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はじまりの森

目覚めた。そして出会った二人

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ん…コショコショしないで
まだ眠いんだ。

昨日久しぶりに息子達と一緒にご飯食べれたし、嬉しくて飲んだくれてご機嫌さんで楽しかったぁ。

幸せだなぁ…眠いなぁ…おやすみぃ。

ん…うぅん…

なんかくすぐったい…なに?

「やめてよー!!」

ってガバッと起きた…

ん?エッ?アレ?
何か変な感じするけど…
鼻くすぐったいからぐしぐし擦ってみたけど…目の前に見えた手がね…なんだかね…小さくてぽにゅぽにゅしてる。
そのままフリーズしてしまった。
瞬きパチパチパチ…して目をぎゅって瞑ってみた。

瞑想しながら、スーハースーハー深呼吸。

落ち着いて、うん、落ち着いて。
昨日みんなと仲良くご飯食べて幸せだなーって寝たんだよ?
今目が覚めたら、たぶん知らない場所で一人。
そして…なにかくすぐったいし…擦ってた時に小さい手しか見えなかったけど…気のせいかも知れないし…確認しなきゃね…うん…確認大事だもんね!

気合いを入れて目…開けてみたら…なんとそこは、森の中に隠れてる丸い場所。
空は青く陽だまりでポカポカで優しい風が吹いていた。
手を見たら…子供の手だった…
しばらく、ボーッっとしていたら
急に視界に影が見えた。

”え?なに?えーー!”とびっくりし過ぎて声も出なかった。

「ん?君どこから来た?」と
金色の瞳の男の人が見つめていた。

”逃げなきゃ!”と、バタバタしてみたが、男の人に抱き上げられていたみたいでパニックになり、どうしたら良いかわからなくて…
”うっ…うぅ…うぁ~~ん”
と大きな声で泣いて泣いて…そのまま気が遠くなって目があかなくなってしまった。

-———————————

「タダイマ…」
小さな声だったけど聞こえたみたいだ。

仕事部屋にいたんだろうか…コチラに向かってる足音がしてる。

リビングのソファーに座って待つ間に、
腕の中でスヤスヤと眠る子供…涙がポロリと1粒零れてきたので恐る恐る親指でほっぺに触れてみた。

ん~なんてぽにゅぽにゅなんだ…
もっと触れてもいいだろうか…
それに、とても甘い匂いがするんだ。
優しく優しく抱きしめながら
スーッっと匂いを吸い込んだ…

「おかえりーノエル」
「うん  クラン」
ソファーの後ろから抱きしめられた時に気づいたみたいだ。

「なに抱えてるの?って!えー?ん?なんで?どうしたの?エッ?どどど…どうしたの?!!?うわぁぁぁ…かぁわぁいぃいぃ━」

クラン…パニクってるな。

「ねぇねぇ 触ってもいいかな?ほっぺ触っていい?何歳くらいかなぁ…あ!起きちゃいそうだよ…」

「ん…ン…」
って、両手をぎゅーっと上にして伸び伸びして目をぱちぱちしながら、起きた。

目が合った。

次にクランの方を見て、また僕を見た。

黒い瞳…とても綺麗だなって思ってたら

笑ったんだ。

左右のほっぺには  エクボができてさ
タレ目で ふにゃり  って感じで

「「天使だ…」」

クランと僕は呟いた。
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