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2章

96 シグル王国侵入編④首都シグルでの戦い

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首都シグル・シグル城王の間



 広間の中央の王座にはひときわ豪華な黒いローブを着た男が座っており、その後ろには同様に黒いローブを着た者達が控えていた。よく見ればこの国の貴族の用だ。そして王座の前には現国王であるバウロ・フォン・シグル、王妃のアイ・フォン・シグルそして他の貴族がひざまずいていた。その目はうつろで意識が内容だった。



 王座の男はワインを片手に高笑いを続ける。



「あははは、いい光景だ。これこそ僕がいるべき場所だ。愚かな父上、母上墓の貴族もそんな風にひざまついていればいいんだ。それにもうすぐでレオナが手に入る。僕のマイフィアンセ・レオナ、早くこの手で抱きたいな」



 この男のはブース・フォン・シグル。シグル国第1王子でシグル国第1王女セイラの兄でもある。もともとは次期国王候補だったが女癖や自己中心的な性格などの素行の悪さから国民からの指示も悪く、さらに数年前にブースが素材欲しさに実行した竜の乱獲により起きた竜が率いる魔物の大量侵攻スタンピードの時国から逃げ、1年後大量侵攻の余波が収まり国内が安定した時ひょっこり帰ってきたことで地位を剥奪され監視対象として城で暮らしていた。



 そこにアグニが目をつけ、ある条件で手を組んだ。その条件は「作戦が成功したらシグル王国の王となり、レオナをわたす」だった。ブースは幼いレオナを見てその美しさから一目ぼれをして、あらゆる手を着くして婚約しようとした。しかしそれは叶わず悩んでいた。そこにきてこの条件はブースにとって渡りに船だった。この条件をのんだブースはアグニが監視者を洗脳したことにより、場内で様々な裏工作を行った。その時今の政権により不利益を被った複数の貴族も仲間に向かい入れた。



 王座で優雅にキラによるメルトホルン制圧とレオナ奪還の報告を待っていたブースの耳に突如心地いい音楽が聞こえた。その音楽は今まで聞いた音楽の中で一番の音で体全体に響きしみこんでいった。ブースはその音に酔いしれていたが、突如目の前でひざまずいていた王族と貴族が倒れた。後ろに控えていた黒いローブの貴族が近寄り確認するとどうやら寝ているようだ。次に突然倒れた王族達の確認を取っていた黒いローブの貴族を倒れた。その不気味さに周囲を確認すると窓から見える屋根の上に一人の女性がバイオリンを弾きながら歌っていた。どうやら彼女が歌っていたらしい。よく観察するとその女性はエルフで周りには様々な色の球体が浮かんでいる。そこまで観察してブースは気づく。



「まさかアリシア」



 ブースはすぐに配下に命令をしようとするがすでに遅かった。配下達はすでに倒れて寝ている。そしてブースの意識も落ちていった。



 シグル内に入った聖、アリシア、ミゼルはそれぞれ別れ行動した。聖とミゼルはシグルの中心地にある教会に向かった。そこで聖はシグル全体を結界で街全体を覆った。アリシアは協会の屋根に上り天樹弓ミーティアを取り出し魔力を流す。すると天樹弓ミーティアは姿を変えて1本のバイオリンに変わった。さらに様々な精霊がアリシアの周囲に集まる。そして弾き始める。曲名は『精霊弓術コズミック・ドルイド第1章春風のやすらぎ』。この曲は魔力を込めて演奏すると聞いた者達に心の安らぎを与え安らかな眠りを与える。1分後アリシアの演奏が終わるとシグルの人たちは全て安らかな眠りについていた。



 そしてミゼルは国の軍備を担っている工場地域に来ていた。ここでは優斗が伝えた内容から戦車、鉄砲が開発され、自動化→量産されていった。現在はアリシアの曲で工場内の全員が眠っている。ミゼルは聖邪拳ジ・エンドを装備し腕を回し、聖に【テレパシー】で連絡している。



(聖、こっちは準備OKよ)



(ええ。わかりました)



 聖は中央の教会から工場地域の人々に【シールド】を張る。この【シールド】は落下のダメージを無効化するためである。そしてミゼルは飛び上がる。ここで聖邪拳ジ・エンドのスキルを一つ説明しよう。そのスキル名は【破壊指定】。効果は指定した部分のみにダメージを与える方法で例えば魔物の角、鱗、尻尾や内臓、骨、零体や精神体なども指定できる。そして今回指定するのは工場に使われている【シールド】で守られているもの以外全て、空中に飛んだミゼルは赤く燃える拳を振り落とす。



「【魔黒円舞:紅蓮衝波】」



 聖邪拳ジ・エンドから超高熱の炎の衝撃波が工場全体に伝わり、工場ははじけ飛ぶ。後に残るのは【シールド】に包まれた人たちが落下してくる姿のみだった。その姿を確認したらミゼルは気合をいれ一体の工場すべてを破壊していった。3分後、その一帯は更地とかした。





 そして翔、レオナ、リリィは地下の巨大な空間に転移してきた。そこは巨大な神殿で中央に禍々しい像が祭られていた。そして像の近くには黒い司祭服を着たレヴィ、黒いドレスを着たセイラ、レヴィとは違う黒い司祭服を着た女性、そして黒い鎧に身を包んだ優斗がいた。そして黒い司祭服を着た女性アグニは話しかけてきた。



「ようこそ邪神様の神殿へ、翔さん、レオナ姫。私は邪神様を進行する邪神教の代表司祭アグニと申します」



翔も一歩進み出て会話を続ける。



「こちらこそ初めまして、天魔翔と言います。いくつか質問していいですか?」



「どうぞ?」



「では邪神教とは何ですか?」



「邪神教とはこの世界を守ってくださっている邪神様を敬愛する者達が集まった団体です。邪神様は今この世界を支配する創造神と運命神に封印され動けないところを最後の力を使って私たちに加護を与えてくださったんです」



「じゃああなたたちの目的は?」



「私たちは邪神様の信者を増やして邪神様を復活させることです。ほら見てください、私の熱心な勧誘により優斗様、セイラ様、レヴィ様も邪な神々から邪教神さまへと信仰を変えてくださいました」



 アグニは優斗たちの方を向き朗らかに翔達に伝えた。それにリリィは反論する。



「なにが信仰よ。あなたたちが無理やり従わしているんでしょ」



「そのようなことがあるわけないじゃないですか。洗脳されているのはあなた達なのでは?」



「なんですって?」



 翔はリリィの肩に手を置き首を振る。そして再びアグニに質問する。



「じゃあ、最後に一つ。何故メルトホルンに戦争を挑むんですか?」



「それはしょうがないのです。時には力で目を覚ましてあげなくてはならないのです。そう、それが私たちの使命なのですから。今のように」



 アグニ達は武器を取り出し臨戦態勢をとる。



「抵抗は諦めて降服してくれませんか?圧倒的に不利ですよ?」



 アグニはこちらに話しかける。それに翔は答える。



「一ついいことを教えてあげる。戦いに絶対はないんだよ」



 と翔はガルルとシャルルを呼び出し、レオナも臨戦態勢をとる。

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