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Don't look at me
吐露
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「殿下の傷跡は右から左へと刀を振り下ろされたものでした。
リオン騎士団で訓練した者ならばその意味をおわかりではありませんか?
陛下、貴方もかつてはリオン騎士団で剣を学んだのですから…」
元夫の言葉に陛下は目を閉じ大きく息をはくと
玉座からおりて私達の前に立つ。
「オースティン…
チャールズを救ってくれて有り難う。
それと……
今まで色々とすまなかった。」
それは陛下としてではなく一人の父親としての言葉だと思った。
「私は…許したくありません。」
オースティンが声を震わせる。
「貴方は母を……母の愛を利用した。
自分の愛を優先するために……母の想いを…
知っていますか?
母が何て言われていたか?」
こらえきれず泣き出すオースティンの背中を優しくさする。
「母は何度もお願いしたはずです。
離縁して欲しいと…
それなのに…貴方は…
貴方は皇后の仕事をさせるためだけに…母を手離さなかった。
母が上皇になびくのも仕方ないと私は幼心に思っていましたよ。
少なくとも上皇は母と私の誕生日は祝ってくれましたから…
でも貴方は…
『帝国のゴミ』には目も向けなかった。
貴方は母をもっと早く手離せば良かったんだ。
側妃としてではなく文官として雇えば良かったんだ。
チャールズの事だって、彼が赤ワインを飲めないことも、バケットよりライ麦パンを好むことを知っていたら…もっと早く助けてあげられたのに…」
オースティンがむせび泣く。
「箝口令はひいてあります。
殿下は急病で倒れたことにして暫くの間はオースティン、君が第二皇子として公務を果たすべきだ。」
元夫はオースティンを見つめる。
「オースティン…
もう偽らなくていいんだ。セラフィム様から聞いたんだ。
瞳の色をごまかすために瞳にガラスをいれていると…」
オースティンが顔を背ける。
「瞳にガラスを……」
陛下が元夫につめよる。
「オースティン、瞳の色が戻ったのだろう?
金色に……」
皇族の証である金色の瞳…
「嫌です。私はリオンでいたいのです。
チャールズが目覚めるまで公務は手伝います。
だから…瞳の色はこのままでいたいのです。」
「殿下が何故……
それにお兄様が何故?」
城から戻ってきた父は執務室に私を呼ぶと城であったことを教えてくれた。
「殿下……」
今思えば殿下らしくなかった。
殿下は私の部屋に、それもベッドに潜りこむわけがない。
結婚するまでは最後までしないと言ったのも殿下だ。
私は殿下の何を見てきたのだろう……
馬鹿みたいに鳥の交尾を調べたり、連絡してこない殿下に苛立ったり……
私は馬鹿だ。
「お前に会いに来なかったのは殿下がルシファーに抗っていたからだとウリエルが言っていた。
だから…後は殿下が目覚めるのを待とう。
私はこれからセラフィム様達とルシファーについて話し合ってこないといけない。
いいね。
自分を責めるんじゃないぞ。
それと陛下からの言伝てだ。
『天窓を少し開けておくからいつでも息子に会いに来てくれ…』
だそうだ。」
父の言葉と共に私は八咫烏に変化して殿下の元へと向かった。
リオン騎士団で訓練した者ならばその意味をおわかりではありませんか?
陛下、貴方もかつてはリオン騎士団で剣を学んだのですから…」
元夫の言葉に陛下は目を閉じ大きく息をはくと
玉座からおりて私達の前に立つ。
「オースティン…
チャールズを救ってくれて有り難う。
それと……
今まで色々とすまなかった。」
それは陛下としてではなく一人の父親としての言葉だと思った。
「私は…許したくありません。」
オースティンが声を震わせる。
「貴方は母を……母の愛を利用した。
自分の愛を優先するために……母の想いを…
知っていますか?
母が何て言われていたか?」
こらえきれず泣き出すオースティンの背中を優しくさする。
「母は何度もお願いしたはずです。
離縁して欲しいと…
それなのに…貴方は…
貴方は皇后の仕事をさせるためだけに…母を手離さなかった。
母が上皇になびくのも仕方ないと私は幼心に思っていましたよ。
少なくとも上皇は母と私の誕生日は祝ってくれましたから…
でも貴方は…
『帝国のゴミ』には目も向けなかった。
貴方は母をもっと早く手離せば良かったんだ。
側妃としてではなく文官として雇えば良かったんだ。
チャールズの事だって、彼が赤ワインを飲めないことも、バケットよりライ麦パンを好むことを知っていたら…もっと早く助けてあげられたのに…」
オースティンがむせび泣く。
「箝口令はひいてあります。
殿下は急病で倒れたことにして暫くの間はオースティン、君が第二皇子として公務を果たすべきだ。」
元夫はオースティンを見つめる。
「オースティン…
もう偽らなくていいんだ。セラフィム様から聞いたんだ。
瞳の色をごまかすために瞳にガラスをいれていると…」
オースティンが顔を背ける。
「瞳にガラスを……」
陛下が元夫につめよる。
「オースティン、瞳の色が戻ったのだろう?
金色に……」
皇族の証である金色の瞳…
「嫌です。私はリオンでいたいのです。
チャールズが目覚めるまで公務は手伝います。
だから…瞳の色はこのままでいたいのです。」
「殿下が何故……
それにお兄様が何故?」
城から戻ってきた父は執務室に私を呼ぶと城であったことを教えてくれた。
「殿下……」
今思えば殿下らしくなかった。
殿下は私の部屋に、それもベッドに潜りこむわけがない。
結婚するまでは最後までしないと言ったのも殿下だ。
私は殿下の何を見てきたのだろう……
馬鹿みたいに鳥の交尾を調べたり、連絡してこない殿下に苛立ったり……
私は馬鹿だ。
「お前に会いに来なかったのは殿下がルシファーに抗っていたからだとウリエルが言っていた。
だから…後は殿下が目覚めるのを待とう。
私はこれからセラフィム様達とルシファーについて話し合ってこないといけない。
いいね。
自分を責めるんじゃないぞ。
それと陛下からの言伝てだ。
『天窓を少し開けておくからいつでも息子に会いに来てくれ…』
だそうだ。」
父の言葉と共に私は八咫烏に変化して殿下の元へと向かった。
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