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飲み過ぎ注意
「「カンパーイ!」」
今日は飲み会だ。
新入社員の歓迎会で、私も涼も参加している。
近くのバーを貸し切っていた。
ナオも同じ日に歓迎会だそうで、今頃はどこかで飲んでいるんだろう。
私は、社長の秘書にバーの外へ呼び出され、車に乗せられた。
後部座席に座っていたのはもちろん母だ。
キッチリとスーツを着込んで、茶色く染めた長い髪を結い上げている。
まだ40代でバリバリのキャリアウーマンだ。
母と父が離婚をする時に、父は私達二人を引き取ると言ってくれた。
けれど、母が一人だけでも寄越せと言い張った為、私が母の元へ行くと決めた。
家族が揉めるのも面倒だったし、涼をこの母の所へ行かせたくなかったというのが本音だ。
母は、仕事の話をいくつかしてから本題に入った。
「輝、お見合いの話があるの」
「またですか? 懲りませんね」
結婚をしろと言われ続け、断り続けている。
それなのに、今だに持ってくる見合い話にいい加減呆れてしまう。
「私はまだ諦めてないわ」
「迷惑だと言っています」
同じ会話をしたのは何度目だろうか……。
「──涼は元気そうね」
「先ほど見かけたでしょう? 相変わらずですよ」
「輝の家にいるのなら、涼は大丈夫でしょう。涼も結婚しないだなんて……」
チッと舌打ちする姿は、私達兄弟とそっくりで、正真正銘この人と親子だと思わせて苦笑いだ。
お互いの恋人と一緒に暮らしているなんて、口が裂けても言えないな。
それでも、私達が我慢する必要なんて微塵もない。
「涼が結婚しないなら、輝がするのよね? 子供を作りなさい。輝が会社を継いだ後、どうするのよ」
「私はまだ若いんです。今は自分の事で手一杯ですよ」
「そう……まぁ今はいいわ。輝が逃げたら、涼に全てを任せるから」
「わかってますから逃げたりしません。結婚するにしても、私にも時期と相手を選ばせて下さい」
涼を会社に入れたのは、こうやって私を身動き取れなくする為でもあったんだろう。
嫌になるほど腹黒い人だ──。
「わかっているならいいわ」
「もう戻っていいですか?」
「ええ。楽しんできなさい」
こんな話をされて楽しめるわけないだろうと思いながら車から降りて、会社に戻るという母を見送った。
頑固ババァ──心の中で悪態をつく。
私は、母のおかげで何不自由なく暮らしていたけれど、こればかりはどうもできない。
会社を継ぐのは問題ないが、その後の事まで考えないといけないなんて頭が痛くなりそうだ。
だからと言って、涼に全部押し付けて逃げるなんてできるはずもない。
いっその事会社を潰してやろうかと考えながらバーに戻れば、店内はザワザワと騒がしかった。
会社を潰してしまったら、ここにいる社員に迷惑がかかると思い直して、冷静になるように自分に言い聞かせる。
結婚か……。
店の出入り口付近にあったカウンターに座って、強めのウイスキーを頼んだ。
それをグッと一気に飲んで、喉が焼けるような感覚にホッと一息つく。
ナオに会いたいな……。
あまり酒が強い方じゃない。飲み過ぎていないといい。
二杯目のウイスキーを少しづつ飲んでいたら、隣にスッと誰かが座った。
「河西主任、隣いいですか?」
高部だった。
酔っているのか顔を赤くして、ニコニコとこちらを見ている。
それを見ていたら、笑みが込み上げた。
こういう時は、一人でいない方がいいのかもしれない。
「高部の顔を見たら、なんだか力が抜けたよ」
「それって、俺の顔が面白いって事ですか⁉︎」
クスクスと笑ってやれば、高部は自分で持ってきていたグラスを傾けてカクテルを飲んだ。
視線を彷徨わせてから、そっと話し出した。
「主任……俺……ちょっと相談があるんですけど……」
「なんだい?」
「この前……主任は、男性も良いって言ったじゃないですか?」
「そうだね」
「それで……その……」
段々と小さくなる声に少し肩を寄せ合って耳を傾ける。
「男性を……意識するようになってしまって……」
「悪い事じゃないよ」
「その……好きな人が……できたみたいです……」
思わず目を合わせれば、照れているのか恥ずかしそうにしている。
「それで?」
「どうしたら……男の人と付き合えますか?」
なんともストレートな相談だ。
「男性も一緒だよ。相手を好きだという気持ちを伝えてOKを貰えばいい」
「でも、俺、自信なくて……主任みたいに、その気がない男性もその気にさせられるようになりたいです……」
「私の場合は、本能のままとしか言いようがないな。だから、多少強引にしても落ちてくれた」
「えぇ……参考にならないです……」
高部は、本気で悩んでいるようだ。
グラスの中のカクテルを一気に飲み干しておかわりをバーテンダーに頼んだ。
「そもそも、相手の事をどれくらい知っているんだい? 相手に恋人はいないのかい?」
「そういう話をする仲でもなくて……仕事で疲れて帰る時に、コーヒーのテイクアウトを頼むんですけど、そこの店員で……最初は、見かけない子だなって気になって。目で追うようになってしまって……目が合うと笑ってくれて……可愛いんです……」
その時の事を思い出しているのか顔がニヤけている。
「へぇ。今度私もそのお店に行ってみようかな」
「何度か通って……俺が仕事帰りだってわかったのか、お疲れ様ですって笑顔で言われて……思わず蒼吾ですって名乗ってしまって……」
「急に名前を名乗ったのかい? 変な人だと思われなかったかい?」
「普通そうですよね……でも、その子……いつもの笑顔で『蒼吾さん、お疲れ様です』って言ったんですよ!」
カウンターに突っ伏してニマニマとしている。
嬉しそうに笑う高部が微笑ましい。
「いい子だね」
「ですよね! あ、口説いたりしないで下さいよ!」
「私には恋人がいるから」
「ですよね~!」
酔ってるなこいつ……。
「話聞いてもらったら元気出ました! 河西主任、もっと飲みましょうよ!」
それを合図に、こちらに人が集まってしまった。
「河西! この間の案件、とても助かったよ!」
「主任って、ウイスキー似合いますね」
「いつも何を飲んでいるんですか?」
何でもない話で盛り上がるこの時間もまた楽しい。
時間が経てば、二次会へ行く人と帰る人で別れる。
私はいつも二次会には出ない。
涼もいつの間にか帰ったようだ。
帰ろうとして、奥のテーブルで伸びている人を見つける。
覗き込んでガックリとする。
高部……。
「あの、この方大丈夫でしょうか?」
ホールスタッフに心配そうに言われてしまう。
「大丈夫だと思います……高部、起きなさい」
「ぅうん……」
相当飲まされてしまったようだ。
みんな誰かが面倒を見るからと置いていったな……。
「高部? 立てるかい? タクシーを呼ぶから、家はどこだい?」
「はい……」
「おい、高部」
「……はい……」
返事しかしない。
困った。このまま置いておく訳にもいかない。
仕方なく肩を貸し、タクシーに乗せて自分のマンションに向かった。
マンションの前に着いてまた肩を貸す。
「高部、しっかり歩け」
「うぅ……」
エレベーターの中で再び声を掛けた。
「高部。起きろ」
「あれ……? 主任……? ここ……どこですか?」
「やっと気付いたね? 私のマンションだよ」
「俺……酔い潰れました? カッコ悪い……」
「若い時は良くあるよ。次は気をつけなさい。今日は私の家で休んで行くといい」
「いいんですか……?」
少ししか頭をあげられないのか、こちらを見上げる高部に苦笑いだ。
「明日は休日だし、泊まっていけばいい」
「主任……感謝です……」
鍵を開けて家の中に入ったら、電気は点いていなかった。誰もいない?
そのままゲストルームに連れてって、ベッドに座らせてネクタイを外してやる。
「高部? スーツはどうするんだい? 皺になるよ」
「あ……脱ぎます……」
のそのそとスーツを脱いで布団に横になった。
「水はいるかい?」
「はい……」
「持ってくるから待っていなさい」
水道からグラスに水を注いで持ってきてやる。
そっと上半身だけを起こした高部にそれを差し出してやれば一気に飲んだ。
「はぁ……主任……すみません……このご恩は必ず返します……」
「今回だけだからね。次はないよ」
「はい……それにしても……主任って本当カッコいいですね」
「ははっ。ありがとう」
「惚れそうです……主任なら俺もいいな……」
「いいから、もう寝なさい」
「はい……」
布団を掛けてやってホッと息を吐く。
「まったく……」
気持ち良さそうに眠る高部に苦笑いだ。
「輝さん……その方……どなたですか?」
急に聞こえた声にびっくりして振り返る。
開け放したドアの前で、ナオが立ち止まってこっちを見ていた。
「ナオ、今帰ったのかい?」
「あの……その方は……?」
「彼は高部と言って、私が教育係をしているんだ」
「それで……どうして一緒に?」
「酔い潰れてしまったので、家で休ませる事にしたんだよ」
高部を起こすと悪いと思い、ゲストルームを出て後ろ手でドアを閉めた。
廊下でナオと対面する。
「……今……惚れそうだって……言ってませんでした?」
「あれは、酔ってる時の軽口というやつだよ」
近くに来れば、ナオの目が据わっているのがわかる。
ナオも酔っているのか?
「ナオ? 君も飲み過ぎたのか? 水を持ってこようか?」
「いいです! それより……さっきのは?」
「だから、違うよ」
「……輝さんは……いつもそうなんです……」
「ナオ?」
様子のおかしいナオにガシッと腕を掴まれて部屋に連れてかれた。
そのままベッドに押し倒されて馬乗りになられた。
これは……どういう状況なんだろう……。
目が据わっているナオを見上げて、ゴクリと喉を鳴らした。
今日は飲み会だ。
新入社員の歓迎会で、私も涼も参加している。
近くのバーを貸し切っていた。
ナオも同じ日に歓迎会だそうで、今頃はどこかで飲んでいるんだろう。
私は、社長の秘書にバーの外へ呼び出され、車に乗せられた。
後部座席に座っていたのはもちろん母だ。
キッチリとスーツを着込んで、茶色く染めた長い髪を結い上げている。
まだ40代でバリバリのキャリアウーマンだ。
母と父が離婚をする時に、父は私達二人を引き取ると言ってくれた。
けれど、母が一人だけでも寄越せと言い張った為、私が母の元へ行くと決めた。
家族が揉めるのも面倒だったし、涼をこの母の所へ行かせたくなかったというのが本音だ。
母は、仕事の話をいくつかしてから本題に入った。
「輝、お見合いの話があるの」
「またですか? 懲りませんね」
結婚をしろと言われ続け、断り続けている。
それなのに、今だに持ってくる見合い話にいい加減呆れてしまう。
「私はまだ諦めてないわ」
「迷惑だと言っています」
同じ会話をしたのは何度目だろうか……。
「──涼は元気そうね」
「先ほど見かけたでしょう? 相変わらずですよ」
「輝の家にいるのなら、涼は大丈夫でしょう。涼も結婚しないだなんて……」
チッと舌打ちする姿は、私達兄弟とそっくりで、正真正銘この人と親子だと思わせて苦笑いだ。
お互いの恋人と一緒に暮らしているなんて、口が裂けても言えないな。
それでも、私達が我慢する必要なんて微塵もない。
「涼が結婚しないなら、輝がするのよね? 子供を作りなさい。輝が会社を継いだ後、どうするのよ」
「私はまだ若いんです。今は自分の事で手一杯ですよ」
「そう……まぁ今はいいわ。輝が逃げたら、涼に全てを任せるから」
「わかってますから逃げたりしません。結婚するにしても、私にも時期と相手を選ばせて下さい」
涼を会社に入れたのは、こうやって私を身動き取れなくする為でもあったんだろう。
嫌になるほど腹黒い人だ──。
「わかっているならいいわ」
「もう戻っていいですか?」
「ええ。楽しんできなさい」
こんな話をされて楽しめるわけないだろうと思いながら車から降りて、会社に戻るという母を見送った。
頑固ババァ──心の中で悪態をつく。
私は、母のおかげで何不自由なく暮らしていたけれど、こればかりはどうもできない。
会社を継ぐのは問題ないが、その後の事まで考えないといけないなんて頭が痛くなりそうだ。
だからと言って、涼に全部押し付けて逃げるなんてできるはずもない。
いっその事会社を潰してやろうかと考えながらバーに戻れば、店内はザワザワと騒がしかった。
会社を潰してしまったら、ここにいる社員に迷惑がかかると思い直して、冷静になるように自分に言い聞かせる。
結婚か……。
店の出入り口付近にあったカウンターに座って、強めのウイスキーを頼んだ。
それをグッと一気に飲んで、喉が焼けるような感覚にホッと一息つく。
ナオに会いたいな……。
あまり酒が強い方じゃない。飲み過ぎていないといい。
二杯目のウイスキーを少しづつ飲んでいたら、隣にスッと誰かが座った。
「河西主任、隣いいですか?」
高部だった。
酔っているのか顔を赤くして、ニコニコとこちらを見ている。
それを見ていたら、笑みが込み上げた。
こういう時は、一人でいない方がいいのかもしれない。
「高部の顔を見たら、なんだか力が抜けたよ」
「それって、俺の顔が面白いって事ですか⁉︎」
クスクスと笑ってやれば、高部は自分で持ってきていたグラスを傾けてカクテルを飲んだ。
視線を彷徨わせてから、そっと話し出した。
「主任……俺……ちょっと相談があるんですけど……」
「なんだい?」
「この前……主任は、男性も良いって言ったじゃないですか?」
「そうだね」
「それで……その……」
段々と小さくなる声に少し肩を寄せ合って耳を傾ける。
「男性を……意識するようになってしまって……」
「悪い事じゃないよ」
「その……好きな人が……できたみたいです……」
思わず目を合わせれば、照れているのか恥ずかしそうにしている。
「それで?」
「どうしたら……男の人と付き合えますか?」
なんともストレートな相談だ。
「男性も一緒だよ。相手を好きだという気持ちを伝えてOKを貰えばいい」
「でも、俺、自信なくて……主任みたいに、その気がない男性もその気にさせられるようになりたいです……」
「私の場合は、本能のままとしか言いようがないな。だから、多少強引にしても落ちてくれた」
「えぇ……参考にならないです……」
高部は、本気で悩んでいるようだ。
グラスの中のカクテルを一気に飲み干しておかわりをバーテンダーに頼んだ。
「そもそも、相手の事をどれくらい知っているんだい? 相手に恋人はいないのかい?」
「そういう話をする仲でもなくて……仕事で疲れて帰る時に、コーヒーのテイクアウトを頼むんですけど、そこの店員で……最初は、見かけない子だなって気になって。目で追うようになってしまって……目が合うと笑ってくれて……可愛いんです……」
その時の事を思い出しているのか顔がニヤけている。
「へぇ。今度私もそのお店に行ってみようかな」
「何度か通って……俺が仕事帰りだってわかったのか、お疲れ様ですって笑顔で言われて……思わず蒼吾ですって名乗ってしまって……」
「急に名前を名乗ったのかい? 変な人だと思われなかったかい?」
「普通そうですよね……でも、その子……いつもの笑顔で『蒼吾さん、お疲れ様です』って言ったんですよ!」
カウンターに突っ伏してニマニマとしている。
嬉しそうに笑う高部が微笑ましい。
「いい子だね」
「ですよね! あ、口説いたりしないで下さいよ!」
「私には恋人がいるから」
「ですよね~!」
酔ってるなこいつ……。
「話聞いてもらったら元気出ました! 河西主任、もっと飲みましょうよ!」
それを合図に、こちらに人が集まってしまった。
「河西! この間の案件、とても助かったよ!」
「主任って、ウイスキー似合いますね」
「いつも何を飲んでいるんですか?」
何でもない話で盛り上がるこの時間もまた楽しい。
時間が経てば、二次会へ行く人と帰る人で別れる。
私はいつも二次会には出ない。
涼もいつの間にか帰ったようだ。
帰ろうとして、奥のテーブルで伸びている人を見つける。
覗き込んでガックリとする。
高部……。
「あの、この方大丈夫でしょうか?」
ホールスタッフに心配そうに言われてしまう。
「大丈夫だと思います……高部、起きなさい」
「ぅうん……」
相当飲まされてしまったようだ。
みんな誰かが面倒を見るからと置いていったな……。
「高部? 立てるかい? タクシーを呼ぶから、家はどこだい?」
「はい……」
「おい、高部」
「……はい……」
返事しかしない。
困った。このまま置いておく訳にもいかない。
仕方なく肩を貸し、タクシーに乗せて自分のマンションに向かった。
マンションの前に着いてまた肩を貸す。
「高部、しっかり歩け」
「うぅ……」
エレベーターの中で再び声を掛けた。
「高部。起きろ」
「あれ……? 主任……? ここ……どこですか?」
「やっと気付いたね? 私のマンションだよ」
「俺……酔い潰れました? カッコ悪い……」
「若い時は良くあるよ。次は気をつけなさい。今日は私の家で休んで行くといい」
「いいんですか……?」
少ししか頭をあげられないのか、こちらを見上げる高部に苦笑いだ。
「明日は休日だし、泊まっていけばいい」
「主任……感謝です……」
鍵を開けて家の中に入ったら、電気は点いていなかった。誰もいない?
そのままゲストルームに連れてって、ベッドに座らせてネクタイを外してやる。
「高部? スーツはどうするんだい? 皺になるよ」
「あ……脱ぎます……」
のそのそとスーツを脱いで布団に横になった。
「水はいるかい?」
「はい……」
「持ってくるから待っていなさい」
水道からグラスに水を注いで持ってきてやる。
そっと上半身だけを起こした高部にそれを差し出してやれば一気に飲んだ。
「はぁ……主任……すみません……このご恩は必ず返します……」
「今回だけだからね。次はないよ」
「はい……それにしても……主任って本当カッコいいですね」
「ははっ。ありがとう」
「惚れそうです……主任なら俺もいいな……」
「いいから、もう寝なさい」
「はい……」
布団を掛けてやってホッと息を吐く。
「まったく……」
気持ち良さそうに眠る高部に苦笑いだ。
「輝さん……その方……どなたですか?」
急に聞こえた声にびっくりして振り返る。
開け放したドアの前で、ナオが立ち止まってこっちを見ていた。
「ナオ、今帰ったのかい?」
「あの……その方は……?」
「彼は高部と言って、私が教育係をしているんだ」
「それで……どうして一緒に?」
「酔い潰れてしまったので、家で休ませる事にしたんだよ」
高部を起こすと悪いと思い、ゲストルームを出て後ろ手でドアを閉めた。
廊下でナオと対面する。
「……今……惚れそうだって……言ってませんでした?」
「あれは、酔ってる時の軽口というやつだよ」
近くに来れば、ナオの目が据わっているのがわかる。
ナオも酔っているのか?
「ナオ? 君も飲み過ぎたのか? 水を持ってこようか?」
「いいです! それより……さっきのは?」
「だから、違うよ」
「……輝さんは……いつもそうなんです……」
「ナオ?」
様子のおかしいナオにガシッと腕を掴まれて部屋に連れてかれた。
そのままベッドに押し倒されて馬乗りになられた。
これは……どういう状況なんだろう……。
目が据わっているナオを見上げて、ゴクリと喉を鳴らした。
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