恋の秘密はサファイアの瞳

十人 秋夜

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舞踏会で咲く氷の花は どこまでも青い

青い髪飾りの秘密は独占欲を掻き立てる。

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~アレルキトのほんの少しの独占欲~

 サファイアは賢いし、優しい。だけど恋愛はとてつもない程、初(うぶ)だ。ちょっと触れただけで、顔を真っ赤にする。ちょっと褒めただけで、すぐ照れる。
 本当のことを言っただけなのに。
 
 サファイアに姉がいたのは書類を見て知っていたが、あんなに性格が悪いとは思わなかった。サファイアのことを散々に言った挙げ句の果てに、サファイアが大切にしている髪飾りまで。許せなくて、とてつもなく腹が立った。こんな辛い思いをしていたら、名前だって変えたくなったって当然だ。
 落とされた髪飾り。綺麗で、サファイアによく似合うあまり目立たないけれど美しさを持っている。サファイアに会う度に、必ずつけていた。落とされた髪飾りを拾うと、ふと今まで気付かなかったことに気づいた。髪飾りの裏に名前が刻まれていた。


ーーーーーSapphire
     Emeraldーーーーー

 サファイアとエメラルド  どちらも宝石の名前だけれど、サファイアはおそらくフェイルエールを現しているのだろう。ならば、エメラルドとはだれだろう。
 この国では、大切な人と長い間別れるときに髪飾りや宝石を渡す風習がある。別れとは事情により離れ離れになったり、家柄により政略結婚させられるときに二人の愛を形に残すために互いの名前を刻む。サファイアにそんな相手がいたのだろうか。そんなふうには見えないし、思いたくない。
 誰も愛さないし、愛されたいとも思わない。 サファイアが言ったことだ。それは、彼女が家のためなら誰とでも結婚するという意味だと思っていた。けれどもしそれが別の意味だったら、どうなるのだろうか。心に決めた相手がいるから、彼以外の愛もいらなければ彼以外を愛するつもりも無いということではないだろうか。そちらの方が納得できるし、髪飾りの二人の名前にも説明がつく。
 心臓がざわつく。煙たくなる。変に腹が立って、悔しい。



 悔しい・・・・・・





 サファイアが盗られてしまったようで・・・・・・・・・
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