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3章

102 つながる大陸②翔と迅の試合(迅視点)

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 俺の名は仙崎迅、ヒノクニ大陸オオエド国の第2王子だ。その地位に胡坐を欠かず小さいころから冒険者になり、この国で数人しかいないランクSまで駆け上がり『黒夜叉』とも呼ばれるまでになった。しかしこの前のイセノミヤ国での4体の災厄が現れた時、姿を見ただけで勝てないとさとり何もすることができなかった。

 その時目の前に現れたのは違う大陸から来たという天魔翔という冒険者だった。最初違う大陸から来たと聞いたときは何を言ってるんだと不信に思ったが、転移魔法でオオエド城が見える海の上まで移動されたので信じられた。転移魔法を見せていただいたので翔殿は魔法使いだと思っていた。しかしその認識は間違っていた。

 俺たちの前に現れた翔殿は黒い鞘の一振りの刀を取り出し居合の構えを取った。そして一振りで災厄の魔物が連れてきた1000を超える魔物を切り裂いた。そしていつの間にか災厄の魔物の前に現れ切り伏せた。それを見た俺は驚き、嫉妬し、自分の人の見る目のなさに落胆した。俺が見た実力者は普段から独特な重圧があった。しかし翔殿からはその強者独特の雰囲気は感じなかった。なので転移魔法を使える実力者だが普段の姿からそこまで強くなかいだろうと思った。しかし知った、翔殿は普通に見えるように強者の気配を抑えていることを。その証拠に災厄の魔物達を置いてしているときの雰囲気は今まで味わった教書の気配が子供のように思えるほど濃密だった。

 そして俺はその姿を見てこう思った。いつか戦ってみたい、俺の技術がどこまで通じるのか確かめたいと。冒険者ランクがSになってから特に目標がなく依頼をこなしてきて、外界の魔物にも勝てないだろうと諦めていた体に、意思に再び熱が入り一層鍛錬に力を入れた。

 そして1か月後、翔殿が所属する国と私達ヒノクニ大陸の会談の時に翔殿と戦う機会が巡ってきた。ルールとして魔法は身体強化のみ、相手に一太刀入れたら勝ちだった。

 俺はまず翔殿の姿をよく観察した。細身だが筋肉質で、刀の構えではきれいで隙は無かった。ただ体の大きさは俺の方が上だからまず身体強化を施し体重を乗せた右薙ぎを放った。翔殿はそれに対して普通に受ける。

 最初岩でも叩いたのかと思うほどびくともしなかった。その後距離を少し開け、左切り上げ、唐竹(上から下)とつなげるが翔殿は全て受け止める。それからもこちらから打ち続けるが隙はできずに受け止められる。今までの技術が全く通じなく体力の関係上、俺は勝負に出た。仙崎一族に伝わる魔力強化法に呼吸法、体の動き方を取り入れた剣技仙崎流【鬼人切り】を翔殿の頭部に叩き込んだ。翔殿は刀を上段に構え受け止める姿勢だった。しかし俺の刀と翔殿の刀が当たった瞬間、俺は見た、翔殿妙技を。翔殿はその瞬間刃を下に下げ俺の太刀筋を後ろにそらしながら体全体を沈み込ませ、その勢いのまま一歩前に踏み込み右薙ぎを放った。技がそらされ体勢を崩した俺に防ぐすべはなくその一撃を受けた。

「それまで」

 審判役の一声で模擬試合は翔の勝利で終わった。翔はうずくまる迅に手を差し出す。すると迅はその手掴み翔に質問した。

「今の技は?」

「【流水残花(りゅうすいざんか)】、巨大な魔物の爪や針の受け止められないと思った一撃の時の対処技で避けた時の反動を利用して攻撃するカウンター技」

「なるほどしゃがんで前に一歩出たのは刀を振りぬくための予備動作か」

さらに迅は自分のどこが悪かったかを教えてほしいと翔に頼んだ。翔は少し考えこう質問する。

「剣術は一流だと思う。だけどまだ魔力の扱いが雑かな。今は意識して身体強化していたでしょう?多分今まではその魔力の制御でも町前の身体と剣術と膨大な魔力を練り込んで倒したと思うけど、もしそれ以上に強くなるなら呼吸するように身体強化できるようにならなければ無理だと思う」

 翔はいくつかのアドバイスをすると迅はふんふんとうなずきながら聞いていた。最終的に今度修行をつけてほしいというので翔はうなづいた。

 次の日翔達はイセノミヤ領に来た。そこで目を引いたのは

「この紙は普段使ってる紙とは違うな」

「アルフレッド、それは和紙というものだ。昨日紹介した襖や障子などの壁紙として使われている」

 そう、紙である。普段メルトホルンで使われている紙は地球でいう洋紙と呼ばるもので木の削りかすなどから作るが、ヒノクニ大陸の紙は和紙とよばれ特殊な草から作られ洋紙に比べて柔軟性はないが丈夫な特徴がある。

「この和紙を紹介する上で切っても切れないのがこれだ」

飛龍は黒い容器を取り出した。

「この墨で文字を書く書道という学問だ」

 飛龍が取り出したのは墨汁でヒノクニ大陸のイセノミヤ領の近くにある黒滝から採れる液体らしい。この液体と筆を用いて文字を書く学問を書道というらしい。うん、地球と同じ書道だね。一同は書道体験をしたのち、大神殿に向かい舞や祭事を見学した。

 そして昼食を食べる旅館に来た。昼食は近くの山で採れたユリねやフキノトウなどの山菜のてんぷらにシカ肉のステーキだった。イセノミヤ領は周囲を山や森で囲まれているため山菜や薬草、シカなどの動物たちがたくさんあるらしい。これでイセノミヤ領の見学は終了だ。次は武の町ヨツクニ国だ。
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