好感度0になるまで終われません。

チョコパイ

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試練

偏愛

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「ディア、私…
間違ったかも…」

娘は皇太子推しだったから他のルートで遊ぶことはなかった。

でも娘の友人達が遊びに来た時、話していたのを聞いたことがある。

乙女ゲーム“優しい風が吹いたら”はヒロインが攻略対象と様々な困難を乗り越え結ばれるゲームだ。

その中の一つ、隣国の王子ルート。

隣国の王子が留学先の帝国の学園でヒロインと出会い恋におちる。

しかし、王子には親が決めた婚約者が王国にいる。
二人は互いの思いを知りながらもあきらめるしかなかった。

でも満月の夜ヒロインは王子が女体化するのを偶然見てしまう。

王子の呪いを解くためヒロインはクラスメイトの皇太子達に相談する。

呪いの謎を解きながら実は呪いは王子の婚約者である公女にかけられたものだとわかる。

あっ…バラバラだった糸が一つになる。

内容はかなり違っているが今の現状と隣国の王子ルートが似ていることに気がついたのだ。

「レイヤ…どういう意味?」

娘の友人は確か……

私は呼び鈴をならすと
侍女におじ様を連れてくるようお願いする。

「いい。急いで一人で来るように伝えてちょうだい。
殿下が魔法師の派遣で問題がおきたから…
そう伝えてちょうだい。」

侍女は頷くと呪文を唱えるとその場から消え去る。

ディアが私につけてくれた魔法を使うことが出来る優秀な侍女だ。

「ディアー、カリスを本当の姿に戻して...」

私は膝の上でくつろいでいるディアーに声をかける。

キュウッキュキュ…

ディアーが首をかしげる。

「カリスの魔法を解いてあげて欲しいの…」

ディアーは私を見つめると

「キュウッ~」と、

一声鳴くとパタパタとカリスの元へ飛んでいく。

ディアは何も言わず私を見つめている。

「ディア、カリスは……」

!!!

ディアが信じられないと首をよこにふる。

ディアーが横たわるカリスの周りを飛び回る。

多分、私の考えがあたっていたら…

魔方陣が浮かぶとおじ様と侍女が部屋にあらわれる。

「殿下、フレイヤ…これはいったい……」

おじ様はカリスの変化に言葉を失う。

隣国の王子ルート。
王子の呪いを解くと王子は……

「カリス…本当にあれがカリスなのか?」

おじ様はその場に座り込む。

ディアーがカリスを光の渦へとのみこんでいく。

“優しい風が吹いたら”の隣国の王子ルートは異質だった。

王子の呪いは本当の性別を偽るものだった。

公女はその事実を病床の母親から教えられる。
自分の出生の秘密と一緒に…

『跡継ぎは男児ではなくてはならない。』

そのくだらない法令のせいで生まれてすぐの娘に術をかけたのだ。
男にするための……

病弱な王にとって最初で最後の子。
血筋を残し、熾烈な後継者争いを避けるための手段だった。

そして公女も後継者争いで苦しんだ公爵が兄弟間の争いを避けるために生まれたばかりの男児に術をかけ女児として育てあげた。

王も公爵も愛する我が子を守るための手段だった。

そしてヒロインが呪いと思ったものは実は公女が与えた祝福だったのだ。

帝国にいる間ぐらいは本来の自分になれるようにと……

術が解けて王子が王女になってもヒロインと王女(王子)は愛を育み結ばれる。

乙女ゲームではあり得ないまさかのユリルートに娘は興奮していたっけ…

「お父様…それに……」

カリスが美しい女性へと変わる。

どことなく母に似ているカリスをおじ様は真っ青な顔で見つめていた。
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