救いようのないバカを娶りました

十人 秋夜

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娶ったのなら最後まで

それでも夜は更けていく

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「ジオラ様・・・・ジークフリード・・・私、守れましたでしょうか。これからも・・・守りますからね」

 真っ暗な中、きっと見えなくてもそこにある月に向かって、叫んだ。
 背を向けたまま、待っているエフは・・・・何を考え、想っているのだろうか。


 何も知らずに、眠るジオラ。
 そんなジオラにはすでに、変化が訪れていたのではないだろうか・・・・・

***

「おかえりなさいませ、ロットバルト様」
「・・・・・」
「皆様、ご無事に帰られております」
「・・・・・」
 フードで隠した口元は緩んでいた。
 かけがえのない弟達の力を借りるしか手段のない中で、何も言わずついて来てくれた。
 まだまだ幼い気もするが、それでも確かな実力がある自慢の弟達だ。
「兄上、おかえりなさい。これで、しばらく襲撃はないかと」
「そうか・・・」
「それと、またジベルガが・・・」
 ロットバルトがはぁ、とため息を吐いたことで、ロットバルトの弟、ニルアギオは口を閉じた。
「他のは、何か言っていたか?」
「はい、言っておりました」
 ロットバルトは眉間に皺を寄せ、軽く睨んだ。「何かあるのならば、早く言え」とでも言っているような視線だった。
「その・・・・兄上がなさったことは、的な報酬以上のことではなかったと我々は思っております」
 ロットバルトの冷ややかな視線は、ますます冷たさを増した。
「今回の仕事も、報酬以上でも以下でもない。いつも通りだろう?」
 何か言いたげな顔をしながら歩き出したニルアギオに、ロットバルトは黙ってついていった。
「みんなはもう寝ました。兄上も湯に浸かってから、すぐに寝られた方が良いのでは・・・」
「通常執務に休みはない」
 冷たく言い放ったロットバルトに、ニルアギオはしびれを切らした。
「いい加減にしてくださいっ!いつもいつもあなたの口からは仕事ばかり、いつもそうやって家族から逃げて!だから、こんなふうに兄上から頼られることが、弟の私達は嬉しかったです・・・でも、でも、何か兄上は言うべきことを黙っておられるのではないでしょうか?」

「・・・・・・」

「久しぶりに見ました。
 兄上の、困った顔。心底、悩まれている顔。
 都合の悪いことは黙って、静かに逃げられる・・・

「ニルアギオ、おまえの言う通りだ。
 報酬以上の目的があった。仕事に、私情を挟んだ。エヌ、おまえはこんな俺より・・・ずっと人に信頼される国王になるだろう・・・・」

「あ、兄上、それは!」
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