暴力みたいな恋でした(完結)

チョコパイ

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追想~砂上の城3~

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「もう、私と君の婚約は破棄されている。何度こられても迷惑だ」シルヴィの冷たい視線と言葉に傷つきながらもアリアは微笑む。
「でも、私はシルヴィ様を愛しているのです」
うっとりとシルヴィを見つめ頬を赤らめる姿にシルヴィは大きくため息をつく。
「もう、こちらには来ないでくれ。」
城にあるシルヴィの執務室から追い出される。
そのまま帰る気もせずに執務室の前にある観葉植物の鉢に身を隠すように座り込む。
「ここで待っていればシルヴィ様、喜んでくれるかしら?」
恋に狂った今のアリアには、自分の行動がどれだけ愚かで迷惑なものかわかってはいなかった。
しばらくすると見覚えのある顔がシルヴィの執務室へと訪れた。数か月前、子爵家へと戻ったテオグランだ。
シルヴィはアリアには見せたことのない笑顔でテオグランを部屋へと招き入れた。

嫌な予感がアリアを襲う。
少しだけ、ほんの少しだけ見るだけよ。
心臓の音が自棄にうるさい。
執務室のドアをそっとあける。

揺れる愛しいシルヴィ様の銀髪と、押し殺した喘ぎ声。
15歳になり学園に通うようになったアリアはそれが何をしているのか理解した。
友人と話す秘め事、恋に恋する乙女達は秘密の本を回し読みする。
心は痛くて悲しくて叫んでいるのに、何故か目が離せないのは
そこにいる2人をよく知っているからだ。

シルヴィが振り向くのと同時にアリアはドアをしめ、家路へとむかう。
あんな姿を見たのに嫌いになれないなんて、自分の愚かさと浅ましさに思わず苦笑う。
2人はいつから愛しあっていたのだろうか?
2人して私を嘲笑っていたのかしら?
部屋に戻りベッドに倒れ込む。

愛しているのに
愛しているのに
愛しているのに

何故私じゃないの?
何故テオグランなの?
何故男なんかがいいの?

私を見て
私を抱いて
私を愛して

苦しい
悔しい
憎い
恋しい

会いたい
会いたくない
会えない

ぐちゃぐちゃな思考が
ぐるぐる回転しては私に囁く。
壊してしまえばいい。
私のものにならないのならば
壊してしまえばいいと……

その夜、私は1通の手紙をしたためた。
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