テンプレ通りじゃないかもしれないけれど悪役令嬢ものを書いてみた

希臘楽園

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【1】ウィチタ

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「すまない! イライザの病が快方してしまった。
これでお前やウィチタを公爵籍に入れる事が出来なくなってしまった・・・」

父であるワイツウェル公爵ウィリアムは、母ヴァイオレットや私に向って深々と頭を下げた。
これは私の計画が頓挫した瞬間でもあった。


「光と風のプレリュード」という乙女ゲームを知っているだろうか?
私はその世界に俗にいう異世界転生した者だ。
この世界での私の名はウィチタ。
公爵である父ウィリアムが男爵令嬢の母ヴァイオレットをお手付きして生まれたのが私だ。
いわば庶子である。

そんな母や私が正妻であるイライザ夫人が病没するに至って、母は後妻として公爵家に迎えられ、私はあの悪役令嬢ウィンディーネの義妹となる。

ゲームでは貴族学校に入学した私は庶子というハンデはあるものの、公爵令嬢という威を借り、王太子やその取巻き連中と親密な関係を築き、王太子の婚約者であった義姉のウィンディーネを断罪。
最終的に彼女になり代わって王太子妃となるのが、ゲームの一連のストーリーとなっている。

このゲームはかなりやり込んだので、取巻き連中の攻略ルート、更には最難関の王太子攻略ルートもバッチリ。この世界に転生して実践出来ると喜んでいたのだけど、ゲーム通りとはいかずイライザ夫人は存命してしまった。
これでは公爵籍に入れてもらえず、母の持つ貴族としては最低の男爵位だけ。
しかも庶子ともなれば、王太子や取巻き連中らの上級貴族に近付く事もままならない。
そもそも貴族学校に入学出来るかも怪しい状況だ。


ゲームと違って現実は甘くないわね。それが異世界であっても。



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