あだ花姫は18禁ジャンルからジャンル替えしたいみたいです。

チョコパイ

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 Don't look at me

兄の決断

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「兄上がたずねてくるなんて珍しいですね。」

チャールズの執務室に入ったのは初めてだ。

「クリスティーナに告白した。」

私の言葉にチャールズは固まる。

「兄上…それは?」

「クリスティーナに好きだと言ったんだ。

煮えきらないチャールズと別れて私と一緒になろうと告げたんだ。」

ドラゴニアで会った時から感じていた小さな違和感…

チャールズはお酒には酔わない。
それにあの夜…

帝国に戻ってから秘密裏にチャールズの事を調べた。

私の知っているチャールズなら、二ヶ月もクリスティーナをほっとくわけがない。

それに…チャールズは赤ワインは飲まない。
飲むとしたら白ワインかロゼだ。

あの夜、酔って私に会いに来たチャールズに違和感があった。

他国に来ていて酒に酔うなど皇族としてあるまじき行為だ。

それもあのような場面で、馬鹿真面目なチャールズがそんな事をするわけがない。

だからあえて赤ワインを出したのだ。

話し方も眼差しもチャールズそのものなのに…

どうしても拭えないチャールズへの疑惑。

前、セラフィム様が言った言葉を思い出した。

『正義とは曖昧なんだ。他人から見たら明らかに悪だとしても、本人にしてみたらそれは正義かも知れない。

私達は悪意に反応できても純粋な願いには反応できない。』

ルシファーの願いが前世と同じクリスティーナを手に入れることならば…

クリスティーナを手に入れる一番の方法。

それは恋仲であるチャールズになることだ。

嫌な考えが頭をよぎる。

『純粋な願いには反応できない。』

セラフィム様を含め天人の目を掻い潜ることが出来たとしたら…

クリスティーナへの想いがルシファーにとって純粋な欲だとしたら…

リオンの騎士団精神を口ずさむ。

“躊躇うな
迷うな
信じた道を突き進め”

セラフィム様から借りた鎮魂刃をかまえる。

「ゾクイ」

鎮魂刃を右から左へと振り下ろす。

リオン公爵家で共に鍛練をつんだチャールズならこの意味がわかるはずだ。

リオン騎士団は獣人族の身体能力を活かし帝国の軍事部門を担っている。

軍事部門には敵地への潜入活動や隠密活動が
あり、時には敵として対峙する時がある。

「いいか?仲間討ちを防ぐためにも必ず
『ゾクイ』と言った後に右から左へと刀を振り下ろすのだ。」

団長に何度も何度も木刀を振り下ろされた。

だからリオン騎士団の団員は皆、避け方を知っている。

チャールズも同じ訓練を受けている。

「ウギャア……」

チャールズの肩から左脇腹にかけて刃が切り裂く。

赤い血が吹き出るのと同時に黒い靄がチャールズの体から抜け出る。

セラフィム様からもらった魂の石を靄に投げつける。

黒い靄が魂の石へと吸い込まれる。

「母上、お願いします。」

神鳥に変化していたウリエルがチャールズの傷を癒す。

「残念だけど私にはここまでしか出来ないわ…
ラファエルなら癒せたのでしょうけど…」

チャールズを抱きかかえると大声で叫ぶ。

「チャールズ…
目をさませ!!
クリスティーナを一人にするな……

頼むこれ以上…クリスティーナを苦しめるな……」

冷たくなったチャールズの顔に私の涙がポトポトと落ちた。
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