『Wonderful Mystery Marvel Island』

アマテン

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38 新しい契約①ヒミコ

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ベッドから起き上がりVRギアを外すと水分補給と昼食を取りにリビングに向かった。今日の昼食は焼きそばだ。朝食を取りながら携帯を確認していると妹の立夏と隣に住む幼馴染の美冬から合宿風景を取った写真付きのLINEが入っていた。さらにもう一人、父さんと母さんの学生からの友人の娘で美冬と同じく幼稚園から一緒の幼馴染である如月智秋きさらぎちあきからのLINEが入っていた。智秋は今の時期になると父親であるおじさんの会社の会議で学校を休み家族でアメリカで1週間ほど出かけていた。LINEにはアメリカでのパーティ風景が送られてきた。

 僕は立夏、美冬、智秋へ返事をしたのち、30分ほど読書で時間をつぶし軽く体をほぐしたのち再び『WMMI』の世界に入り込んだ。

???

 逃げなきゃいけないのにもう力が出ないよ。このまま死んじゃうのかな・・・。ん?水の中から何かが出てきた。初めて見る生物だ。僕の・・・・に似ている。あ、こっちに来た。殺されるのかな。ん?何かいろいろ取り出してる。匂いを嗅ぐ感じ食べ物みたい。あ、口元に持ってくれるけどかみ砕く力もないや。助けてくれようとしてるみたいだけど、ごめんなさい。

 今度は緑色と青色の球を取り出して、僕の口元に持ってきてつぶしてるみたい。口に何か液体が入ってくる・・・。あれお腹がふくれてきたし喉も乾かなくなった。それにすぐには動けなさそうだけど少しずつ疲れも回復してきてる。これなら時間がかかるけどもう少しで動けるようになりそう。今度は謎の生物が動物の毛皮で体をくるみ、近くで火を焚いてくれた。あー、体が温かい・・・

 うん?やばい!たくさんの蜘蛛が来てる。この生物に伝えたいけど動けないよ。でもこの生物も気づいているみたい。尖ったモノを取り出して蜘蛛たちに攻撃している。あ、蜘蛛がこっちにも糸や紫の球を放って来た。あの紫の球当たると体が痛くなるんだ。あ!あの生物が代わりに受けてくれた。守ってくれるんだ

 !この気配はヤバい。奴が来る。上を見て、上。きちゃった、この洞窟の化け物が。アレには勝てないよ・・・。すごい、この生物。あの怪物の攻撃を躱してる。でももう限界っぽい。

 するとその生物は僕の顔をじっと見てる。うん、いいよ、置いていっても。しかしそんな未来はこなかった。その生物はきれいな布と綿で僕を覆うと怪物の攻撃をよけて投げた。そして一言

「逃げろ」

 僕は動けるようになった体で袋から抜け出し下の穴を除くと全身に火のついた怪物と水に飛び込むあの生物がいた。怪物は僕に見向きもしないで全身の火を消すと水に飛び込みあの生物の後を追った。

 なんでかわからないけどあの生物なら逃げ出せそうな気がする。だから体力がついたら追いかけよう。僕はさっきの布を身にまとい洞窟から出るために駆け出した。まってて・・・ご主人・・・




13日目

 僕がベッドで起きると日課である畑やミルキーフライ達の様子を見るために外に出た。すると

 「コーン」ドスッ

 何か白い物体が木から飛び降りて、僕に突っ込んできた。うん?よく見ると前に助けたハクテンキツネじゃん。よかった、生きてたんだ。ハクテンキツネは僕から一度離れると僕の方を向いて何かを待っている。

『名前を付けますか?』

 え、名前をつけれるの?これってまさか使役できるかんじ。僕は少し考えたのち名前を入力する。するとハクテンキツネは光り輝き

『火の精霊(タイプ:キツネ):ヒミコと契約しました。魔物との契約によりスキル【テイマーLv1】を獲得しました』

 ・・・え、ちょっとまって?新しいスキルはいいよ別に、ヒミコも別に大丈夫、その前の火の精霊(タイプ:キツネ)って何?教えてヘルプさん~

『精霊とは自然の現象が具現化した魔物で、生まれる時自分に一番合った生物の姿をまねる。特に火、水、土、樹、雷、風、光、闇の精霊は上位精霊と呼ばれ滅多に人前には現れない』

 ・・・つまりヒミコはキツネで火の精霊ということか・・・OK、これからよろしくなヒミコ。

「コーン」

 さてここの今の姿はモコモコの白い毛、1本の尻尾、そしてなぜか体全体を覆うミルキーフライの布。どうやら布の匂いを頼りにここに来たらしく愛着を持っているようだ。僕はヒミコの身体から布をはがすと首元にスカーフのように巻いてあげた。今度ちゃんとした物を作ってあげよう。

 よし、ヒミコ、一緒に皆を見に行こうか。僕が歩き出すとヒミコは肩に乗ってきたのでそのままみんなの様子を見ることにした。まずコッコのヒヨコ達から。

 ヒヨコ達はあれからすくすく育ってみるみたいで卵から生まれた時より体の大きさが4倍ほどになっていた。コッコの生体を見た感じまだ大きくなりそうだ。ヒミコもヒヨコ達に近づき挨拶をしている。どうやら仲良くできそうだ。柵の中を見ると雨宿りスペースにいつの間にか糸で壁が作られており、ヒヨコが通り抜けれそうな扉が出来ていた。おそらくミルキーフライ達が作ったんだろう。

 次にミルキーフライの所に行くとそこには木材と糸で作られた小屋が作られていた。ミルキーフライ達は僕に気づくと小屋や茂みから現れ集まってくる。さらに6匹のミルキーフライの幼虫が出てきた。

 ミルキーフライ達とコミュニケーションをとってみると小屋は自分たちの雨宿り用に作り、小屋の中では糸玉を作ったり布を作ったりしているらしい。そしてミルキーフライの幼虫達だが数日前にこの場所に来てそれ以降住んでるらしい。ヒミコに気づいミルキーフライ達がヒミコとコミュニケーションをとっている。どうやら首に着けているスカーフが気になっているようだ。

 最後にミルキーフライ達も一緒に畑に行ってみると激変していた。まずは植えていた薬草、毒草、各色花などが全て育っており採取可能な状態になっていた。更にマメポッポから手に入れていた植物の種も成長していた。

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ジャガイモ
ランク2
カテゴリー:【植物】
耐久度:80
品質:標準品質
解説:うす茶色いゴツゴツした実
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トマト
ランク2
カテゴリー:【植物】
耐久度:80
品質:標準品質
解説:赤いまるとしたみ
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コショウの実
ランク2
カテゴリー:【植物】
耐久度:80
品質:標準品質
解説:吸い込むと咳き込むからい実。つぶすことにより調味料になる
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 すごい。ジャガイモとトマトができた。あと欲しかった調味料のコショウも。これで料理の幅も広がる。更に奥にはアプリやオレンの実をたくさん実らした樹々も生えている。
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