48 / 89
第2章 異世界と交易しよう
第48話 中間テストを受けよう
しおりを挟む
中間テスト期間前の最後の授業日である18日の月曜日、僕と檜山たちは先生に呼び出されて改めて注意を受けた。流石に中間テストを目の前にして謹慎処分などは下せなかったようだ。
それでも親に連絡は行くそうで、僕は憂鬱な気分になった。これまでケンカして家族に連絡が行ったようなことはない。そもそも殴り合いのケンカのようなものをやった記憶が無い。家族は不信感を抱くだろう。
対して檜山たちはケロリとしている。親に連絡が行くことくらい大したことではないようだ。似たようなことは過去に何度もあったのかも知れない。
補習を受けて家に帰り、母さんが帰ってくると開口一番に怒られた。
「和也! クラスメイトを殴ったって本当かい!?」
「先に殴られたから仕方なく、だよ。でもごめん」
「相手に怪我とかさせたんじゃないだろうね!?」
「そりゃ怪我はさせただろうけど、養護教師の人が回復魔法使えるから……」
「そう言う問題じゃ無いでしょ! 一体どうしちゃったの、和也。ダンジョンから帰ってきてから何か変よ。急に体を鍛え出すし、今度は喧嘩まで」
「体を鍛えるのは悪いことじゃないでしょ。ダンジョンで死にかかって意識が変わったんだ。自分が強くならなきゃいけないって」
「喧嘩するのは強さとは言わないの!」
「でも無抵抗で殴られ続けるのは弱さだよ。お母さん、僕はね、あいつらに日常的に暴力を受けていたんだ。それをずっと我慢してた。ううん、怖くて抵抗できなかったんだ。橿原ダンジョンにだってあいつらに呼び出されて連れて行かれた。僕が抵抗しなきゃあいつらはまた僕を橿原ダンジョンに連れて行こうとするよ」
僕の告白を聞いた母さんは顔が真っ青になっていた。
「それは本当なんだね? なんでもっと早く言わなかったの?」
「言ったところでどうにかなるとは思わなかったから。分かるだろ。大人から注意をされたところであいつらはもっと狡猾になるだけだよ。僕自身があいつらに噛みついて、こいつには手出しできないって思わせる必要があったんだよ」
「この馬鹿! それでも親には相談しなさい! なんなら今からでも相手のお家に乗り込んで」
「駄目だよ。証拠が無いもの。橿原ダンジョンの件だって向こうは否定してる。水掛け論になるだけだよ。僕は今回の結果に満足してる。これでももしあいつらが暴力を止めないなら、また抵抗する。謹慎とか、停学になるかも知れないけど、僕にとっては命が掛かってるんだ」
「分かった。それが本当ならお母さんは和也の味方だよ。相手やその家族、学校とだって戦うからね」
「ありがとう。お母さん」
なんとか2度目の平手は避けられたようだ。
そして中間テストが始まった。
中間テスト中は毎日午前だけの登校で、1日3教科ずつ、4日間で行われる。つまり金曜日までだ。流石にテスト期間中は先生方も忙しく補習は入らない。
さっぱり分からない問題に悪戦苦闘しつつ、中間テスト期間を終えた。
それでも親に連絡は行くそうで、僕は憂鬱な気分になった。これまでケンカして家族に連絡が行ったようなことはない。そもそも殴り合いのケンカのようなものをやった記憶が無い。家族は不信感を抱くだろう。
対して檜山たちはケロリとしている。親に連絡が行くことくらい大したことではないようだ。似たようなことは過去に何度もあったのかも知れない。
補習を受けて家に帰り、母さんが帰ってくると開口一番に怒られた。
「和也! クラスメイトを殴ったって本当かい!?」
「先に殴られたから仕方なく、だよ。でもごめん」
「相手に怪我とかさせたんじゃないだろうね!?」
「そりゃ怪我はさせただろうけど、養護教師の人が回復魔法使えるから……」
「そう言う問題じゃ無いでしょ! 一体どうしちゃったの、和也。ダンジョンから帰ってきてから何か変よ。急に体を鍛え出すし、今度は喧嘩まで」
「体を鍛えるのは悪いことじゃないでしょ。ダンジョンで死にかかって意識が変わったんだ。自分が強くならなきゃいけないって」
「喧嘩するのは強さとは言わないの!」
「でも無抵抗で殴られ続けるのは弱さだよ。お母さん、僕はね、あいつらに日常的に暴力を受けていたんだ。それをずっと我慢してた。ううん、怖くて抵抗できなかったんだ。橿原ダンジョンにだってあいつらに呼び出されて連れて行かれた。僕が抵抗しなきゃあいつらはまた僕を橿原ダンジョンに連れて行こうとするよ」
僕の告白を聞いた母さんは顔が真っ青になっていた。
「それは本当なんだね? なんでもっと早く言わなかったの?」
「言ったところでどうにかなるとは思わなかったから。分かるだろ。大人から注意をされたところであいつらはもっと狡猾になるだけだよ。僕自身があいつらに噛みついて、こいつには手出しできないって思わせる必要があったんだよ」
「この馬鹿! それでも親には相談しなさい! なんなら今からでも相手のお家に乗り込んで」
「駄目だよ。証拠が無いもの。橿原ダンジョンの件だって向こうは否定してる。水掛け論になるだけだよ。僕は今回の結果に満足してる。これでももしあいつらが暴力を止めないなら、また抵抗する。謹慎とか、停学になるかも知れないけど、僕にとっては命が掛かってるんだ」
「分かった。それが本当ならお母さんは和也の味方だよ。相手やその家族、学校とだって戦うからね」
「ありがとう。お母さん」
なんとか2度目の平手は避けられたようだ。
そして中間テストが始まった。
中間テスト中は毎日午前だけの登校で、1日3教科ずつ、4日間で行われる。つまり金曜日までだ。流石にテスト期間中は先生方も忙しく補習は入らない。
さっぱり分からない問題に悪戦苦闘しつつ、中間テスト期間を終えた。
0
あなたにおすすめの小説
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
『伯爵令嬢 爆死する』
三木谷夜宵
ファンタジー
王立学園の中庭で、ひとりの伯爵令嬢が死んだ。彼女は婚約者である侯爵令息から婚約解消を求められた。しかし、令嬢はそれに反発した。そんな彼女を、令息は魔術で爆死させてしまったのである。
その後、大陸一のゴシップ誌が伯爵令嬢が日頃から受けていた仕打ちを暴露するのであった。
カクヨムでも公開しています。
私が死んで満足ですか?
マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。
ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。
全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。
書籍化にともない本編を引き下げいたしました
妻を蔑ろにしていた結果。
下菊みこと
恋愛
愚かな夫が自業自得で後悔するだけ。妻は結果に満足しています。
主人公は愛人を囲っていた。愛人曰く妻は彼女に嫌がらせをしているらしい。そんな性悪な妻が、屋敷の最上階から身投げしようとしていると報告されて急いで妻のもとへ行く。
小説家になろう様でも投稿しています。
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~
放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」
大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。
生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。
しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。
「すまない。私は父としての責任を果たす」
かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。
だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。
これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。
婚約破棄の代償
nanahi
恋愛
「あの子を放って置けないんだ。ごめん。婚約はなかったことにしてほしい」
ある日突然、侯爵令嬢エバンジェリンは婚約者アダムスに一方的に婚約破棄される。破局に追い込んだのは婚約者の幼馴染メアリという平民の儚げな娘だった。
エバンジェリンを差し置いてアダムスとメアリはひと時の幸せに酔うが、婚約破棄の代償は想像以上に大きかった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる