恋の秘密はサファイアの瞳

十人 秋夜

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舞踏会で咲く氷の花は どこまでも青い

邪魔が入らなければいいのに

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~国王は忙しい~

 舞踏会、もう曲がかかっているのにまだ挨拶をしている。国王の隣に並んで笑って挨拶をしていると、何をやっているのだろうと考えてしまう。今日まで何度も考えたが、結局行き着く答えは一つ。仕事だからだ。仕事でしかないのだから、指示されたことをすれば良いだけのこと。
 これで何人目だろう。あちこちから刺さるような視線を向けられ、痛い。やはり、不釣り合いなのだろう。家柄が良い訳でも無いし、国王程の容姿を持っている訳ではない。嫉妬というより、あの子で良いなら何故自分はダメなのかという視線だろう。全くもって同感だ。何故私なのか、いくら考えても分からない。

「サファイア、すごく綺麗だ。 ドレスが似合って良かった。」

  にこりと笑う爽やか笑顔に、甘い言葉。普通の少女であればキュンとするのだろうか、あいにくそんな心臓は持っていない。
 そのはずなのに、くぅと苦しく、熱くなる胸に激しくなる鼓動。

 彼の手が頬に触れる。ゆっくりと上を向かされ、熱い視線が捕らえて離さない。止まってしまいそうな呼吸に、固まったように動けなくなる。

「サファイア! 」

  相変わらず突き刺さるような、甲高い声。この状況から逃れたかったはずなのに、なんだか落ち込んでいる。
  頬の手のひらも、スルリと滑り落ちる。

「なんでしょう?」

  これまで姉の顔を見て嬉しいと思ったことは無いが、ここまで嫌だと感じたのはおそらくこれが一番だ。

  「緑の瞳に眼鏡をかけた茶髪の人見なかったかしら?」

  見てはいないが、確かどこかで見た。けれどなかなか思い出せない。

「そう、ならいいわ。  せいぜい恥をかかないよう、努めなさい!」

  くるっと背を向け、ツカツカと歩いていく礼儀知らずの姉。誰を探していたのかは分からないが、おそらく恋人かその類(たぐい)だろう。

  ふいに手を取られる。手を取ったのは国王だ。グイグイと引っ張られもう会場を出ていた。
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