婚約破棄とはどういうことでしょうか。

みさき

文字の大きさ
1 / 3

1

しおりを挟む
 この状況をどのように説明したら良いのでしょう。

 皆様、初めまして。
 クルーツ国ハレスト侯爵家アリーヤ・ハレストでございます。
 本日は、国王陛下の生誕祭を記念したパーティーに出席しておりました。ところが、これはどういうことでしょう。

「聞いているのか! アリーヤ!」
「もちろんです、王太子殿下」

 私の名前を呼び捨てにした、こちらの方はクルーツ国の王太子殿下。

「貴様は、我が愛しのユリーナに嫌がらせをし、あまつさえ亡き者にしようとした! よって、アリーヤ、貴様との婚約を破棄し国外追放にする!」

 と、言っておられるのですよ。
 何を言いたいのかさっぱり分かりませんが、いくつか聞き入れられない言葉がありました。

 ちらりと、国王陛下を見れば真っ青な顔で震えていらっしゃる。大丈夫ですのに。国王陛下に罪はありません。ただ、なぜ王太子殿下がこのような勘違いを起こしたのかわかりませんね。

 というか、我が愛しのとか王太子殿下、イタイです。
 隣にいる方がユリーナ様でしょうか。可愛い顔立ちをしていらっしゃいますが殿下の陰に隠れてニヤニヤと笑っているのが見えました。

「ライナーさまぁ。わたしぃ、怖かったですぅー」

 演技するなら、もう少ししっかりしないとバレてしまいますよ。
 周りの皆様も呆れたような視線を2人に送っておられます。王太子殿下とユリーナ様はそんな、視線に気づきもせずまだ茶番を続けていらっしゃいます。

「王太子殿下、私がユリーナ様に嫌がらせをしたという証拠はどこに? 証拠が無ければ私を裁くことなど出来ません」
「はっ! 証拠などユリーナがそう言ったから、そうなのだろう。いい加減、罪を認めろ!」

 恋は盲目とは言うけれど、度がすぎれば害悪としかならないのですね。それに、ありもしない罪に証拠とも言えない証拠。本当に、これがこの国の王太子なんてため息がでます。

「ありもしない罪を認めろなんて、横暴にも程があります。まず、私はユリーナ様とは初めてお会いしました。それなのにどうやって、ユリーナ様に嫌がらせをするのでしょう?」

 杜撰すぎですね。
 わたしだったら、もう少し計画を練ってから行いますし、こんなめでたい席で行いません。
 
「っ! いいから、認めろ!」

 突然、王太子殿下に突き飛ばされてしまいました。
 逃げる暇もなく、地面に倒れ込んでしまいました。ああ、彼が来てしまう前に全て済ませたかったのに。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

公爵令嬢の苦難

桜木弥生
恋愛
公然の場で王太子ジオルドに婚約破棄をされた公爵令嬢ロベリア。 「わたくしと婚約破棄をしたら、後ろ楯が無くなる事はご承知?わたくしに言うことがあるのではございませんこと?」 (王太子の座から下ろされちゃうから、私に言ってくれれば国王陛下に私から頼んだことにするわ。そうすれば、王太子のままでいられるかも…!) 「だから!お嬢様はちゃんと言わないと周りはわからないんですって!」 緊張すると悪役っぽくなってしまう令嬢と、その令嬢を叱る侍女のお話。 そして、国王である父から叱られる王子様のお話。

【短編完結】婚約破棄ですか?了承致いたしますが確認です婚約者様

鏑木 うりこ
恋愛
 マリア・ライナス!お前との婚約を破棄して、私はこのリーリエ・カント男爵令嬢と婚約する事にする!  わたくしの婚約者であるサルトル様が声高に叫びました。  なるほど分かりましたが、状況を良く確認させていただきましょうか?   あとからやはりなかった、間違いだったなどと言われてはたまったものではございませんからね?  シーン書き2作目です(*'ω'*)楽しい。

婚約破棄?どうぞ私がいなくなったことを後悔してください

ちょこ
恋愛
「おい! この婚約は破棄だ!」 そう、私を突き付けたのはこの国の第二王子であるルーシュである。 しかし、私の婚約者であるルーシュは私の返事など聞かずにただ一方的に婚約を破棄してきたのである。 「おい! 返事をしろ! 聞こえないのか?」 聞こえないわけがない。けれども私は彼に返事をするつもりはなかった。私は何も言わない。否、何も言えないのだ。だって私は彼のことを何も知らないからだ。だから、返事ができないのである。 そんな私が反応を示さなかったのが面白くなかったのかルーシュは私を睨みつけて、さらに罵声を浴びせてきた。 「返事をしろと言っている! 聞こえているんだろ! おい!」 そんな暴言を吐いてくるルーシュに私は何も言えずにいた。けれども彼が次に発した言葉により私は反射的に彼に言い返してしまうのである。 「聞こえているわ! その反応を見てルーシュは驚いたのかキョトンとした顔をしていた。しかしすぐにまた私に暴言を吐いてきた。 「聞こえているじゃないか! ならなぜ、返事をしなかった?」 「返事をしたかったわ! けれど、貴方の勢いに圧倒されてできなかっただけよ!」 そんな私の言葉にルーシュは益々驚いてしまったようだった。そのルーシュの顔を見て私は少し笑ってしまった。 「何笑っているんだ? 俺を馬鹿にしたつもりか!?」 そんなつもりは無いと私は彼に否定するが彼は聞く耳を持たないといった様子だった。そんな彼に対して私はある質問をした。それは今私が最も知りたい質問である。 「それより、この婚約破棄の理由は何かしら? 私は貴方に何かした覚えはないのだけれども」 そんな私の疑問にルーシュはさも当然といった様子で答えたのである。 「そんな理由など決まっているだろ! お前が俺よりも優秀な人材を捕まえたからに決まっている!」 そう言って彼は指をさした。その指が指し示している先には私がいた。一瞬なんのことか分からなかったが、少ししてからそのことに気づいた私はまさかと思った。 「そんな理由で!?だってその優秀な人材と言うのはまさか、彼なの!?」 そう言って私が指を指した方向にはあの眼鏡を掛けた彼がいた。すると彼は頭を下げてこう言ったのだ。 「はい、お嬢様に拾っていただきたくこちらに来ました」 彼の名前はリビン・ボタスキー。ボタスキー伯爵家の次男である。そして何を隠そう、私が暇つぶしでやっていたゲームの攻略対象であった人物だ。 「あら? そんな理由で私を追い出したと言うの? 随分と小さい器をお持ちなのね」 「なんだと!? お前は自分の立場が分かっていないのか?」 彼は私が何を言っているのか理解出来ていない様子だった。まぁ、それも仕方がないだろう。

【本編完結】真実の愛を見つけた? では、婚約を破棄させていただきます

ハリネズミ
恋愛
「王妃は国の母です。私情に流されず、民を導かねばなりません」 「決して感情を表に出してはいけません。常に冷静で、威厳を保つのです」  シャーロット公爵家の令嬢カトリーヌは、 王太子アイクの婚約者として、幼少期から厳しい王妃教育を受けてきた。 全ては幸せな未来と、民の為―――そう自分に言い聞かせて、縛られた生活にも耐えてきた。  しかし、ある夜、アイクの突然の要求で全てが崩壊する。彼は、平民出身のメイドマーサであるを正妃にしたいと言い放った。王太子の身勝手な要求にカトリーヌは絶句する。  アイクも、マーサも、カトリーヌですらまだ知らない。この婚約の破談が、後に国を揺るがすことも、王太子がこれからどんな悲惨な運命なを辿るのかも―――

婚約破棄されてしまった件ですが……

星天
恋愛
アリア・エルドラドは日々、王家に嫁ぐため、教育を受けていたが、婚約破棄を言い渡されてしまう。 はたして、彼女の運命とは……

婚約破棄されましたが、私はあなたの婚約者じゃありませんよ?

柴野
恋愛
「シャルロット・アンディース公爵令嬢!!! 今ここでお前との婚約を破棄するッ!」  ある日のこと、学園の新入生歓迎パーティーで婚約破棄を突きつけられた公爵令嬢シャルロット。でも……。 「私はあなたの婚約者じゃありませんよ? どなたかとお間違いなのでは? ――そこにいる女性があなたの婚約者だと思うのですが」 「え!?」 ※ざまぁ100%です。 ※小説家になろう、カクヨムに重複投稿しています。

婚約破棄と言いますが、好意が無いことを横においても、婚約できるような関係ではないのですが?

迷い人
恋愛
婚約破棄を宣言した次期公爵スタンリー・グルーバーは、恥をかいて引きこもり、当主候補から抹消された。 私、悪くありませんよね?

「婚約破棄してやった!」と元婚約者が友人に自慢していましたが、最愛の人と結婚するので、今さら婚約破棄を解消してほしいなんてもう遅い

時雨
恋愛
とある伯爵家の長女、シーア・ルフェーブルは、元婚約者のリュカが「シーア嬢を婚約破棄にしてやった!」と友人に自慢げに話しているのを聞いてしまう。しかし、実際のところ、我儘だし気に入らないことがあればすぐに手が出る婚約者にシーアが愛想を尽かして、婚約破棄をするよう仕向けたのだった。 その後リュカは自分の我儘さと傲慢さに首を締められ、婚約破棄を解消して欲しいと迫ってきたが、シーアは本当に自分を愛してくれる人を見つけ、結婚していた。 だから今更もう一度婚約して欲しいなんて、もう遅いのですっ!

処理中です...