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ろくでもない朝
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気持ちのいい目覚めなど、この世に生まれてからというもの、ほんの数回あったかどうか。
今日も今日とて、深酒をしたわけでもないというのにしくしくと痛む胃に苦しみながら、女ー鏡舞子は、枕元に常備された胃薬を、ガリッと奥歯で噛み砕く。
顔は不機嫌そのまま、皺の寄った眉間は、とても妙齢の女性のものとは思えない。
「アイツ等…また拾い食いしやがったね…。
あんだけ口を酸っぱくして妙なもんを食うなって…あぁ!」
言っても所詮繰り言になるだけなのは既に学習済みなのだろう。
まるで少年のように短く切られた黒髪をガシガシと手でかき揚げながら、あぐらのまま布団の上に座り込む。普通であれば行儀悪く映る仕草だが、かきあげた髪の下から覗く項はほんのりと薄桃色に色付き、妙に扇情的だ その口の悪さを除けば、少年のような青々しさと、大人の女の色気、その両方を持ち合わせたかのような美女と呼べるのだろうが、残念ながら彼女には、それを全て覆して有り余る問題があった。
時計を見れば、早朝の5時。一般の会社勤めであれば、余程の通勤事情でも抱えていない限り、まだ眠っていられる時間だが、彼女には彼女の事情がある。
「人間はおまんま食わなきゃ死んじまうんだぞコラ。あんたらと違ってこっちは働かなきゃ飯も食えねぇんだっての!」
いらだち混じりに、右手でバンと叩いた畳の下。
硬いはずの畳が、舞子の置いた掌のましただけ、不自然な歪みを見せ、やがて指の隙間から、ドロドロとした赤い液体がどぷりと波打つように畳の上に流れ出す。
傍から見れば不気味極まりなく、異常な光景には違いないが、それを見た舞子の顔は、恐怖に歪むどころか、ますますの怒りを浮かべ、口元を歪ませ、もう一度強く畳を叩きつける。
「おぉおぉ、居留守かコラ!高度なことを覚えてきやがったなこの餓鬼供!んなもんアタシに通用するわけあるかボケ!」
声を上げた瞬間、一気に噴水のように吹き出し液体と共にごろりと転がったのは、女の生首。
「…」
そう。紛れもない、女の首だった。
よく見れば、首には縄のようなものでしめられた跡がくっきりと残っている。
「ニクい」「憎い」「ニクい」
女の首が、はっきりとその言葉を紡ぐ。
「捨テらレタ」「若イ女」「あの女ガ…」
ざらついた低い声は、女の生前のものではないはずだ。
首を圧迫したことが原因で、声帯が潰れ、あのような声しか出ないのだろうが、それも結局は、女の思い込みでしかない。どうせもう死んでいるのだ。既にない身体の影響など、受ける方が馬鹿らしいというのに、一向にそれを理解しようとしない。自殺した霊の半数が陥る、初歩的な間違いである。
うやら若い女に男を取られ、捨てられた末の自殺のようだが、なぜそんな愚痴を他人が聞かされなければいけ
ないのか。
「ウザイ。アタシに言うな」
皆まできくほどもない、と女の恨み言をあっさり吐き捨てた舞子は、いかにも面倒くさそうな様子で立ち上がると、女の首を正面に見下ろし、一言吐き捨てた。
「つか、あんたがこんなところでグタグタ言ってるうちに、あんたの男は別の女とよろしくやってるとか思わんだけど。アタシだったら真っ先に浮気相手の女とその男を呪い殺しに行くし。つか、自分が生首晒してさまよってる間、相手の男は幸せに別の女と家族団らんしてる可能性だってあるわけ。あんたのことなんて、綺麗さっぱり記憶から抹殺だから、抹殺」
酷い言い草だが、少なくとも生首である女の心には酷く響いたのだろう。
恨み言をいい連ねていたその唇がぴたりと止まり、その頭が、器用にゆらゆらと揺れ始めている。
おそらく、舞子の言った言葉に、はっきりとした心当たりがあるのだろうが、憎しみと、自らは死者であり、自由に移動することなど出来ないのだという思い込みが、まるで貧乏ゆすりのようなジレンマへと変わっているに違いない。
葛藤に揺れる生首。ホラーのようなコメディ位のような、何とも言えない光景だが、いい加減イライラも溜まっていたのだろう。
その首を、ただのボールか何かのようにひょいと持ち上げた舞子は、ある程度の高さまで持ち上げると、ニッコリと笑い、両手をパット首から離す。
突然の行動に、どこか唖然とした表情を浮かべ、重力のまま地面へと落ちていく生首。
その先にあるのは、先程まで存在しなかったはずの、真っ赤な水溜りだ。ドロドロとした、まるで底なし沼のようなそれに、ズブズブと沈んでいく女の顔。
「自ら死を選ぶくらいなら、男の一人や二人さっさと祟り殺して地獄に落ちてこい!」
その頭を、最後の仕上げとばかりにふんずと踏みつけ、罵声を上げるた舞子。
生首とともに沈んでいくかにみえた舞子の足だが、不思議なことに、その足が地面につくと同時に、それは再び、唯の畳へと戻り、もはや女の首など跡形もなくなっている。
どこからか聞こえるのは、たぷん、という、粘液質な水の音だけ。
「ったく、消化不良になるようなもん食べるんじゃないよ!あんたらに愛だのなんだのなんて、百年早い!」
毎度のことながら、面倒な片付けだけを押し付けられるのではたまったものではない。
胃に感じていたキリキリとした痛みは収まったものの、朝っぱらから声を張り上げたせいで、喉は痛いし頭も痛い。
キッチンへ行って水をがぶ飲みするが、その程度のことで収まるような腹ではない。
イライラと指先でシンクを叩きつければ、背後から聞こえる、ドタバタという大勢の子供の足音。
ふいに着ていたパジャマの裾を何かに引っ張られ、ひなこは不機嫌な表情のまま、「あぁ?」と声を上げる。 舞子以外、誰もいないこの部屋で、誰かに服を引っ張られるということが異常だという意識は、既に彼女にはない。
振り向いた先に経つのは、七五三のような、真っ赤な着物をまとった、おかっぱの子供。着物こそ女物に見えるが、その顔立ちは童子にも童女にも見え、判別がつかない。
その子供は、振り向いた舞子に向かい、ひとつ首をかしげると、小さく口を開いた。
「オトコ、イナイ。捨テラレナイ。ウレシ?」
まるで、複数の合成音を組み合わせたような奇妙な声。
今で言えばボーカロイドの声に近いが、それよりもはるかに陰鬱で、子供特有の高音が妙に際立って聞こえる。
カタコトのその言葉だけでは、意味はよくわからないが、既に長い付き合いのある舞子には、その位手に取るようにわかる。
「…お前には男がいないから捨てられる心配はない、嬉しいかって?」
口元をひくひくさせながらの舞子の台詞に、答えを期待するようにじっとこちらを見つめる幼子。
他の人間に言われれば、即座に尻の一つや二つ蹴り飛ばしてやるところだが、いかんせん聞いている”彼ら”に悪気がないことはわかりきっている。
人間の言う、善悪という感情を、彼らは未だに理解できない。いや、理解する、という意味がワカラナイのだ。
「言っとくがな、男に捨てられる以上に、生まれてこの方一人も付き合った男がいないってほうが、現代社会じゃよっぽど虚しい事なんだからな」」
「「オトコ、イナイ、コマル?」」
「いや、困りゃしない。困りやしないが、ある意味不自由はする」
主に性欲面だとかな…とブツブツつぶやくが、どうせ意味などわからないのだ。
「三十路を過ぎて独り身の女の侘しさに比べりゃ、男に捨てられるくらいなんだって言うんだい、全く!」
人間という生き物は、実に不条理な存在なのだ。それを理解するには、”彼ら”は幼すぎる。そして、それを理解する機会が、彼らには永遠にない。そして、それを悲しいと思う感情も。 何を言っても無駄なことはわかっているが、それでも苛立つのが人間というものだ。
気がつけば、既に起きてから結構な時間が経っている。今日の仕事の時間まで、あと数時間しかない。
「やばい…。どこの職場も、最初が肝心だってのに!」
これから風呂に入ってシャワーを浴びて化粧をして、と考えると朝から既にうんざりするが、これも毎日のことだ。
目の前にいる子供のことなどすっかり眼中からなくした様子で支度をはじめるのも毎度のこと。
未だ背後にその気配はあるが、一一気にする暇などない。 どうせ、舞子の日常から、彼らをすっかり切り離すことなど不可能なのだから。
「今度の職場は、長く続くといいんだけどねぇ…」
バスルームに向かう舞子の口から漏れるのは、どこか諦観にもにたため息ばかりだった。
今日も今日とて、深酒をしたわけでもないというのにしくしくと痛む胃に苦しみながら、女ー鏡舞子は、枕元に常備された胃薬を、ガリッと奥歯で噛み砕く。
顔は不機嫌そのまま、皺の寄った眉間は、とても妙齢の女性のものとは思えない。
「アイツ等…また拾い食いしやがったね…。
あんだけ口を酸っぱくして妙なもんを食うなって…あぁ!」
言っても所詮繰り言になるだけなのは既に学習済みなのだろう。
まるで少年のように短く切られた黒髪をガシガシと手でかき揚げながら、あぐらのまま布団の上に座り込む。普通であれば行儀悪く映る仕草だが、かきあげた髪の下から覗く項はほんのりと薄桃色に色付き、妙に扇情的だ その口の悪さを除けば、少年のような青々しさと、大人の女の色気、その両方を持ち合わせたかのような美女と呼べるのだろうが、残念ながら彼女には、それを全て覆して有り余る問題があった。
時計を見れば、早朝の5時。一般の会社勤めであれば、余程の通勤事情でも抱えていない限り、まだ眠っていられる時間だが、彼女には彼女の事情がある。
「人間はおまんま食わなきゃ死んじまうんだぞコラ。あんたらと違ってこっちは働かなきゃ飯も食えねぇんだっての!」
いらだち混じりに、右手でバンと叩いた畳の下。
硬いはずの畳が、舞子の置いた掌のましただけ、不自然な歪みを見せ、やがて指の隙間から、ドロドロとした赤い液体がどぷりと波打つように畳の上に流れ出す。
傍から見れば不気味極まりなく、異常な光景には違いないが、それを見た舞子の顔は、恐怖に歪むどころか、ますますの怒りを浮かべ、口元を歪ませ、もう一度強く畳を叩きつける。
「おぉおぉ、居留守かコラ!高度なことを覚えてきやがったなこの餓鬼供!んなもんアタシに通用するわけあるかボケ!」
声を上げた瞬間、一気に噴水のように吹き出し液体と共にごろりと転がったのは、女の生首。
「…」
そう。紛れもない、女の首だった。
よく見れば、首には縄のようなものでしめられた跡がくっきりと残っている。
「ニクい」「憎い」「ニクい」
女の首が、はっきりとその言葉を紡ぐ。
「捨テらレタ」「若イ女」「あの女ガ…」
ざらついた低い声は、女の生前のものではないはずだ。
首を圧迫したことが原因で、声帯が潰れ、あのような声しか出ないのだろうが、それも結局は、女の思い込みでしかない。どうせもう死んでいるのだ。既にない身体の影響など、受ける方が馬鹿らしいというのに、一向にそれを理解しようとしない。自殺した霊の半数が陥る、初歩的な間違いである。
うやら若い女に男を取られ、捨てられた末の自殺のようだが、なぜそんな愚痴を他人が聞かされなければいけ
ないのか。
「ウザイ。アタシに言うな」
皆まできくほどもない、と女の恨み言をあっさり吐き捨てた舞子は、いかにも面倒くさそうな様子で立ち上がると、女の首を正面に見下ろし、一言吐き捨てた。
「つか、あんたがこんなところでグタグタ言ってるうちに、あんたの男は別の女とよろしくやってるとか思わんだけど。アタシだったら真っ先に浮気相手の女とその男を呪い殺しに行くし。つか、自分が生首晒してさまよってる間、相手の男は幸せに別の女と家族団らんしてる可能性だってあるわけ。あんたのことなんて、綺麗さっぱり記憶から抹殺だから、抹殺」
酷い言い草だが、少なくとも生首である女の心には酷く響いたのだろう。
恨み言をいい連ねていたその唇がぴたりと止まり、その頭が、器用にゆらゆらと揺れ始めている。
おそらく、舞子の言った言葉に、はっきりとした心当たりがあるのだろうが、憎しみと、自らは死者であり、自由に移動することなど出来ないのだという思い込みが、まるで貧乏ゆすりのようなジレンマへと変わっているに違いない。
葛藤に揺れる生首。ホラーのようなコメディ位のような、何とも言えない光景だが、いい加減イライラも溜まっていたのだろう。
その首を、ただのボールか何かのようにひょいと持ち上げた舞子は、ある程度の高さまで持ち上げると、ニッコリと笑い、両手をパット首から離す。
突然の行動に、どこか唖然とした表情を浮かべ、重力のまま地面へと落ちていく生首。
その先にあるのは、先程まで存在しなかったはずの、真っ赤な水溜りだ。ドロドロとした、まるで底なし沼のようなそれに、ズブズブと沈んでいく女の顔。
「自ら死を選ぶくらいなら、男の一人や二人さっさと祟り殺して地獄に落ちてこい!」
その頭を、最後の仕上げとばかりにふんずと踏みつけ、罵声を上げるた舞子。
生首とともに沈んでいくかにみえた舞子の足だが、不思議なことに、その足が地面につくと同時に、それは再び、唯の畳へと戻り、もはや女の首など跡形もなくなっている。
どこからか聞こえるのは、たぷん、という、粘液質な水の音だけ。
「ったく、消化不良になるようなもん食べるんじゃないよ!あんたらに愛だのなんだのなんて、百年早い!」
毎度のことながら、面倒な片付けだけを押し付けられるのではたまったものではない。
胃に感じていたキリキリとした痛みは収まったものの、朝っぱらから声を張り上げたせいで、喉は痛いし頭も痛い。
キッチンへ行って水をがぶ飲みするが、その程度のことで収まるような腹ではない。
イライラと指先でシンクを叩きつければ、背後から聞こえる、ドタバタという大勢の子供の足音。
ふいに着ていたパジャマの裾を何かに引っ張られ、ひなこは不機嫌な表情のまま、「あぁ?」と声を上げる。 舞子以外、誰もいないこの部屋で、誰かに服を引っ張られるということが異常だという意識は、既に彼女にはない。
振り向いた先に経つのは、七五三のような、真っ赤な着物をまとった、おかっぱの子供。着物こそ女物に見えるが、その顔立ちは童子にも童女にも見え、判別がつかない。
その子供は、振り向いた舞子に向かい、ひとつ首をかしげると、小さく口を開いた。
「オトコ、イナイ。捨テラレナイ。ウレシ?」
まるで、複数の合成音を組み合わせたような奇妙な声。
今で言えばボーカロイドの声に近いが、それよりもはるかに陰鬱で、子供特有の高音が妙に際立って聞こえる。
カタコトのその言葉だけでは、意味はよくわからないが、既に長い付き合いのある舞子には、その位手に取るようにわかる。
「…お前には男がいないから捨てられる心配はない、嬉しいかって?」
口元をひくひくさせながらの舞子の台詞に、答えを期待するようにじっとこちらを見つめる幼子。
他の人間に言われれば、即座に尻の一つや二つ蹴り飛ばしてやるところだが、いかんせん聞いている”彼ら”に悪気がないことはわかりきっている。
人間の言う、善悪という感情を、彼らは未だに理解できない。いや、理解する、という意味がワカラナイのだ。
「言っとくがな、男に捨てられる以上に、生まれてこの方一人も付き合った男がいないってほうが、現代社会じゃよっぽど虚しい事なんだからな」」
「「オトコ、イナイ、コマル?」」
「いや、困りゃしない。困りやしないが、ある意味不自由はする」
主に性欲面だとかな…とブツブツつぶやくが、どうせ意味などわからないのだ。
「三十路を過ぎて独り身の女の侘しさに比べりゃ、男に捨てられるくらいなんだって言うんだい、全く!」
人間という生き物は、実に不条理な存在なのだ。それを理解するには、”彼ら”は幼すぎる。そして、それを理解する機会が、彼らには永遠にない。そして、それを悲しいと思う感情も。 何を言っても無駄なことはわかっているが、それでも苛立つのが人間というものだ。
気がつけば、既に起きてから結構な時間が経っている。今日の仕事の時間まで、あと数時間しかない。
「やばい…。どこの職場も、最初が肝心だってのに!」
これから風呂に入ってシャワーを浴びて化粧をして、と考えると朝から既にうんざりするが、これも毎日のことだ。
目の前にいる子供のことなどすっかり眼中からなくした様子で支度をはじめるのも毎度のこと。
未だ背後にその気配はあるが、一一気にする暇などない。 どうせ、舞子の日常から、彼らをすっかり切り離すことなど不可能なのだから。
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