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2章

90 コレクト・スター プレオープン④食堂:黄昏の彗星にて

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一同はコレクト・スター2階の食堂:黄昏の彗星へ向かった。店の壁に料理の絵と説明文が書かれた紙が貼りつけられていた。店の頭上には『黄昏の彗星』と書かれた看板が掲げられており、横には『入り口』書かれた看板も設置されていた。



「このお店は食堂『黄昏の彗星』です。このお店は一般のお客様でも提供できるように安い値段で提供しています。この絵は定員である孤児院の子供たちが書いたこのお店が提供できる料理の絵とその説明文です」



「ほほう、これはわかり易くていい絵だ、なあメイ?」



「ええ、そうですね、あなた。とても心がホッコリします」



 ボロスとメイの会話を聞きつつ商売をしている者達はこの気配りに感心していた。この絵は『私たちのお店はこんな料理を提供できます』という先客効果だけではなく、絵と説明文をのせもし仮にここまで列が伸びている又は待ち合わせしている人たちが少しでも退屈しないように配慮されていたからだ。心の中で自分たちの店でも似たことができないか考える商人たち一同だった。



「見てわかると思いますがこちらが入口、向こうが出口になります」



 と翔達が中に入ると2人の店員の子供が



「いらっしゃいませ。黄昏の彗星にようこそ」



 と挨拶をした。入り口と書かれた場所から入ると小さい部屋に20人余りが座れるスペースがあり、すぐそばには1~15と書かれた木の板が入っている場所があった。その上には



『店内に入りましたらこの板を1~15の順に次のルールに従っておとりください

①5人以下なら1枚、6から10なら2枚、11から15なら3枚と5人増えるたびに一枚追加でお取りください

②15番までお取りいただいたら、続いてとる場合又は次の方は1番からお取りください

③木の板が無ければその場所でお待ちいただき木の板が手に入り次第お進みください

④席については板を店員に渡す時、『隣同士で座りたい』『窓際がいい』などのご要望があれば可能ならそのように案内さしていただきます。ただしその時ご要望の席が無ければお待ちいただき席が空き次第ご案内いたします。ただ、そのお待ちしていただいている時、他のお客様を先に通すことがあるのでご理解ください』と。



 そして部屋の頭上には『いらっしゃいませ』『横入りはご遠慮ください』『もし守っていただけなければ・・・・』と書かれていた。



 翔は木の板を一枚とり他のメンバーに合図するとそのまま店員の子供達がいる机の下に向かった。



「いらっしゃいませ、番号札をお預かりします。では一番の席にご案内します」



 店員の子供は番号を確認しながら木の板を机に置かれた木の枠に入れ店内の店員に伝えた。枠の中に置かれた木の板は浮かび上がり入り口の場所に戻っていった。その光景に驚くエルフ以外の人たち。



「え、魔法?」



「違いますよ、アインさん。アレは精霊ですよね、翔君?」



「さすがマリューさん。そうです、精霊にも手伝ってもらってるんです」



 そう。このお店には精霊に手伝ってもらっている。店内には15個のテーブルが用意されて、テーブル一つ一つに精霊が付いており、担当するテーブルに人が来れば、入り口の部屋の店員がいるテーブルに設置された枠の対応する場所が赤く光り、テーブルに食器が置かれていなければ緑色に光るように魔法を使ってもらっている。また入り口の部屋の店員がいるテーブルに設置された枠に木の板が入ると精霊が入口近くにある場所に戻してくれるように精霊に頼んでいた。そして店の運営を妨害する者がいたら・・・。



 皆を店内に案内すると、目の前にはテーブルに広げられた数々の料理が並べられていた。



「今日は皆さんにいろいろな料理を食べてほしいので自由にお取りください。向こうに座って食べれる場所も用意したのでよければお使いください。明日は普段道理に注文してもらうので気に入った料理があれば名前を憶えて行ってください」



 翔達が用意した料理は



・ごはん

・パン

・各種魚の塩焼き

・魚の煮物

・唐揚げ

・フライ

・てんぷら

・メンチカツ

・コロッケ

・卵焼き(塩、砂糖、たらこ入り、ホウレンソウなどの野菜入り、海苔入り)

・ステーキ

・とんかつ

・豚の生姜焼き

・スパゲティ(ミートソース、ナポリタン、たらこ、カルボナーラ、和風)

・ハンバーグ(ケチャップ、トマト、和風あんかけ、チーズ入り、卵入り)

・サラダ

・肉じゃが

・おひたし(ほうれん草、大根)

・お味噌汁

・野菜スープ

・豚汁

・プリン

・パンケーキ

・果物の盛り合わせ

・あんみつ



 そして各国の人々は食事を始める。



「翔、この白い粒粒はなんだ?」



 やはり最初に気になったのはご飯だった。それはそうだろうパンの隣に大釜が置かれふたを開けるとそこまで刺激のある匂いではないが食欲をそそるいい匂いがする。中をのぞくと見慣れない白い粒粒が見えたので訳が分からなかった。



「これはご飯って言って海を渡った先にある大陸の主食なんです。まあ食べてみてください」



 と翔は茶碗に軽くよそってそれぞれに渡した。みんな恐る恐る食べてみた。すると口の中でほのかな甘みがあり、モチモチとした新食感が広がった。



「このほのかな甘みがいいわね。でも何か物足りないわね」



「そうですね。このご飯は何か他の料理と食べると更においしさが増すんです。この卵焼きで食べてみてください、マリューさん」



 翔は卵焼きをマリューに進めた。マリューは卵焼きを一口大にスプーンで切ると口に入れた。そうすると口の中に卵の濃厚な味とわずかな塩味が広がり、噛むごとに卵の層がほどかれ味がより口の中を充満した。そこにご飯を一口加えると、ごはんの甘みと卵焼きのうまみが混ざり、先ほど感じたご飯の物足りなさがなくなり体全体に幸福感が広まった。そして笑顔で一言



「おいしい」



 その表情を見た他の人々も同じように食べ笑顔になった。それを見て翔は



「すごいでしょう。このご飯は他の料理と一緒に食べることでよりうま味が広がって満腹感を得られるんです。他の料理にも合いますよ」



 翔の一言で皆はちりじりに動き出す、ベストマッチお求めて。ちなみにすでに翔宅で食べたことがあるヒカル、ミミ、ローラの3人は一足早くご飯をよそい、マッチングの旅に出ていた。そして5分後それぞれお気に入りのマッチングを見つけた一同はのんびりと食事を行っている。ただし、一部は翔の方に向かって歩き出している。それは料理人たちだ。彼らは知っている、この料理について知りたければ翔に聞くしかないことを。そして始まる、料理人としての戦いが。



「翔、この卵焼きがさっき言っていた四角いフライパンで作った料理よね?」



「はいそうです。まあ、作り方についてはレシピを公開しますよ、お米の炊き方と味噌汁、あんこ、てんぷらと共に、後は秘密ですけど」



 とレッカの質問にそう答える翔。彼らは知っている、翔がお金や権力でレシピなどを教えてくれないことを、もし仮にそんなことをした場合、自分たちにどのような罰が降りかかるかということも。それに彼らも料理人ある程度調理の仕方はわかる。そしてある程度わかれば翔がヒントを教えてくれることも。なので彼らはここで料理人のプライドなんてものは捨て一致団結して挑むのである。新しい調理法という報酬を目指して。



 料理人と翔の話し合いを見ながら各国の王様たちはのんびり食べていた。



「これで美味しい食べ物がいっぱい食べれそうだな」



「ああ、さすが翔さまさまだ」



「それに従業員もきちんと教育されているようだしな」



 とそれぞれ隣に座るレオナ、アリシア、ミゼル、ミーシャを見ながら今日の感想を述べる。



「そりゃそうよ父さま。失礼にならないように教育をしなくちゃお客さんの前にはだせないわ」



「それにあの子たちは頭が良いいからね~。すぐ覚えていったんだよ~」



 とアリシアとミーシャは子供たちがほめられたことに喜びながら返事をする。



 満足した一同は食事を終え元の国に帰っていった。これで一日目は終了。



これで初日は終了。
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