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常識と良識と男の誠意と~外堀は既に埋め立てられていた模様です~
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そもそもよ?
「常識あるいい大人が、責任をとるつもりのない女に最初からナマで中だしすると思う?ちゃんと先の事も考えているに決まってるでしょ」
馬鹿ねぇと笑われ、レジーナは開いた口がふさがらない。
「いくらあんたが処女だっていっても、避妊してるかどうかくらいわかるでしょ?」
「……生々しい話はやめてちょうだい」
「あら、いいじゃない。今大事なのはその、ナマかナマじゃないかなんだから」
「…………………!!!」
ふふふと笑う帝は間違いなく確信犯で。
「それともあれかしら?よがりすぎてそんなことを気にする暇もなかった?」
「………あんた、わかってて言ってるわね!?」
このド変態っ!!
「避妊してなかったことくらい、最初からわかってたわよ!」
「あらそう?じゃあ、さっさと着替えて指輪を見に行きましょうよ。
ーーーそれとも……」
ぐっと顔を近づけてきた帝に気圧され、ベッドの上でのけぞるレジーナ。
「……まさかとは思うけど、あんた私を弄んだ訳じゃないわよね?」
「も、もてあそ……………!?」
帝の口からでたとんでもない台詞に驚愕していれば、途端に表情をころっと変えて、「違うのならそれでいいのよ。じゃあ早く行きましょ?」と当たり前のようにレジーナを急かすその手口。
これは最早詐欺師の上級テクニックに近い。
外堀にコンクリートをドバドバと流し込まれているようなものだ。
「あ、あのねぇ!?言っておくけど、私達一族と人との間の出生率はかなり低いの!避妊なんてしなくても、そう簡単に子供が出来るはずなんてないのよ!?」
中だしされていたことには勿論気がついていたが、それがあるだけに今まで深く考えたことはなかった。
子供なんて出来るはずがないと、無意識のうちに思い込んでいたのだ。
だが。
「それはあくまで確率が低いってだけで、可能性はゼロじゃないってことでしょ?なら今夜からはもっと頑張って確率をあげる努力をしなくちゃいけないわね」
お腹一杯、注いであげる。
耳元で囁かれ、ぞっと寒気がした。
「帝……。あ、あんた、一体どれだけやれば気ががすむのよ!?」
「そりゃ、孕むまでにきまってるでしょ」
それはもはや限界への挑戦に他ならない行為である。
「あんた、私を殺す気!?」
無理だ。
とてもではないが付き合いきれない。
真っ青な顔で否定すれば、見るからに不満そうに口を尖らせる帝。
「なら言わせてもらうけど。
そっちこそ、いつまで私を生殺しにするつもりなの?
さっさと婚約して結婚して入籍して……ハネムーンは何処にしようかって、こっちはもう準備万端楽しみにしてるっていうのに……」
一瞬。
帝が一体何を話しているのか、本気で理解できず。
理解してからがまた、別の意味で大変だった。
「そ、それって………………!!」
真っ赤になったレジーナに、「そういえばまだ言ってなかったかしらねぇ」と。
白々しい台詞を吐きながら、帝はわなわなと震えるレジーナの左手を掴み。
「私が先に唾をつけたんだから。もう、他の誰にも渡しちゃ駄目よ?」
薬指をぱくっと口に咥え、自らの所有権を主張するように大人げなく告げると。
「一生面倒を見てあげるから、私の嫁になりなさい」
ーーー誰が聞いても間違いようのない、プロポーズの言葉を囁いたのだった。
「常識あるいい大人が、責任をとるつもりのない女に最初からナマで中だしすると思う?ちゃんと先の事も考えているに決まってるでしょ」
馬鹿ねぇと笑われ、レジーナは開いた口がふさがらない。
「いくらあんたが処女だっていっても、避妊してるかどうかくらいわかるでしょ?」
「……生々しい話はやめてちょうだい」
「あら、いいじゃない。今大事なのはその、ナマかナマじゃないかなんだから」
「…………………!!!」
ふふふと笑う帝は間違いなく確信犯で。
「それともあれかしら?よがりすぎてそんなことを気にする暇もなかった?」
「………あんた、わかってて言ってるわね!?」
このド変態っ!!
「避妊してなかったことくらい、最初からわかってたわよ!」
「あらそう?じゃあ、さっさと着替えて指輪を見に行きましょうよ。
ーーーそれとも……」
ぐっと顔を近づけてきた帝に気圧され、ベッドの上でのけぞるレジーナ。
「……まさかとは思うけど、あんた私を弄んだ訳じゃないわよね?」
「も、もてあそ……………!?」
帝の口からでたとんでもない台詞に驚愕していれば、途端に表情をころっと変えて、「違うのならそれでいいのよ。じゃあ早く行きましょ?」と当たり前のようにレジーナを急かすその手口。
これは最早詐欺師の上級テクニックに近い。
外堀にコンクリートをドバドバと流し込まれているようなものだ。
「あ、あのねぇ!?言っておくけど、私達一族と人との間の出生率はかなり低いの!避妊なんてしなくても、そう簡単に子供が出来るはずなんてないのよ!?」
中だしされていたことには勿論気がついていたが、それがあるだけに今まで深く考えたことはなかった。
子供なんて出来るはずがないと、無意識のうちに思い込んでいたのだ。
だが。
「それはあくまで確率が低いってだけで、可能性はゼロじゃないってことでしょ?なら今夜からはもっと頑張って確率をあげる努力をしなくちゃいけないわね」
お腹一杯、注いであげる。
耳元で囁かれ、ぞっと寒気がした。
「帝……。あ、あんた、一体どれだけやれば気ががすむのよ!?」
「そりゃ、孕むまでにきまってるでしょ」
それはもはや限界への挑戦に他ならない行為である。
「あんた、私を殺す気!?」
無理だ。
とてもではないが付き合いきれない。
真っ青な顔で否定すれば、見るからに不満そうに口を尖らせる帝。
「なら言わせてもらうけど。
そっちこそ、いつまで私を生殺しにするつもりなの?
さっさと婚約して結婚して入籍して……ハネムーンは何処にしようかって、こっちはもう準備万端楽しみにしてるっていうのに……」
一瞬。
帝が一体何を話しているのか、本気で理解できず。
理解してからがまた、別の意味で大変だった。
「そ、それって………………!!」
真っ赤になったレジーナに、「そういえばまだ言ってなかったかしらねぇ」と。
白々しい台詞を吐きながら、帝はわなわなと震えるレジーナの左手を掴み。
「私が先に唾をつけたんだから。もう、他の誰にも渡しちゃ駄目よ?」
薬指をぱくっと口に咥え、自らの所有権を主張するように大人げなく告げると。
「一生面倒を見てあげるから、私の嫁になりなさい」
ーーー誰が聞いても間違いようのない、プロポーズの言葉を囁いたのだった。
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