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悲しみの淵
悲しみの淵
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うぅ~さみぃ。
宴の熱は冷め、アルコールの酔いもすっかり醒めていた。
キルロはブルっと体を震わし、まだ熱の残る焚火の側へと体をさすりながら近づいて行く。
うん?
【王の休養】の入口に人の気配を感じ、視線を向ける。
そこに居る見知らぬパーティー。ひと目見てそれが強者の集いであるのが分かった。
ヒューマン、亜人、エルフとバランスの取れたパーティー。
まさか敵?
キルロは疑念を抱えたまま、足早に入口へと向かった。
「なんだ? あんたら? 見ない顔だな」
キルロの言葉に、細身の剣士はギラギラした敵意を剥き出しにする。
「お前こそ何だ?」
静かに睨む細見の剣士。中の様子を見渡し、またキルロを睨み、いつでも抜けるとばかりに剣柄に手を掛けていた。
そのヒリつく空気にキルロの顔も厳しさを増して行く。剣に手を掛けようと体をまさぐるが、何も装備をしていない事に気付き、背筋にイヤな汗が噴き出した。
睨み合うわずかな時間。
明けきらない空の下で、手練れのパーティーと睨み合う丸腰のキルロ。
一触即発の空気に余裕を見せる細身の剣士。
だが、互いに動かない様にキルロは首を傾げて見せた。
「あんた達、もしかして関係者か?」
緊迫した状況にキルロの間の抜けた問いは、パーティーを弛緩させるのに十分。険悪な空気は明けきらぬ空へと消えて行き、互いの緊張は一気に解けて行った。
「【スミテマアルバレギオ】のキルロだ」
「あ!」
キルロの名乗りに一番後ろに控えていた男が反応を見せた。
眼鏡を掛けた優男。眼鏡の奥の瞳はこちらからは見えない。長身に痩せすぎの体のせいか、酷く不健康に見えた。
「君がアルフェンの所の⋯⋯。弟が世話になっているね、もう随分と会っていないよ。僕はアントワーヌ・ミシュロクロイン、弟共々宜しく頼むよ」
これが勇者の長男⋯⋯。
口元に笑顔を湛え、片手を軽く上げて見せている。
随分と雰囲気は違うが、茶色の巻き毛がアルフェンと同じだった。
少年らしさの残るアルフェンとは随分と違うな。
蒼白い顔は陽の光が当たらない北にずっと居るせいか⋯⋯。
痩せた蒼白の男。勇者と言うには、だいぶくたびれている様に感じる。それだけ、北での作業は過酷を究めていると言う事か。
「ミルバが戻らないあんた達を心配していたぞ」
「そっか⋯⋯。まぁ、後でにしておこう」
焚火の側で高いびきをかいているミルバを一瞥して、キルロへ疲れた視線を戻した。
「君ももう少し休んだらどうだい? 起きるにはまだ早いでしょう」
「そうだな、そうさせて貰うよ」
キルロは素直に頷き、自分達のテントへ素直に潜り込んで行った。
◇◇◇◇
「⋯⋯ただいま」
疲れた笑顔。覇気の無い笑み。
それがハルさんの帰られた時の印象でした。何も語らず『休むわ』と言い残し、自室の扉を後ろ手に閉めてしまいます。
何があったのか聞くに聞けない状況に、少し悶々としてしまうのは私だけでした。みんなは、そっとしておこうと、傷つき汚れた馬車を片付けて行きます。
もう何度目でしょう? みんなと手分けして片付けたり、準備したりしながら悶々としてしまうのは。
どうしてハルさん達は、冒険へ行ってしまうのでしょう?
ハルさん達じゃないといけないのでしょうか? ミドラスで、平和な日常を過ごすだけではいけないのでしょうか?
馬車に付いたいくつもの傷を撫でながら、そんな事を考えてしまうのです。
ソワソワする心持ち。何があったのか知りたい欲には抗えません。
夕方、仕事が終わるとドライフルーツを抱えてキノの所、キルロさんのお店へと駆けて行きます。みんなより先にキノから冒険の話を聞くのは、もはや恒例となっていました。いつもより大きな胸騒ぎがするのは、きっとハルさんの疲れた笑顔。その胸騒ぎに私の足はいつもより速い運びを見せて行きます。
「こんにちは! キルロさーん! キノー!」
ひょこっと、廊下に顔を出したいつもと変わらないキノに私は笑顔を向けます。
いつもの居間にお邪魔するとキルロさんの姿はありません。
「キルロさんは?」
「どーんってやつを作っている」
「どーん?」
「そっ。どーん」
良く分からない事を言うのはいつもの事ですが、殊更に分かりませんね。何ですかね?
キノは珍しく、キルロさんが良く座っている窓際の椅子に腰掛け、夕陽を眺めていました。ちょっとキノには高い椅子。足をブラブラさせながら、遠くを見つめていました。
窓から射しこむ夕陽が、キノの長い影を居間へ落とします。窓の外を覗くキノのサラサラの白髪を夕陽が橙色に染めました。
表情は豊かでは無いキノの横顔が、愁いを帯びています。なぜだかその横顔にドキっとしてしまいました。
夕陽に照らされながら、キノはこちらへとゆっくり振り返ります。一見、無表情にも見えるキノの顔。でも、橙色に照らされるキノ顔は明らかな愁いを帯びていました。
「ネインが死んじゃった⋯⋯」
淡々と紡がれたその言葉。私の脳裏に先日の柔和な笑顔が過ります。
そして、その笑顔がドロっと形を失い、私の心を激しく握り締めどうにもならない感情の揺さぶりに涙が溢れ出します。
「嘘嘘嘘⋯⋯嘘⋯⋯でしょう」
初めての感情です。悲しい。悲しいは知っています。
たくさんの死に直面した事もあります。これは悲しいと言うだけではありません。
何度も、何度も、優しく諭してくれたネインさんの柔らかな笑顔が浮んでは、消えて行きます。そして、その度に心臓を鷲掴みされて、辛くて苦しいです。
溢れ出す涙は止まらず、拭っても、拭っても、ポタポタと落ちて行きました。
「もうヤダ⋯⋯イヤ⋯⋯」
何を言えば良いのか、心の整理などつくはずはありません。
私は駄々っ子のように首を振りながら、しばらく泣いていました。
居て当たり前と思っていました。
いつまでも、柔らかな笑顔を向けてくれると思っていました。
でも、もうそれは叶わないのです。
キノの小さな手が、私の膝の上に置かれました。その小さな手の上に、手を重ね合わせ、覗き込むキノを見つめます。
「キノ⋯⋯無理しないでね⋯⋯ハルさんとキルロさんを宜しくね」
「うん。大丈夫、大丈夫よ」
笑顔は無かったけど、真っ直ぐ私を見つめるキノの金色の瞳が落ち着きをくれます。私の無茶とも言えるお願いに、素直に頷き返してくれました。今、思えばキノにお願いするなんて、ちょっとおかしいですよね。
街中はいつもと変わらず、活気ある喧騒を見せています。街に溢れる笑顔がなぜだか辛く感じてしまう。どこをどう戻ったのか、足の運びは無意識で、気が付けばお店の裏口にたどり着いていました。
泣き腫らした目のまま、【ハルヲンテイム】へと戻ります。私はその足でハルさんの自室をノックしました。
「ハルさん、エレナです。ちょっとだけいいですか?」
無言のまま扉が開きます。
ハルさんは私の姿に一瞬だけ驚きを見せました。でも、すぐに少しだけ笑みを湛え、優しい表情で泣き腫らした私を見つめてくれます。優しい、いつもの青い瞳に、私はまた涙が溢れ出しました。止める事の出来ない嗚咽に言葉が出せません。
「大丈夫」
それだけ言って私の頭を抱いてくれました。
「ごめん⋯⋯なさい⋯⋯ごめん⋯⋯なさい⋯⋯」
上手く言葉の出ない私は謝る事しか出来ません。
「大丈夫だから」
そう言ってきつく抱いてくれます。
「⋯⋯ハルさん」
「何?」
私は涙と鼻水でぐしゃぐしゃの顔を上げます。
そこにあるのは、あるべきいつもの笑顔。
「⋯⋯し、死な⋯⋯ない⋯⋯で⋯⋯お願い⋯⋯しま⋯⋯す⋯⋯」
「分かった」
絞り出した私の言葉。もっと言いたい事はあったけど、言う事が出来ませんでした。
ハルさんは短い返事と一緒に、また私を抱きしめてくれます。ハルさんの温もりが優しくて、私はまたしばらくの間泣いてしまいました。
宴の熱は冷め、アルコールの酔いもすっかり醒めていた。
キルロはブルっと体を震わし、まだ熱の残る焚火の側へと体をさすりながら近づいて行く。
うん?
【王の休養】の入口に人の気配を感じ、視線を向ける。
そこに居る見知らぬパーティー。ひと目見てそれが強者の集いであるのが分かった。
ヒューマン、亜人、エルフとバランスの取れたパーティー。
まさか敵?
キルロは疑念を抱えたまま、足早に入口へと向かった。
「なんだ? あんたら? 見ない顔だな」
キルロの言葉に、細身の剣士はギラギラした敵意を剥き出しにする。
「お前こそ何だ?」
静かに睨む細見の剣士。中の様子を見渡し、またキルロを睨み、いつでも抜けるとばかりに剣柄に手を掛けていた。
そのヒリつく空気にキルロの顔も厳しさを増して行く。剣に手を掛けようと体をまさぐるが、何も装備をしていない事に気付き、背筋にイヤな汗が噴き出した。
睨み合うわずかな時間。
明けきらない空の下で、手練れのパーティーと睨み合う丸腰のキルロ。
一触即発の空気に余裕を見せる細身の剣士。
だが、互いに動かない様にキルロは首を傾げて見せた。
「あんた達、もしかして関係者か?」
緊迫した状況にキルロの間の抜けた問いは、パーティーを弛緩させるのに十分。険悪な空気は明けきらぬ空へと消えて行き、互いの緊張は一気に解けて行った。
「【スミテマアルバレギオ】のキルロだ」
「あ!」
キルロの名乗りに一番後ろに控えていた男が反応を見せた。
眼鏡を掛けた優男。眼鏡の奥の瞳はこちらからは見えない。長身に痩せすぎの体のせいか、酷く不健康に見えた。
「君がアルフェンの所の⋯⋯。弟が世話になっているね、もう随分と会っていないよ。僕はアントワーヌ・ミシュロクロイン、弟共々宜しく頼むよ」
これが勇者の長男⋯⋯。
口元に笑顔を湛え、片手を軽く上げて見せている。
随分と雰囲気は違うが、茶色の巻き毛がアルフェンと同じだった。
少年らしさの残るアルフェンとは随分と違うな。
蒼白い顔は陽の光が当たらない北にずっと居るせいか⋯⋯。
痩せた蒼白の男。勇者と言うには、だいぶくたびれている様に感じる。それだけ、北での作業は過酷を究めていると言う事か。
「ミルバが戻らないあんた達を心配していたぞ」
「そっか⋯⋯。まぁ、後でにしておこう」
焚火の側で高いびきをかいているミルバを一瞥して、キルロへ疲れた視線を戻した。
「君ももう少し休んだらどうだい? 起きるにはまだ早いでしょう」
「そうだな、そうさせて貰うよ」
キルロは素直に頷き、自分達のテントへ素直に潜り込んで行った。
◇◇◇◇
「⋯⋯ただいま」
疲れた笑顔。覇気の無い笑み。
それがハルさんの帰られた時の印象でした。何も語らず『休むわ』と言い残し、自室の扉を後ろ手に閉めてしまいます。
何があったのか聞くに聞けない状況に、少し悶々としてしまうのは私だけでした。みんなは、そっとしておこうと、傷つき汚れた馬車を片付けて行きます。
もう何度目でしょう? みんなと手分けして片付けたり、準備したりしながら悶々としてしまうのは。
どうしてハルさん達は、冒険へ行ってしまうのでしょう?
ハルさん達じゃないといけないのでしょうか? ミドラスで、平和な日常を過ごすだけではいけないのでしょうか?
馬車に付いたいくつもの傷を撫でながら、そんな事を考えてしまうのです。
ソワソワする心持ち。何があったのか知りたい欲には抗えません。
夕方、仕事が終わるとドライフルーツを抱えてキノの所、キルロさんのお店へと駆けて行きます。みんなより先にキノから冒険の話を聞くのは、もはや恒例となっていました。いつもより大きな胸騒ぎがするのは、きっとハルさんの疲れた笑顔。その胸騒ぎに私の足はいつもより速い運びを見せて行きます。
「こんにちは! キルロさーん! キノー!」
ひょこっと、廊下に顔を出したいつもと変わらないキノに私は笑顔を向けます。
いつもの居間にお邪魔するとキルロさんの姿はありません。
「キルロさんは?」
「どーんってやつを作っている」
「どーん?」
「そっ。どーん」
良く分からない事を言うのはいつもの事ですが、殊更に分かりませんね。何ですかね?
キノは珍しく、キルロさんが良く座っている窓際の椅子に腰掛け、夕陽を眺めていました。ちょっとキノには高い椅子。足をブラブラさせながら、遠くを見つめていました。
窓から射しこむ夕陽が、キノの長い影を居間へ落とします。窓の外を覗くキノのサラサラの白髪を夕陽が橙色に染めました。
表情は豊かでは無いキノの横顔が、愁いを帯びています。なぜだかその横顔にドキっとしてしまいました。
夕陽に照らされながら、キノはこちらへとゆっくり振り返ります。一見、無表情にも見えるキノの顔。でも、橙色に照らされるキノ顔は明らかな愁いを帯びていました。
「ネインが死んじゃった⋯⋯」
淡々と紡がれたその言葉。私の脳裏に先日の柔和な笑顔が過ります。
そして、その笑顔がドロっと形を失い、私の心を激しく握り締めどうにもならない感情の揺さぶりに涙が溢れ出します。
「嘘嘘嘘⋯⋯嘘⋯⋯でしょう」
初めての感情です。悲しい。悲しいは知っています。
たくさんの死に直面した事もあります。これは悲しいと言うだけではありません。
何度も、何度も、優しく諭してくれたネインさんの柔らかな笑顔が浮んでは、消えて行きます。そして、その度に心臓を鷲掴みされて、辛くて苦しいです。
溢れ出す涙は止まらず、拭っても、拭っても、ポタポタと落ちて行きました。
「もうヤダ⋯⋯イヤ⋯⋯」
何を言えば良いのか、心の整理などつくはずはありません。
私は駄々っ子のように首を振りながら、しばらく泣いていました。
居て当たり前と思っていました。
いつまでも、柔らかな笑顔を向けてくれると思っていました。
でも、もうそれは叶わないのです。
キノの小さな手が、私の膝の上に置かれました。その小さな手の上に、手を重ね合わせ、覗き込むキノを見つめます。
「キノ⋯⋯無理しないでね⋯⋯ハルさんとキルロさんを宜しくね」
「うん。大丈夫、大丈夫よ」
笑顔は無かったけど、真っ直ぐ私を見つめるキノの金色の瞳が落ち着きをくれます。私の無茶とも言えるお願いに、素直に頷き返してくれました。今、思えばキノにお願いするなんて、ちょっとおかしいですよね。
街中はいつもと変わらず、活気ある喧騒を見せています。街に溢れる笑顔がなぜだか辛く感じてしまう。どこをどう戻ったのか、足の運びは無意識で、気が付けばお店の裏口にたどり着いていました。
泣き腫らした目のまま、【ハルヲンテイム】へと戻ります。私はその足でハルさんの自室をノックしました。
「ハルさん、エレナです。ちょっとだけいいですか?」
無言のまま扉が開きます。
ハルさんは私の姿に一瞬だけ驚きを見せました。でも、すぐに少しだけ笑みを湛え、優しい表情で泣き腫らした私を見つめてくれます。優しい、いつもの青い瞳に、私はまた涙が溢れ出しました。止める事の出来ない嗚咽に言葉が出せません。
「大丈夫」
それだけ言って私の頭を抱いてくれました。
「ごめん⋯⋯なさい⋯⋯ごめん⋯⋯なさい⋯⋯」
上手く言葉の出ない私は謝る事しか出来ません。
「大丈夫だから」
そう言ってきつく抱いてくれます。
「⋯⋯ハルさん」
「何?」
私は涙と鼻水でぐしゃぐしゃの顔を上げます。
そこにあるのは、あるべきいつもの笑顔。
「⋯⋯し、死な⋯⋯ない⋯⋯で⋯⋯お願い⋯⋯しま⋯⋯す⋯⋯」
「分かった」
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