暴力みたいな恋でした(完結)

チョコパイ

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追想~砂上の城2~

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その日、ライルは城から帰宅した父のいる執務室を訪ねた。
「どうしたライル、お前がここに来るなんて珍しいなあ。なんだ小遣いでも欲しいのか?」
呑気に笑う父に
「僕、見ちゃったんだ。兄貴とテオグランが書庫でキスしてるところを…」
ライルの言葉に父は黙り込んだ。
そしてライルに命じたのだ
「誰にもこの事は話すな」と。

この国では同性愛は禁忌とされ見つかれば処罰される。
ライルから話を聞いた時、父親はライルが嘘をついているものだと思っていた。
しかし見てしまったのだ。
ライルの言っていた事が嘘なんかではなかった事を。

その日、仕事が早く終わり父親は家路へと急いだ。
半信半疑だった。出来の良い自慢の息子がまさか禁忌をおかしているなんてあり得ないからだ。
と同時にライルのあの悲痛な訴えを嘘だと笑い飛ばせない一抹の不安がある。
父親は誰もいない書庫にはいり息を潜める。
数十分程してから誰かが書庫へと入ってくる。
「愛している」
それは紛れもなく息子シルヴィの声だ。
「僕も愛している」
テオグランがそう応えると
リップ音が静かな書庫に響く。

その日の夜のうち
両家は大きな決断をくだした。
シルヴィとアリアの婚約を白紙に戻し、アリアを後継としてライルを入婿にする事。
シルヴィは後継として近衛騎士団長になる修行とし辺境へ向かわせ、テオグランは亡くなった両親の家紋を継ぐため子爵家に戻す。
何もかも上手くいくはずだった。
アリアさえ騒ぎを起こさなければ。

「嫌よ。何で婚約を解消しなければいけないのよ。」
金切り声をあげ、部屋中の物を壊しまくる。
望めば何でも手に入れてきたアリアにとって、婚約解消は受け入れられるものではなかった。
そのうえ大好きなテオグランが子爵家へと帰ってしまう。
大声をあげ泣き叫ぶ。
いつもならすぐに駆けつけてきてくれるはずのテオグランも、なんだかんだ言ったって、最後は言うことを聞いてくれる両親もこの事に関しては話しすら聞いてはくれなかった。

アリアの完璧だった世界が音もなく壊れていく。
絵本の中の王子様のような婚約者も、何でも望みを叶えてくれる優しい兄も失ったのだ。

アリアは少しずつ狂っていった。
シルヴィに執着し彼を追い求める。
運が悪い事にシルヴィがまだ幼い皇太子の目にとまり、剣の指南役に抜擢されるとシルヴィの執着はより強くなった。
何よりテオグランを子爵家に戻した事で、シルヴィとテオグランは隠れた会う事がふえた。

そんな中、アリアは見てしまうだ。
2人が愛しあっている姿を







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