから少しずつ、酸素を出して下さい。それで、ボートの半分程度になる様にして下さい。その酸素を吸いますので、息を吐き出すのは、ボートの外にして下さい。そうしないと、ボートの中は、CO2が多くなります。」
「ひっくり返したら、ボートに乗れないじゃないか?」
「それが嫌な人は、ここに残って下さい。」
「無責任じゃないか?」
「じゃ、自分の好きな様に帰って下さい。この状況は僕に責任は無いので。」
「そんな事は、そっちが考える事だろうが?」
「君達は馬鹿なのか? 科学でも解明出来ない事を、ひとに頼むな。」
本当に馬鹿の様だ。他の奴も何も言わない。
「阿呆くさ。儚も仁美も帰ろう。無駄な労力を使った。」
「私達は、どうなるんですか?」
「死ぬでしょうね?」
儚たちは、帰り支度を始めている。
「山臥さん、帰ろうか?」
「お前等、それで責任持てるのか?  裁判に掛けてやる。」
「生きて出られたら、ご自由にどうぞ。私達には責任がないので。」
「じゃあ、誰に責任が有るんだ。」
本当に馬鹿な様だ。この状況を誰が作ったのかも、考えが至らない。
「君達、法律を知ってる?  責任は、ここに入った君達だよ。それが常識だよ。」
「裁判に掛けてやる。」
「お好きな様に、生きて出られればね。」
それらを聞いていた、他の奴が初めて声を出した。
「私達は、どうなるんですか?」
「今まで言った通りですよ。次に合うのは幽霊ですね?」
「私達は、まだ要望を言っておりません。」
「たった六人のグループで、今迄何をやってたんですか?  今から全部の人の要望を聞いていたら、完全に水没ですよ。時間が無いので、私達は帰ります。」
「裁判に掛けると言っただろうが?」
「幽霊になって、裁判をするんですか?  凄いですね?」
それを聴いた他の人間も、喋り始めた。
「もう今迄に喋った奴は黙れ。皆んなを連れて行きますので、助けて下さい。」
まだ、グズグズ言っていた奴は居たのだが、何とか合意は出来た。
「大分時間を無駄にしたので、急ぐよ。」

それでも、まだぐずってる奴が居る。
「しゃくだなぁ?」
「何がしゃくなんだよ。責任はこっちに有るんだよ。」
「あんな子供が来るなんて、納得出来ない。」
「一番に来てくれたのを拒否するなら、大人が来るまで待ちなさいよ。時間切れで窒息するでしょうけど。」
「彼等が一番早かっただけだよ。不満なら、貴方だけ、ここに残りなさいよ。」
「いや、それは困る。」
結局のところ、嘉紀達を、公的機関の関係者と見て、ごねて居ただけだった。
まったく、手の掛かる奴等だ。それでも、助けない訳にはいかない。
「ボンベはきっちり縛ってますね?  それが命の綱ですよ。少しでも外へ進んで置かないと、専門家が来ても、手遅れになりますよ。」
それから二十分、逆さまのボート三隻は洞窟を出た。そこには、何隻もの船が待っていた。冷え切った体を暖房機で暖めながら、一同、胸を撫でおろした。
もう少し時間が掛かったなら、水中で凍え死ぬところだった。皆んなが、ウエットスーツを着て居なければ、もっと短い時間でも危ない。

本当のところ、幽体機能を使えば、被害者を移動は出来る。しかし、余程の事が無ければ、その能力は使えない。人間には、そんな能力は無い事になっている。

「貴方方は、ついていましたね?  彼等の時間が取れてラッキーでした。」
「あんな子供がですか?」
「彼等は、不可能を可能にする組織として、有名なんですよ。」
「何か納得出来ないんですけど。」
「彼等の時間が空いて居なければ、今頃、あなた方は水死でしたね?」
実際、ギリギリの時間の中で、良く助かったものだ。それが彼等には、理解出来ない様だった。
「大人の方は、居なかったんですか?」
「彼等が居なければ、完全に手遅れですよ。まだ救援隊は揃って居りませんし。」
「彼等は何者なんですか?」
「あれでも、国連の関係者ですからね?」
「あんな子供がですか?  私達には、よく分かりませんが?」
「専門家も間に合わない中で、引き受けてくれたのは、彼等だけでしたからね。」
「そうだったんですか?  私達は随分な事を言ったんですが?」
「いつもの事ですから、気にしてませんよ。」

SSS の高速船も来て居たので、儚たち三人は、それに乗って近くの港へ向った。
そして、いつもの如く、何処かに消えた。


 F-3  夢とカコ再

儚が、家に帰った数日後、夢から電話があった。
「済みません、お忙しい時に。あの時の男に会ってしまって、困っています。」
「今度は、いつ会うの?」
「明日にと言われています。駅前の喫茶店で、午後の三時です。」
「分かった。何とかする。」
その日、儚は仁美を誘った。そして駅前の喫茶店でお茶を飲んでいる。
夢との約束の時間より、少し早い。
夢とカコが、男達に連れられて、少し奥の席についた。
「夢、俺といつデートする?」
「デートって何?」
「二人で、色々するんだよ。」
「デートなんて、私は出来ない。」
「カコは俺とな?」
別の男が、カコを誘った。
「私は無理です。あなたとは行けないよ。」
「俺達と二度もお茶を飲んで、何を言ってやがる。悪い様にはしないから。」
そこで初めて、儚が動いた。夢たちの居るテーブルの側に歩いて行く。
「あら、夢とカコ。声が似てると思ったら、やっぱり君達か?」
「なんだ、お前は?」
「もう忘れた?  私達も混ぜてくれない?  仁美、こちらへ来て。席を変わるよ。」
「あら、あなた達、又会ったわね?  縁が有るわね?」
仁美も話を合わせた。
儚は、ちょうど空いていた隣のボックス席に座った。仁美も移動する。
「夢、カコ、こっちへおいでよ。久し振りだね?」
「久し振りです。お姉さん。お元気そうで。」
「何を勝手に動くんだ、こっちへ戻れ。」
「久し振りに話が有るんで、今日はこちらで。」
「うるさい。こっちへ戻れ。」
二人は戻る気配は無い。男が引っ張るが、動こうとしない。
「あなた達、無理は駄目だよ。嫌がってるじゃない?」
「うるさい。俺の女を自由にして、何が悪い。」
「私は、あんたの女じゃ無いもん。」
夢は、男の言葉を否定した。
「やかましい。こっちへ来い。」
「もう嫌、お姉さん助けて!」
「カコは、どうする?」
「私も嫌だ。助けて欲しいです。」
「決定的だね?  諦めなさいよ。」
「うるさい。後で酷いぞ。覚悟をしろよ。」
これは、放って置けないな、男達に釘を刺して置かないと、夢達が危ない。
「お店に迷惑だから、店を出よう。出ないと警察を呼ぶよ。」
今度は仁美が、割り込んだ。
「この子達に何か有れば、只では置かないよ。絶対に報復するわよ。」
仁美は、そう言いながら、男達の写真を撮った。
「何をしやがる。写真を消せ。」
「記念写真だよ。なんなら警察に言ったら?  会話は、全て録音してるからね。」
今度は、儚が口を挟んだ。
「あんた達、私達と同じ高校だよね?  あんた達の悪行は、全て洗い出すからね?」
仁美も言う。
「私達を舐めないでよね?  この前の男の子、見る気があれば、街中の監視カメラを見られるからね?  この子達に何か有れば、絶対逃さないよ。」
「さあ出ようか?  夢、カコ。」
「はい。お姉さん。」


 F-4  ドローン

今日は、仁美と嘉紀が、お茶を飲んでいる。
嘉紀は、開発中のドローンの説明を仁美にしている。エンジンを極限まで強くして、機体を小型化する。燃料を多く使うので、航続距離はまだ短い。
「我々は、小型のドローンをカバー出来る。三人共、ドローンを操縦出来る。」
「それは、何人乗れるの?」
「エンジンを強力な物にして、三人乗れる。航続距離は短いけど。」
まだ、開発早々なので、そんなに強力な能力は無い。
「音がするから、侵入は難しいわね?  使えるのは、逃げる時だけだね?」
「本当は、音も光も消せるんだよ。今迄は、陽動に使ってたので消さなかった。」
「え、そうなの?  何でも有りだね?」
音波程度なら、儚たちの幽力で制御できる。音を出す事も、音を消す事も出来る。
「その代わり、我々には、大きな代償が有る。絶対に敵を倒す事が出来ない。」
「そうか、それが代償になるのか?  それで毎回、苦労をしている訳か?」
そのドローンは、炭素繊維を使った合成樹脂製にして、極限まで軽量化をはかった。もちろん骨格は金属だ。嘉紀達が中心に乗れば、銃弾は無効化出来る為、機体の構成は弱くても、逃げる時に役立つ。


 F-5  M社の誘惑

「あいつ等を、我々の組織に入れたいな?  実力は本物らしい。」
「難しい案件も何故か解決している。あの力は魅力が有るな?」
「誰かに、当たらせて見よう。」
その会社の上層部は、M社の日本支部に連絡をした。その会社の上層部は、何か勘違いをしている。そんな実績の有るグループが、他所の会社に入る筈が無いのだ。

ある日、そこの社員が儚に接触をした。嘉紀はその日、アルバイトをしていた。
「芙蓉儚さん、少し話が有ります。貴女が代表ですか?」
「一応代表を引き受けて居ます。」
「それは良かったです。少し話が有ります。」
「何でしょうか?」
「私達の組織に入って欲しいのです。報酬ははずみますよ。」
儚は、しばらく考えて居たのだが、事情を説明した。
「断念ですが、私の一存では決められません。合議制になって居ます。」
「いつ頃決められそうですか?」
「今の契約先との話も有りますし、おそらく半年は掛かりそうです。」
「もっと早く出来ませんか?」
「仕事もしながらですから、もっと掛かるかも知れません。私の一存では、どうにもなりませんし。」
「上層部が急いでいるので、早く決めて貰わないと、ここを潰す事になります。」
「その様に伝えておきます。」
何処の組織かは分からないが、随分な事を言う。儚は嘉紀に、そのまま伝えた。
「面白い会社が有るな?  邪魔をするなら、そのM社を、こっちが潰す。」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

貞操逆転世界に転生したのに…男女比一対一って…

美鈴
ファンタジー
俺は隼 豊和(はやぶさ とよかず)。年齢は15歳。今年から高校生になるんだけど、何を隠そう俺には前世の記憶があるんだ。前世の記憶があるということは亡くなって生まれ変わったという事なんだろうけど、生まれ変わった世界はなんと貞操逆転世界だった。これはモテると喜んだのも束の間…その世界の男女比の差は全く無く、男性が優遇される世界ではなかった…寧ろ…。とにかく他にも色々とおかしい、そんな世界で俺にどうしろと!?また誰とも付き合えないのかっ!?そんなお話です…。 ※カクヨム様にも投稿しております。内容は異なります。 ※イラストはAI生成です

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

スライム退治専門のさえないおっさんの冒険

守 秀斗
ファンタジー
俺と相棒二人だけの冴えない冒険者パーティー。普段はスライム退治が専門だ。その冴えない日常を語る。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)

大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。 この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人) そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ! この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。 前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。 顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。 どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね! そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる! 主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。 外はその限りではありません。 カクヨムでも投稿しております。

処理中です...