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失われた女神
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「まぁ、事勿れ主義は社会の基本だよね」
日和見主義は昔からの日本の風習だが、これもまた現代では通用しなくなってきている。
なにしろ、情報手段となるインターネットの普及により、ちょっとしたことで直ぐに炎上、騒ぎになるのが当然の風潮だ。
インターネットの匿名性は、時に人の攻撃性を強く煽る。
昨今になってようやく、匿名での誹謗中傷が訴えられるようになってきたようだが、それでもなかなか立件は難しい。竜児達のような弁護士にとっても、厄介な時代になってきていると言えるだろう。
それをチャンスと捉えるかどうかは完全に個人の資質による。
「ってことでまぁ、そっちは話が付いてるみたいだし、問題は及川くんの方か」
「明日の話し合いですか?それなら部長が…」
「それもあるけど、今日会いにいくってのもやばいでしょ」
「でもハムちゃん救出…」
「あの子なら一人で勝手に帰ってきそうな気がするんだけどねぇ…」
ほっといても大丈夫なんじゃない?という主任に軽く否定できないなと思ったのは事実だが、そういうわけにもいかないだろう。
そこは飼い主の責任として。
『クゥ~ン』
拳を固め、ハム太郎奪還へと意気込む高瀬の足元に擦り寄ってきたアレク君。
やはり、兄弟分的な存在であるハム太郎の事が気になるらしい。
その目が「俺を連れて行け」と訴えているが、それはできない。
「連れて行ってあげたいのはやまやまだけど、今回はお留守番してようね」
さっきの件もあることだし、下手をすれば今度はハムちゃんの代わりにアレクくんが捕まってしまう可能性もある。
ごめんねとその頭を撫でながら、ふとあることを思いついた。
「……そういえば、もう一匹いましたね」
普段は気配を消しているため、すっかり忘れていたが。
「もしかして、アレのこと?」
すぐにピンときたらしい主任。
部長も言葉には出さないが、ちょっと嫌そうな顔をしたところを見ると、思い出したのだろう。
「うん、アレならたとえ捕まっても自力でなんとか出来そうだし…」
ついでにひとついいことを思いついた。
上手くできるかどうかはわからないが、成功すれば己の身の安全は保証される。
「試してみる価値はあるかも」
よし、やってみよう。
※
――――そして、問題の夜。
鬱陶しいくらい存在感のある気配を追ってたどり着いたのは、例の工事現場だった。
「誘拐犯、覚悟!!」
文字通り背後から降って沸いた高瀬は、まずは先制とばかりに勢いよく見慣れた男の背中を思い切り蹴り飛ばそうとし――失敗した。
「にゃぁぁぁ!!!」
「飛んで火にいる夏の虫、だな」
龍一がまるでその事を予見していたかのようにくるりと振り返り、両手を広げて待っていたからだ。
蹴り飛ばそうとしている足など全く意に介さない様子で、まるで自ら腕の中に飛び込んで行くような体制になってしまった高瀬は、慌てて男の胸先を軽く蹴り飛ばすと、くるりと一回転し、地面に着地する。
「ふぅ…」
危なかった。
危うく変態の胸に飛び込むところだった、と汗を拭うふりをする高瀬。
「なんだ、折角そっちから飛び込んできたと思ったのにな。もういいいのか?」
「よくない!!よくないけど、正面から待ち構えられて尚突っ込む度胸はない!」
自慢にもならないことを胸を張って答える高瀬に、ふっと笑う龍一。
「なんだ、またその姿できたのか。もう正体はバレてるんだし、本来の姿で来れば良かったものを」
「あんたの思う通りになんて行かないっての!」
べーと舌を出し、いつものごとく相手を牽制する。
どうやら龍一は高瀬が自在に姿を変えることが出来ると思っているようだ。
実際にはこの姿にしかなれないというのが真実なのだが、そんなことを教えてやる義理はない。
「ハムちゃんを返してもらうよ!」
「そう焦るなよ…。ほら」
指をぴしりと突きつけながら宣言すれば、逆に拍子抜けするほどあっさりと差し出されたのは小さな石。
「水晶…?」
「形代に使っただけだ。お前なら壊せる」
ほらと投げ渡され、慌ててそれを受け取った瞬間、ぴしりとヒビの入る石。
クモの巣状に広がったそれはあっという間に石を覆い尽くし、パァァアンという破裂音とともに一気に砕け散った。
そしてそこから現れたのはお約束の。
『きゅう!!!!』
「ハムちゃん!!」
感動の再会だと、掌の上で声を上げたハム太郎に、スリスリと頬を寄せる。
『きゅい~』
「はいはい。大変な目にあったのね、お疲れ様……って、なんかハムちゃん気のせいか毛艶がよくなってない?」
ちょっとまて、とハム太郎を問い詰める。
『きゅ、きゅい?』
「そいつならな、自由にその石から抜け出して遊びまわってたぞ。ブラッシングしろとばかりにどこからか櫛まで持ってきて」
「はい!?」
『きゅう?!』
ハム太郎の声を直訳するなら、「なんでばらすの!?」といったところだろう。
つまり何か。
不自由な思いをしているとばかり思っていたハム太郎は、誘拐犯をこき使って自由を謳歌していたと。
つまり主任が言っていた「勝手に帰って来れるだろ」というのは正しかったわけだ。
「は~む~ちゃ~ん!!!」
『きゅぅ~~~』
だって~、といったところか。
「言い訳無用!」
むぎゅ、っと顔を両手で潰し、ぐりぐりと額を押し付ける。
心配して損したとまではいかないが、一気に気が抜けてしまった。
すっかり脱力した高瀬と、その前にたって微笑む龍一、二人を交互に見合わせ、『きゅ?』と首をかしげるハム太郎。
その顔には全くと言っていいほど警戒心は見られない。
その理由に、高瀬はひとつ心当たりがあった。
もうどこにもいかないようにと、ハム太郎を肩の上に乗せた上で龍一と向き合う。
相変わらず全身隙のない気配に、女性受けするその顔。
ジッと見つめたその顔が、あの夢の中の少年とぴたりと重なり――――ーこれも自業自得かと思いながら、高瀬は口を開く。
「ヒメガミって、何の事?」
その言葉に、ようやく待ち続けていた答えを与えられたような満面の笑みを浮かべた龍一は、はっきりと告げる。
「それはお前のことだ」と。
「やっと素直に話すつもりになったのか?俺のヒメガミよ。
お前がかつて力を与えた子供のことを、ようやく思い出したか」
「…思い出す、ね」
高瀬にとってはつい最近見た夢の内容が、実は過去に実際に起きた出来事だった。
それが今、実証されたわけだ。
やらかした感が半端ないが、今はそれを反省している場合ではなかった。
「じゃあ、はじめから私がそうだと分かってたってこと?」
「まさか、とはな。だが昨夜のお前の姿を見て間違いないと思った」
お前は何一つ変わらないなと微笑まれ、どう言うべきか言葉に詰まる。
――――自分が過去を変えたのか、それとも初めからそうあるべき過去だったのか。
頭の痛い問題だ。
しかし、だとしたらハム太郎が龍一に警戒心を持たないことにも納得がいく。
高瀬も今意識してみてようやくわかった程度だが、男の気配には僅かに高瀬と同じものが混じっているのだ。
恐らくはそれが高瀬によって与えられた力の名残なのだろうが、ハム太郎にとってそれは仲間の証のようなものと思えたのだろう。
もしくは同じ匂いを感じたということか。
「言っておくけど、私はただの人間だよ。ヒメガミなんて怪しげなものじゃない」
ちょっと人より強い霊能力をもっている、それだけだ。
「そもそも、ヒメガミってのはなんなの?私のことだって言われても、残念ながら心当たりはないんだけど」
胸を張って答える高瀬に、意外にもそれが当然だと龍一は言う。
「心当たりなどなくて当然だ。それは人が勝手に与えた敬称のようなものだからな」
「敬称?」
「あぁ、それは比売の名を持つ、秘せられし一柱の女神に与えられた名だ」
「だから、私は神じゃないって…」
「本当にそうか?」
「え?」
「お前は、己の名を失っているだけじゃないのか」
――――――名を、失う?
日和見主義は昔からの日本の風習だが、これもまた現代では通用しなくなってきている。
なにしろ、情報手段となるインターネットの普及により、ちょっとしたことで直ぐに炎上、騒ぎになるのが当然の風潮だ。
インターネットの匿名性は、時に人の攻撃性を強く煽る。
昨今になってようやく、匿名での誹謗中傷が訴えられるようになってきたようだが、それでもなかなか立件は難しい。竜児達のような弁護士にとっても、厄介な時代になってきていると言えるだろう。
それをチャンスと捉えるかどうかは完全に個人の資質による。
「ってことでまぁ、そっちは話が付いてるみたいだし、問題は及川くんの方か」
「明日の話し合いですか?それなら部長が…」
「それもあるけど、今日会いにいくってのもやばいでしょ」
「でもハムちゃん救出…」
「あの子なら一人で勝手に帰ってきそうな気がするんだけどねぇ…」
ほっといても大丈夫なんじゃない?という主任に軽く否定できないなと思ったのは事実だが、そういうわけにもいかないだろう。
そこは飼い主の責任として。
『クゥ~ン』
拳を固め、ハム太郎奪還へと意気込む高瀬の足元に擦り寄ってきたアレク君。
やはり、兄弟分的な存在であるハム太郎の事が気になるらしい。
その目が「俺を連れて行け」と訴えているが、それはできない。
「連れて行ってあげたいのはやまやまだけど、今回はお留守番してようね」
さっきの件もあることだし、下手をすれば今度はハムちゃんの代わりにアレクくんが捕まってしまう可能性もある。
ごめんねとその頭を撫でながら、ふとあることを思いついた。
「……そういえば、もう一匹いましたね」
普段は気配を消しているため、すっかり忘れていたが。
「もしかして、アレのこと?」
すぐにピンときたらしい主任。
部長も言葉には出さないが、ちょっと嫌そうな顔をしたところを見ると、思い出したのだろう。
「うん、アレならたとえ捕まっても自力でなんとか出来そうだし…」
ついでにひとついいことを思いついた。
上手くできるかどうかはわからないが、成功すれば己の身の安全は保証される。
「試してみる価値はあるかも」
よし、やってみよう。
※
――――そして、問題の夜。
鬱陶しいくらい存在感のある気配を追ってたどり着いたのは、例の工事現場だった。
「誘拐犯、覚悟!!」
文字通り背後から降って沸いた高瀬は、まずは先制とばかりに勢いよく見慣れた男の背中を思い切り蹴り飛ばそうとし――失敗した。
「にゃぁぁぁ!!!」
「飛んで火にいる夏の虫、だな」
龍一がまるでその事を予見していたかのようにくるりと振り返り、両手を広げて待っていたからだ。
蹴り飛ばそうとしている足など全く意に介さない様子で、まるで自ら腕の中に飛び込んで行くような体制になってしまった高瀬は、慌てて男の胸先を軽く蹴り飛ばすと、くるりと一回転し、地面に着地する。
「ふぅ…」
危なかった。
危うく変態の胸に飛び込むところだった、と汗を拭うふりをする高瀬。
「なんだ、折角そっちから飛び込んできたと思ったのにな。もういいいのか?」
「よくない!!よくないけど、正面から待ち構えられて尚突っ込む度胸はない!」
自慢にもならないことを胸を張って答える高瀬に、ふっと笑う龍一。
「なんだ、またその姿できたのか。もう正体はバレてるんだし、本来の姿で来れば良かったものを」
「あんたの思う通りになんて行かないっての!」
べーと舌を出し、いつものごとく相手を牽制する。
どうやら龍一は高瀬が自在に姿を変えることが出来ると思っているようだ。
実際にはこの姿にしかなれないというのが真実なのだが、そんなことを教えてやる義理はない。
「ハムちゃんを返してもらうよ!」
「そう焦るなよ…。ほら」
指をぴしりと突きつけながら宣言すれば、逆に拍子抜けするほどあっさりと差し出されたのは小さな石。
「水晶…?」
「形代に使っただけだ。お前なら壊せる」
ほらと投げ渡され、慌ててそれを受け取った瞬間、ぴしりとヒビの入る石。
クモの巣状に広がったそれはあっという間に石を覆い尽くし、パァァアンという破裂音とともに一気に砕け散った。
そしてそこから現れたのはお約束の。
『きゅう!!!!』
「ハムちゃん!!」
感動の再会だと、掌の上で声を上げたハム太郎に、スリスリと頬を寄せる。
『きゅい~』
「はいはい。大変な目にあったのね、お疲れ様……って、なんかハムちゃん気のせいか毛艶がよくなってない?」
ちょっとまて、とハム太郎を問い詰める。
『きゅ、きゅい?』
「そいつならな、自由にその石から抜け出して遊びまわってたぞ。ブラッシングしろとばかりにどこからか櫛まで持ってきて」
「はい!?」
『きゅう?!』
ハム太郎の声を直訳するなら、「なんでばらすの!?」といったところだろう。
つまり何か。
不自由な思いをしているとばかり思っていたハム太郎は、誘拐犯をこき使って自由を謳歌していたと。
つまり主任が言っていた「勝手に帰って来れるだろ」というのは正しかったわけだ。
「は~む~ちゃ~ん!!!」
『きゅぅ~~~』
だって~、といったところか。
「言い訳無用!」
むぎゅ、っと顔を両手で潰し、ぐりぐりと額を押し付ける。
心配して損したとまではいかないが、一気に気が抜けてしまった。
すっかり脱力した高瀬と、その前にたって微笑む龍一、二人を交互に見合わせ、『きゅ?』と首をかしげるハム太郎。
その顔には全くと言っていいほど警戒心は見られない。
その理由に、高瀬はひとつ心当たりがあった。
もうどこにもいかないようにと、ハム太郎を肩の上に乗せた上で龍一と向き合う。
相変わらず全身隙のない気配に、女性受けするその顔。
ジッと見つめたその顔が、あの夢の中の少年とぴたりと重なり――――ーこれも自業自得かと思いながら、高瀬は口を開く。
「ヒメガミって、何の事?」
その言葉に、ようやく待ち続けていた答えを与えられたような満面の笑みを浮かべた龍一は、はっきりと告げる。
「それはお前のことだ」と。
「やっと素直に話すつもりになったのか?俺のヒメガミよ。
お前がかつて力を与えた子供のことを、ようやく思い出したか」
「…思い出す、ね」
高瀬にとってはつい最近見た夢の内容が、実は過去に実際に起きた出来事だった。
それが今、実証されたわけだ。
やらかした感が半端ないが、今はそれを反省している場合ではなかった。
「じゃあ、はじめから私がそうだと分かってたってこと?」
「まさか、とはな。だが昨夜のお前の姿を見て間違いないと思った」
お前は何一つ変わらないなと微笑まれ、どう言うべきか言葉に詰まる。
――――自分が過去を変えたのか、それとも初めからそうあるべき過去だったのか。
頭の痛い問題だ。
しかし、だとしたらハム太郎が龍一に警戒心を持たないことにも納得がいく。
高瀬も今意識してみてようやくわかった程度だが、男の気配には僅かに高瀬と同じものが混じっているのだ。
恐らくはそれが高瀬によって与えられた力の名残なのだろうが、ハム太郎にとってそれは仲間の証のようなものと思えたのだろう。
もしくは同じ匂いを感じたということか。
「言っておくけど、私はただの人間だよ。ヒメガミなんて怪しげなものじゃない」
ちょっと人より強い霊能力をもっている、それだけだ。
「そもそも、ヒメガミってのはなんなの?私のことだって言われても、残念ながら心当たりはないんだけど」
胸を張って答える高瀬に、意外にもそれが当然だと龍一は言う。
「心当たりなどなくて当然だ。それは人が勝手に与えた敬称のようなものだからな」
「敬称?」
「あぁ、それは比売の名を持つ、秘せられし一柱の女神に与えられた名だ」
「だから、私は神じゃないって…」
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