完結【マーガレット様、初対面の天才引きこもり男に股を開けと言われたらどうすればよろしいでしょうか?】

三月ねね

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「ぐっ!うぅー、はっ、はぁ!あぁっ!」
艶やかな声が止まらないのは私ではなくニコラス様だ。
「しっ!静かにしないと隣に聞こえてしまいますよ?」
「ううっ、分かった。しかし勝手に出てしまうんだ。お願いだクロエ、キスしてくれ」
快感で涙の滲む目を向けられキュンとなる。まずい癖になりそう。いやもうなっている。ニコラス様限定だけど。
「まだ下着も脱いでないのに、随分忍耐が無いのですね?キスはお預けです」
そう、まだパンツを穿いたままなのだ。あの卑猥パンツを。
上からも下からもはみ出てしまっているし、中央の隙間からも血管の浮いた陰茎がチラリと覗いている。
パンツに口を付け布地の中に息を吹き込む。
「あ……んぐぅっ。ふぅ、ふぅ。クロエそんな技をどこでっ!」
「忘れたのですか?さくらんぼ姫を」
そう、あれが指南書。本の内容を実際に試してみたのだ。
歯でリボンを噛み、ゆっくりと解く。
リボンが千切れそうなほど張っていた布地が自由になって横へと逃れ、ぱっくりと開く。
「クロエ、上も自由にしてほしい。下も締め付けられて苦しいんだ」
氷のようだと思った薄い水色の瞳が、瞳孔の周りだけ少し濃い青になり綺麗なグラデーションになっている。欲情すると色が濃くなるのね。
この色を見るのは私だけ。
パンツの上部からは傘を広げた雁首、中央からは柔らかな草むらと血管が浮かんだごつごつとした陰茎、下部は収まりきらずはみ出た陰嚢がパンツに分断され左右からこちらをうかがっている。
「壮観だわ。さくらんぼ姫を読んだ時は、なぜ男性を優位に立たせてあげないのかと疑問だったの。今やっと姫の気持ちを理解したわ」
「ク、クロエ。お願いだキスして?クロエのキスが欲しい」
目じりから、一筋の涙がこぼれて、さすがに待たせ過ぎたかとキスをする。
つたないキスをした私に、ニコラス様がかぶりつくようにリードを奪いに来る。
舌を絡め合い、くちゅくちゅと快感を分ちあうように唾液を混ぜ合う。
自分の蜜口からも液体が溢れ、水音がしそうなほど濡れているのが分かる。
キスをしながら、下半身に手を伸ばし、中央の隙間から一気に陰茎を引き抜いた。
「ぐはぁっ!」
「わっ痛かった?」
大きな声に焦って顔を窺う。
「うー!いきなり自由になったから出そうになった。もう長く持たないから乳房も見せて欲しい」
「ちょっと張っていて強くもまれると痛いから優しく触ってね?」
「エストロゲンとプロゲステロンだな。食事メニューを伯爵家の料理長に提案しておこう。カルシウムとビタミ――」
こんな時に専門的な話をされても頭に入ってこないから、ニコラス様の白い肌に映える乳首に吸い付きながら陰茎をなぞった。
「はぐぅ、君は不意打ちが多すぎやしないだろうか。あ、そこは、うぐぅ」
頂点の割れ目を親指で撫でながら幹を優しく揉むと、嫌々をするように首を振った。
「早く、おっぱいを……ぜひ見せてくれ」
足首に執着していたかと思えば、今日は胸の日のようだ。
ネグリジェのボタンを外しウエストまで落とすと、胸当ても取り去る。
「あぁ、このおっぱいだ。隣国と魚戦争をしている時も、クロエのおっぱいが目の前を泳いで仕方なかったんだ」
思わずおっぱいにヒレと尻尾が付いた姿を想像してしまい苦笑する。おっぱいを泳がせて興奮するのはニコラス様ぐらいだ。
零れ落ちる先走りの真珠が増えたので、手で伸ばし動きを変えリズミカルに幹を擦り上げる。
「はぁ、はぁ、クロエ」
喘ぎながらも、揺れる胸を下から支え撫でさすりながら、私の顔から目を離さない。
「クロエ、ク、ク、クロエ!もうダメだ!でるぅーあぁっう!!」
とっさにキスをして声を吸い込み、傘に蓋をするようにして発射させたものを手のひらで受け止めた後、間を置かず体ごと下へとずり下がる。
手のひらで受けた時ほどの勢いはないが、まだ排出されている。ビクビクと跳ねる腰をそっと撫でてから、先端にチュウっと吸い付いた。
「ぐああぁ!!」
全身を跳ねさせ、もう一度勢いよく発射させた。

「続けて二度も出るんですね?」
後片付けを終えてからどうしても気になって聞いてしまった。女性だけの猥談でも聞いたことが無かったもの。
「いや出ない。あのように射精が二度も時間を置かず続けて出る事案は、読んだことも無いし、聞いたことも無い。個々の違いはあれど二度目の射精には時間が必要不可欠だ。僕は人類史上初めての経験をしたかもしれない。文献として残すべきだろうか……」
やめて下さい。私が恥ずかしいです。
「特殊事例だったのでしょう。私たちだけの秘密にしましょうよ」
ニコラス様は神妙な顔で頷き、二人の秘密と言うのは心地よい言葉だと納得してくれたのでホッとした。
「今日のクロエは……非常に、あれだ、その挑戦的で好奇心旺盛だったと思うのだが、君はリードする方が好みなのだろうか?」
これは恥ずかしいけど、長い結婚生活を共に過ごすためには、きちんと答えておいた方が良いだろう。
「あの、私、ちょっと月の物の前は変になるんです。普段はそんな欲はあまりないのですが、直前だけ淫らになって自分で……触りたくなるんです。でも今回は色々あってそんな気分にならなかったのですが、ニコラス様を見て淫らな気分になってしまったのかもしれません」
なにやら少し考えたニコラス様は、私を優しく引き寄せた。
「自慰は恥ずかしい事ではない。それに生理前の性欲の高まりは、女性ホルモンが減って男性ホルモンが作用するからだ。女性の自然な姿で当たり前の感情だ。しかし次回からは性欲が高まる時期には僕と愛し合って欲しい。そんな時こそ二人で楽しむ方が良いだろ?今日のように普段と違う小さな冒険をしてみるのも面白い。今日は僕だけエクスタシーを体感してしまったから、生理が終わればクロエをたくさん可愛がらせてくれ」
「はいぃ……よろしくお願いします」
恥ずかしく思いながらもペコリと頭を下げる。
「図書室のメイシーおばさんの蔵書を読まないといけないな。今まで興味が無かったので気に留めなかったが、なかなか参考になる。二人で朗読し合うのもいいな」

……あんまり突き抜けたのはやめて下さいね?

【神様、私は知らなかったんです!結婚式で聖書に愛を誓った後、ニコラス様がこれにも誓いたいと『さくらんぼ姫とチェリー』を持ち出して来るなんて、本当に知らなかったんです!】
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