29 / 140
From The Past To The Future
兄の心
しおりを挟む
「皇太子と婚約だと!!」
一足遅かったか……
力なく玉座に倒れこむ。
「わかった。下がれ…」
従者を追い払うと大きくため息をつく。
祖母が亡くなる前日、私は祖母から一通の手紙を受け取った。
そこには妹のキャサリンが聖女であり魅了の力を持っていること…その力を祖父や父に知られるとキャサリンは娼婦のように扱われてしまう。今は魅了の力をおさえる魔道具で力を抑えているが、魔道具は必ず壊れる。
だからその前にキャサリンをティセ王国から出すこと…そして父が亡くなり私が王を継いだなら、必ずキャサリンとその子供達を保護するよう書いてあった。
私は祖父と父親が嫌いだった。
彼等は自分達の欲望を満たす為、国税を湯水のように使い、それでも足りないと言っては癒しの力を持つ祖母の血を売る。
祖母の身体はいつも傷まみれだった。
血を抜かれることで貧血になり、度重なる傷は膿、ケロイドをつくる。
美しかったかつての祖母の面影はない。
祖父が亡くなり父が王になったとたん父は国民を奴隷として他国に売り始めた。
そして祖母の血だけではなく身体まで切り刻んで売りさばくようになった。
私には父を止められる力はなかった。それは母も同じだった。
祖母が亡くなると、祖母の遺体まで手を出したのだ。
祖母のお墓には祖母の指輪しか納められることはなかった。
何故なら髪の毛一本すら残さずに祖母の遺体を売ってしまったからだ。
私が結婚すると父は必ず女の子を作るよう言った。
恐ろしくなった。父にとって孫ですら自分の欲を満たすものだったのだ。
だから息子が生まれた時、心から安堵したものだ。
さもないと……
幼かった頃のキャサリンの姿がフラッシュバックする。
聖女の力の有無を調べるため、傷つけられ血を抜かれ虐待されてきたキャサリン…
祖母の機転で魔道具で聖力を抑えていたことで、祖父も父もキャサリンに興味をしめさなくなった。
キャサリンが類に見ない美女へと育つと父はキャサリンを高値で売れる相手を探した。
キャサリンは結局帝国の公爵に売られるよう嫁いでいった。
ほっとした。
たとえ売られるように嫁いだとしても父に聖女として搾取されるよりましだと思ったからだ。
キャサリンに娘が生まれるとどうにかしてキャサリンと連絡をとろうとした。
里帰りを促したり、父の葬儀への参加を要請したり、その度にキャサリンからは断られる。
母が逝く前、祖母と同じように何度も私に頼んだのだ。キャサリンとキャサリンの娘を守るようにと…
結局、母の葬儀にさえキャサリンは娘の病気で参列することはなかった。
帝国側に知られてはいけない。
キャサリンが聖女だと言うことを……
そしてキャサリンの娘が聖女かも知れないと言うことを…
「あなた…どうしよう兄が帝国に帝国に来るって…」
皇太子とフレイヤの婚約の儀にまさか直々にやってくるとは……
「ここに泊まりたいって…どうしよう…フレイヤか聖女だと知られたら…」
ティセ王国の王として初めてキャサリンに手紙を書いた。
ティセ王国として王位継承権を持つ姪の門出を祝いたいと……
王印が押してあるいじょう、キャサリンは断れない。
この目で確かめたかった。
キャサリンが幸せなのか?
キャサリンの娘が聖女か否かを……
一足遅かったか……
力なく玉座に倒れこむ。
「わかった。下がれ…」
従者を追い払うと大きくため息をつく。
祖母が亡くなる前日、私は祖母から一通の手紙を受け取った。
そこには妹のキャサリンが聖女であり魅了の力を持っていること…その力を祖父や父に知られるとキャサリンは娼婦のように扱われてしまう。今は魅了の力をおさえる魔道具で力を抑えているが、魔道具は必ず壊れる。
だからその前にキャサリンをティセ王国から出すこと…そして父が亡くなり私が王を継いだなら、必ずキャサリンとその子供達を保護するよう書いてあった。
私は祖父と父親が嫌いだった。
彼等は自分達の欲望を満たす為、国税を湯水のように使い、それでも足りないと言っては癒しの力を持つ祖母の血を売る。
祖母の身体はいつも傷まみれだった。
血を抜かれることで貧血になり、度重なる傷は膿、ケロイドをつくる。
美しかったかつての祖母の面影はない。
祖父が亡くなり父が王になったとたん父は国民を奴隷として他国に売り始めた。
そして祖母の血だけではなく身体まで切り刻んで売りさばくようになった。
私には父を止められる力はなかった。それは母も同じだった。
祖母が亡くなると、祖母の遺体まで手を出したのだ。
祖母のお墓には祖母の指輪しか納められることはなかった。
何故なら髪の毛一本すら残さずに祖母の遺体を売ってしまったからだ。
私が結婚すると父は必ず女の子を作るよう言った。
恐ろしくなった。父にとって孫ですら自分の欲を満たすものだったのだ。
だから息子が生まれた時、心から安堵したものだ。
さもないと……
幼かった頃のキャサリンの姿がフラッシュバックする。
聖女の力の有無を調べるため、傷つけられ血を抜かれ虐待されてきたキャサリン…
祖母の機転で魔道具で聖力を抑えていたことで、祖父も父もキャサリンに興味をしめさなくなった。
キャサリンが類に見ない美女へと育つと父はキャサリンを高値で売れる相手を探した。
キャサリンは結局帝国の公爵に売られるよう嫁いでいった。
ほっとした。
たとえ売られるように嫁いだとしても父に聖女として搾取されるよりましだと思ったからだ。
キャサリンに娘が生まれるとどうにかしてキャサリンと連絡をとろうとした。
里帰りを促したり、父の葬儀への参加を要請したり、その度にキャサリンからは断られる。
母が逝く前、祖母と同じように何度も私に頼んだのだ。キャサリンとキャサリンの娘を守るようにと…
結局、母の葬儀にさえキャサリンは娘の病気で参列することはなかった。
帝国側に知られてはいけない。
キャサリンが聖女だと言うことを……
そしてキャサリンの娘が聖女かも知れないと言うことを…
「あなた…どうしよう兄が帝国に帝国に来るって…」
皇太子とフレイヤの婚約の儀にまさか直々にやってくるとは……
「ここに泊まりたいって…どうしよう…フレイヤか聖女だと知られたら…」
ティセ王国の王として初めてキャサリンに手紙を書いた。
ティセ王国として王位継承権を持つ姪の門出を祝いたいと……
王印が押してあるいじょう、キャサリンは断れない。
この目で確かめたかった。
キャサリンが幸せなのか?
キャサリンの娘が聖女か否かを……
21
あなたにおすすめの小説
とっていただく責任などありません
まめきち
恋愛
騎士団で働くヘイゼルは魔物の討伐の際に、
団長のセルフイスを庇い、魔法陣を踏んでしまう。
この魔法陣は男性が踏むと女性に転換するもので、女性のヘイゼルにはほとんど影響のない物だった。だか国からは保証金が出たので、騎士を辞め、念願の田舎暮らしをしようとしたが!?
ヘイゼルの事をずっと男性だと思っていたセルフイスは自分のせいでヘイゼルが職を失っただと思って来まい。
責任を取らなければとセルフイスから、
追いかけられる羽目に。
【完結】身代わり皇妃は処刑を逃れたい
マロン株式
恋愛
「おまえは前提条件が悪すぎる。皇妃になる前に、離縁してくれ。」
新婚初夜に皇太子に告げられた言葉。
1度目の人生で聖女を害した罪により皇妃となった妹が処刑された。
2度目の人生は妹の代わりに私が皇妃候補として王宮へ行く事になった。
そんな中での離縁の申し出に喜ぶテリアだったがー…
別サイトにて、コミックアラカルト漫画原作大賞最終候補28作品ノミネート
【完結】一番腹黒いのはだあれ?
やまぐちこはる
恋愛
■□■
貧しいコイント子爵家のソンドールは、貴族学院には進学せず、騎士学校に通って若くして正騎士となった有望株である。
三歳でコイント家に養子に来たソンドールの生家はパートルム公爵家。
しかし、関わりを持たずに生きてきたため、自分が公爵家生まれだったことなどすっかり忘れていた。
ある日、実の父がソンドールに会いに来て、自分の出自を改めて知り、勝手なことを言う実父に憤りながらも、生家の騒動に巻き込まれていく。
酒の席での戯言ですのよ。
ぽんぽこ狸
恋愛
成人前の令嬢であるリディアは、婚約者であるオーウェンの部屋から聞こえてくる自分の悪口にただ耳を澄ませていた。
何度もやめてほしいと言っていて、両親にも訴えているのに彼らは総じて酒の席での戯言だから流せばいいと口にする。
そんな彼らに、リディアは成人を迎えた日の晩餐会で、仕返しをするのだった。
婚約者に好きな人がいると言われ、スパダリ幼馴染にのりかえることにした
みみぢあん
恋愛
子爵家令嬢のアンリエッタは、婚約者のエミールに『好きな人がいる』と告白された。 アンリエッタが婚約者エミールに抗議すると… アンリエッタの幼馴染みバラスター公爵家のイザークとの関係を疑われ、逆に責められる。 疑いをはらそうと説明しても、信じようとしない婚約者に怒りを感じ、『幼馴染みのイザークが婚約者なら良かったのに』と、口をすべらせてしまう。 そこからさらにこじれ… アンリエッタと婚約者の問題は、幼馴染みのイザークまで巻き込むさわぎとなり――――――
🌸お話につごうの良い、ゆるゆる設定です。どうかご容赦を(・´з`・)
私と義弟の安全は確保出来たので、ゆっくり恋人を探そうと思います
織り子
恋愛
18歳で処刑された大公家の令嬢、セレノア・グレイス。
目を覚ますと――あの日の6年前に戻っていた。
まだ無邪気な弟ルシアン、笑う両親。
再び訪れる“反逆の運命”を知るのは、彼女だけ。
――大公家に産まれた時点で、自由な恋愛は諦めていた。だが、本当は他の令嬢達の話を聞くたびにうらやましかった。人生1度きり。もう少し花のある人生を送りたかった。一度でいいから、恋愛をしてみたい。
限られた6年の中で、セレノアは動き出す。
愛する家族を守るため、未来を変えるために。
そして本当の願い(恋愛)を叶えるために。
悪女として処刑されたはずが、処刑前に戻っていたので処刑を回避するために頑張ります!
ゆずこしょう
恋愛
「フランチェスカ。お前を処刑する。精々あの世で悔いるが良い。」
特に何かした記憶は無いのにいつの間にか悪女としてのレッテルを貼られ処刑されたフランチェスカ・アマレッティ侯爵令嬢(18)
最後に見た光景は自分の婚約者であったはずのオルテンシア・パネットーネ王太子(23)と親友だったはずのカルミア・パンナコッタ(19)が寄り添っている姿だった。
そしてカルミアの口が動く。
「サヨナラ。かわいそうなフランチェスカ。」
オルテンシア王太子に見えないように笑った顔はまさしく悪女のようだった。
「生まれ変わるなら、自由気ままな猫になりたいわ。」
この物語は猫になりたいと願ったフランチェスカが本当に猫になって戻ってきてしまった物語である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる