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怪人カピバランZ 編
プロローグ(序)
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そう――あれは、とあるごく普通な日の会社帰りの出来事だった。
いつもの見慣れた通勤電車に乗った俺は、自宅最寄りの駅に降りて改札を通り過ぎた。時刻は夜の十時過ぎだったろうか。
それなりの残業の後で疲労感たっぷりの俺の耳に、突然、頼り無さ気な若い男の声が後方から割り込んで来たのだ。
「あのう……すみません。ここから一番近い本屋はどこですか?」
「えっ? ああ、それならね――」
親切に書店の場所を教えようとした俺の口の周りに感じたのは、妙な臭いのする白いハンカチの感触だった。もしかして、これがテレビとかで有名なクロロホルム?
そんなことを考えているうち、今から映画の上映が始まる映画館のように、ぐんぐんと闇に包まれていった意識――。
暫く後に気付いた時、俺は手術台の上にいた。
眼が眩むばかりの、自分を照らしつける白く激しい光。
(ちっくしょう……。一体、何があったんだ?)
体を動かそうとするも、がっしりと手足が固定されていて動かない。口には猿ぐつわ。上手くしゃべれない。
「では、改造手術を始める」
俺の焦燥など気にも留めていない。
白衣を身に付けた白髪の初老の男は、右手にきらりと光るメスを持ちながら、不気味にその眼を輝かせた。
「ぐわあぁぁ」
思わず口から漏れたのは、声にならない叫びだった。
(これ、全身麻酔なのだろうか。痛いのは嫌だぞ!)
だが、そんな不安は杞憂に終わる。
麻酔がたっぷりと効いていたらしい俺は、まるで崖から転げ落ちるかのように、再び意識が遠のいた。
◇
「ううっ……」
次に俺を襲ったのは酷い頭痛だった。
後から分かったことだが、それはあの忌まわしい改造手術から三日ほど過ぎたときのことだった。
ぼやけた視界がハッキリとし始め、頭痛が治まったときには、自分は既に『怪人 カピバランZ』になっていた。
鏡を見た訳でもないのに自分が怪人になったことが何故わかったのか――。
それは、至極単純な理由だった。自分が目覚めたベッドの枕元に、『怪人 カピバランZ』と張り紙がされていたからだ。
意識が戻ったというのにそれには誰も気づかなかったのか、俺は病院のような部屋の中で、かなりの長い時間、取り残されていた。
声を出したくても声帯にまで手を加えたのか、声が思ったように出ない。
何か行動を起こしたかったが、心の動揺が大きすぎて何をすればいいのかもわからず、結局そのままベッドの上で寝転んでいた。
(よりによって、カピバラとは……)
茶色く堅い毛の生えた、細めの腕。掌を返すと、黒くてプニプニした肉球が当たり前のように並んでいた。これじゃコンビニのおにぎりも食べられやしない……。
そんなとき、病室のドアがノックされた。
やっとのことで俺の意識回復に気付いたのだろうか。心の動揺を隠すため、上手く出ない声ながらも、できるだけ低くて落ち着いた声で俺は応答した。
「……どうぞ」
入ってきたのは、長年の使用のせいか、だいぶくたびれた感じの白衣を着た白髪の老人だった。
俺に近づいてくる!
これから何が起こるのかと思うと、胸がドキドキして収まらない。
でもよく見ると髪が全部真っ白というだけで、老人とまでは云えなさそうな顔つきと体の動きだった。六十代前半くらいだろうか。
――!? そうか、わかった! あの手術の日、目の前でメスを持っていたあの男だ! 俺に改造手術を行った、悪の科学者に違いない!
「おお、怪人カピバランZ。手術後の体調はどうじゃ? わしは、マクシミリアン博士、お前の生みの親ともいえるな」
「……」
俺は何を云っていいのかもわからず、黙っていた。
「そうじゃろう、そうじゃろう。いきなりそんなこと云われても、何を云っていいかわからんじゃろうな……。すまん、すまん。何せもう、お前が人間だった頃の記憶をなくすように手術は施してある。記憶が無くなるのは寂しいことともいえるが、モノは考えようじゃ。過去の大したことないサラリーマン生活での悲しみや辛さを忘れ、これからはカッコいい改造人間として立派に働けるんじゃから、返ってそれは良いこととも云える訳じゃよ!」
取って付けたような理屈で俺を煙に巻いた、マクシミリアン博士。
まだ黙ったままでいると、訊いてもいないのに、俺こと「怪人カピバランZ」や、悪の組織「ウルトラ・ショッカー」について詳しい説明をべらべらと話し出した。
長くてまわりくどい話に辟易とした俺だったが、その話の中で二つの事柄だけは、頭に何とか入れた。
ひとつ目は、この悪の組織の宿敵は「ジャスティス・タイガー」という虎の格好をしたコスプレ的正義の味方であるということ。
ふたつ目は、俺の怪人としての能力のことだった。
今後俺は、その能力で正義の味方と戦わねばならないのだ。いやが上にも頭には入る。
博士が云うには――俺の特殊戦闘能力は、「相手をぼーっとさせ、その隙に鋭い前歯で突く」ということらしい。名付けて『ドリーミー・ダイナマイト・前歯アタック』。
……名前の意味も全然判らないし、中途半端だ。どうして技の名前の一部が日本語なのかも意味不明。どうせなら全部英語にしてくれれば良かったのに……。
「その技の名前の命名権は私に無いのでしょうか」
「ない。総てはわしが決めることじゃ」
「……そ、そうですか」
にべもなく提案を拒否された、俺。
そんな変な名前の技を使う怪人である俺が、組織の宿敵「ジャスティス・タイガー」を倒せるのだろうか? 心の中に、どす黒く巨大な不安が膨れ上がる。
第一、手術は失敗だったのだ。
博士は記憶を失う手術をしたと云うが、今の俺は自分の本当の名前も思い出せるし、家族の名前や顔も覚えている。そんな程度の手術なら俺の戦闘能力だって疑わしい。こいつ、きっとダメ博士だ。
しかし、記憶があるなどと云ってしまうと更なる改造が行われるかもしれない。
それが怖いがために、黙っていることにした。
「では、お前の活躍を楽しみしておるぞ」
自分がしゃべりたいことをすべて云い切ったらしいポンコツ博士は、意気揚々と部屋を出て行った。
◇
そんな日から、約一か月が経過した。
体力を回復させた俺は、戦闘訓練を日々重ねながら、改造人間としての心得や組織の掟、そしてジャスティスタイガーの必殺技などについて学んでいた。
そして、つい先程のことだった。
使いの下っ端戦闘員を介し、我が悪の組織の長である岩田総統から呼ばれ、総統室へとやって来たのだ。
もちろん、総統の名前などその正体については組織のトップシークレットだ。だが、怪人である俺には、そんな情報も特別に提供される。
こんこん。
総統室のドアを、ノックする。
総統とお会いするのはこれで2回目だった。組織の中では一目置かれる怪人の俺とはいえ、緊張することは否めない。
「カピバランZです。よろしいでしょうか」
「うむ、入れ」
総統室のドアを開け、カピバラの歩みの如くゆっくりと入室する。
「お呼びとのことでしたので、参りました」
「うむ。他でもない、お前に今やってもらっている訓練のことだ」
「はっ!」
「先ほどモニターを通じて見させてもらったが、もういいだろう。新人訓練は卒業だ」
「ははっ!」
「であるからして『怪人カピバランZ』は、本日正式に『ウルトラ・ショッカー』の所属怪人となることを認める」
「ははっ! 光栄であります!」
「うむ。カピバランZよ、明日がお前の初陣だ。暴れて来るがよい!」
「ラジャー!」
こうして俺は、総統のお墨付き怪人となった。
それはつまり、宿敵「ジャスティス・タイガー」との初対決が明日となることを意味していた。
(本当に敵を倒せるのだろうか? この俺に――)
ブルーな気分が、俺の内面世界を深く静かに満たしていく。
総統室を出た俺は、ふと立ち止まった。
そして、懐に忍ばせた一枚の紙をこっそりと取り出した。それは組織にはひた隠しに隠している俺の秘密の宝物、隅の破れたしわくちゃの『家族写真』だった。サラリーマンのときに通勤定期用のパスケースの中に潜ませておいたモノで、妻と一人息子と自分の三人が弾けた笑顔で並んでいる。
この写真が残ったのは奇跡だった。
余程それを失いたくなかったのだろう。改造手術中も、意識の無い中でそれをずっと右手で握っていたために、組織に見つからなかったのである。
周りに誰の目もないことを確認した俺は、目から流れ出た熱い液体が頬を伝うのを感じながら、しばらくの間じっとそれを見つめ続けた。
いつもの見慣れた通勤電車に乗った俺は、自宅最寄りの駅に降りて改札を通り過ぎた。時刻は夜の十時過ぎだったろうか。
それなりの残業の後で疲労感たっぷりの俺の耳に、突然、頼り無さ気な若い男の声が後方から割り込んで来たのだ。
「あのう……すみません。ここから一番近い本屋はどこですか?」
「えっ? ああ、それならね――」
親切に書店の場所を教えようとした俺の口の周りに感じたのは、妙な臭いのする白いハンカチの感触だった。もしかして、これがテレビとかで有名なクロロホルム?
そんなことを考えているうち、今から映画の上映が始まる映画館のように、ぐんぐんと闇に包まれていった意識――。
暫く後に気付いた時、俺は手術台の上にいた。
眼が眩むばかりの、自分を照らしつける白く激しい光。
(ちっくしょう……。一体、何があったんだ?)
体を動かそうとするも、がっしりと手足が固定されていて動かない。口には猿ぐつわ。上手くしゃべれない。
「では、改造手術を始める」
俺の焦燥など気にも留めていない。
白衣を身に付けた白髪の初老の男は、右手にきらりと光るメスを持ちながら、不気味にその眼を輝かせた。
「ぐわあぁぁ」
思わず口から漏れたのは、声にならない叫びだった。
(これ、全身麻酔なのだろうか。痛いのは嫌だぞ!)
だが、そんな不安は杞憂に終わる。
麻酔がたっぷりと効いていたらしい俺は、まるで崖から転げ落ちるかのように、再び意識が遠のいた。
◇
「ううっ……」
次に俺を襲ったのは酷い頭痛だった。
後から分かったことだが、それはあの忌まわしい改造手術から三日ほど過ぎたときのことだった。
ぼやけた視界がハッキリとし始め、頭痛が治まったときには、自分は既に『怪人 カピバランZ』になっていた。
鏡を見た訳でもないのに自分が怪人になったことが何故わかったのか――。
それは、至極単純な理由だった。自分が目覚めたベッドの枕元に、『怪人 カピバランZ』と張り紙がされていたからだ。
意識が戻ったというのにそれには誰も気づかなかったのか、俺は病院のような部屋の中で、かなりの長い時間、取り残されていた。
声を出したくても声帯にまで手を加えたのか、声が思ったように出ない。
何か行動を起こしたかったが、心の動揺が大きすぎて何をすればいいのかもわからず、結局そのままベッドの上で寝転んでいた。
(よりによって、カピバラとは……)
茶色く堅い毛の生えた、細めの腕。掌を返すと、黒くてプニプニした肉球が当たり前のように並んでいた。これじゃコンビニのおにぎりも食べられやしない……。
そんなとき、病室のドアがノックされた。
やっとのことで俺の意識回復に気付いたのだろうか。心の動揺を隠すため、上手く出ない声ながらも、できるだけ低くて落ち着いた声で俺は応答した。
「……どうぞ」
入ってきたのは、長年の使用のせいか、だいぶくたびれた感じの白衣を着た白髪の老人だった。
俺に近づいてくる!
これから何が起こるのかと思うと、胸がドキドキして収まらない。
でもよく見ると髪が全部真っ白というだけで、老人とまでは云えなさそうな顔つきと体の動きだった。六十代前半くらいだろうか。
――!? そうか、わかった! あの手術の日、目の前でメスを持っていたあの男だ! 俺に改造手術を行った、悪の科学者に違いない!
「おお、怪人カピバランZ。手術後の体調はどうじゃ? わしは、マクシミリアン博士、お前の生みの親ともいえるな」
「……」
俺は何を云っていいのかもわからず、黙っていた。
「そうじゃろう、そうじゃろう。いきなりそんなこと云われても、何を云っていいかわからんじゃろうな……。すまん、すまん。何せもう、お前が人間だった頃の記憶をなくすように手術は施してある。記憶が無くなるのは寂しいことともいえるが、モノは考えようじゃ。過去の大したことないサラリーマン生活での悲しみや辛さを忘れ、これからはカッコいい改造人間として立派に働けるんじゃから、返ってそれは良いこととも云える訳じゃよ!」
取って付けたような理屈で俺を煙に巻いた、マクシミリアン博士。
まだ黙ったままでいると、訊いてもいないのに、俺こと「怪人カピバランZ」や、悪の組織「ウルトラ・ショッカー」について詳しい説明をべらべらと話し出した。
長くてまわりくどい話に辟易とした俺だったが、その話の中で二つの事柄だけは、頭に何とか入れた。
ひとつ目は、この悪の組織の宿敵は「ジャスティス・タイガー」という虎の格好をしたコスプレ的正義の味方であるということ。
ふたつ目は、俺の怪人としての能力のことだった。
今後俺は、その能力で正義の味方と戦わねばならないのだ。いやが上にも頭には入る。
博士が云うには――俺の特殊戦闘能力は、「相手をぼーっとさせ、その隙に鋭い前歯で突く」ということらしい。名付けて『ドリーミー・ダイナマイト・前歯アタック』。
……名前の意味も全然判らないし、中途半端だ。どうして技の名前の一部が日本語なのかも意味不明。どうせなら全部英語にしてくれれば良かったのに……。
「その技の名前の命名権は私に無いのでしょうか」
「ない。総てはわしが決めることじゃ」
「……そ、そうですか」
にべもなく提案を拒否された、俺。
そんな変な名前の技を使う怪人である俺が、組織の宿敵「ジャスティス・タイガー」を倒せるのだろうか? 心の中に、どす黒く巨大な不安が膨れ上がる。
第一、手術は失敗だったのだ。
博士は記憶を失う手術をしたと云うが、今の俺は自分の本当の名前も思い出せるし、家族の名前や顔も覚えている。そんな程度の手術なら俺の戦闘能力だって疑わしい。こいつ、きっとダメ博士だ。
しかし、記憶があるなどと云ってしまうと更なる改造が行われるかもしれない。
それが怖いがために、黙っていることにした。
「では、お前の活躍を楽しみしておるぞ」
自分がしゃべりたいことをすべて云い切ったらしいポンコツ博士は、意気揚々と部屋を出て行った。
◇
そんな日から、約一か月が経過した。
体力を回復させた俺は、戦闘訓練を日々重ねながら、改造人間としての心得や組織の掟、そしてジャスティスタイガーの必殺技などについて学んでいた。
そして、つい先程のことだった。
使いの下っ端戦闘員を介し、我が悪の組織の長である岩田総統から呼ばれ、総統室へとやって来たのだ。
もちろん、総統の名前などその正体については組織のトップシークレットだ。だが、怪人である俺には、そんな情報も特別に提供される。
こんこん。
総統室のドアを、ノックする。
総統とお会いするのはこれで2回目だった。組織の中では一目置かれる怪人の俺とはいえ、緊張することは否めない。
「カピバランZです。よろしいでしょうか」
「うむ、入れ」
総統室のドアを開け、カピバラの歩みの如くゆっくりと入室する。
「お呼びとのことでしたので、参りました」
「うむ。他でもない、お前に今やってもらっている訓練のことだ」
「はっ!」
「先ほどモニターを通じて見させてもらったが、もういいだろう。新人訓練は卒業だ」
「ははっ!」
「であるからして『怪人カピバランZ』は、本日正式に『ウルトラ・ショッカー』の所属怪人となることを認める」
「ははっ! 光栄であります!」
「うむ。カピバランZよ、明日がお前の初陣だ。暴れて来るがよい!」
「ラジャー!」
こうして俺は、総統のお墨付き怪人となった。
それはつまり、宿敵「ジャスティス・タイガー」との初対決が明日となることを意味していた。
(本当に敵を倒せるのだろうか? この俺に――)
ブルーな気分が、俺の内面世界を深く静かに満たしていく。
総統室を出た俺は、ふと立ち止まった。
そして、懐に忍ばせた一枚の紙をこっそりと取り出した。それは組織にはひた隠しに隠している俺の秘密の宝物、隅の破れたしわくちゃの『家族写真』だった。サラリーマンのときに通勤定期用のパスケースの中に潜ませておいたモノで、妻と一人息子と自分の三人が弾けた笑顔で並んでいる。
この写真が残ったのは奇跡だった。
余程それを失いたくなかったのだろう。改造手術中も、意識の無い中でそれをずっと右手で握っていたために、組織に見つからなかったのである。
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