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第11章 文明の波と消えゆくもの達と
第306話 ここでかなり危険な話が
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とりあえずオレとしては、今聞いた『うち捨てられた廃虚』という手がかりについてアカスタに聞くしかない。
「ではその廃虚の場所を教えてくれませんか?」
この質問に対してアカスタは大げさに肩をすくめる。
「おいおい。ワシはシャーマンじゃぞ。せっかくの精霊に関する貴重な情報をタダで教えるというわけにはいかんのう」
むう。この祠の場所を教えてくれた物売りの親父と同じ事を言ってくるな。
まあ確かにアカスタも『精霊のプロ』なんだから、タダで利用しようというのは虫がいい話ではある。
もしも身体まで要求してくるなら、幾ら何でも応じるつもりはないが、他の事ならアカスタもそう無茶な事は言わないだろうから、どうにか都合をつけてもいいだろう。
アカスタがどう思っているかはともかく、オレとしてもコイツを『友人』とは思っているのだよ。
「分かりました。それでは何をすればいいですか?」
「おう。それはありがたいのう。だったらワシとしてはだ――」
アカスタは嬉しげに笑い ―― そこから手を伸ばしてオレの胸をいきなり鷲掴みにした。
「な……何をするんですか!」
オレは反射的に胸をつかんだ手をはたき、そして己の身体を手で抱え込む。
これには自分でも女の子っぽい反応がかなり身についてしまったと思わずにはいられなかった。
「いやあ。前の時は師匠に身体を預けていたから、ワシはいきなりの事でじっくり堪能出来なかったけど、やっぱりいいもんじゃのう」
そういってアカスタはオレの胸の感触を思い出すかのように、その手をワキワキと動かす。
思い返せば初対面の時に、アカスタの師匠に胸をもまれていたんだった。
まったく師弟揃ってとんでもないスケベ野郎だ。
お前なんざ一生童貞でいやがれ。
「これで情報提供の礼という事にしておくから、そう怒るなよ。それとももっと触って欲しいのか?」
マジで股間を蹴り上げてやりたいところだが、まだ肝心の情報を得ていないので、ここは怒りを飲み込むしかない。
「もう十分でしょうから、その廃墟の場所を教えてください」
「何だったらワシが案内してやってもいいぞ。もちろん追加料金込みだけどな」
「そこまでは結構です!」
その『追加料金』で何をされるか分かったもんじゃないし、そもそも知らない人間を同行させたらテルモーはともかく、人間不信が根深いミキューは逃げ出しかねないからな。
今は廃虚の場所を聞くだけで十分だ。
「う~ん。残念じゃ……しかし精霊がいるとなると危険があるかもしれんぞ」
「そんな事はこっちだって覚悟の上ですよ」
オレも何かすると危険の方が寄ってくるような気がするけど、相手が精霊であればオレもかなり自信はある方だ。
そりゃまあ精霊と言ってもピンキリで、神様に匹敵するような強力な精霊もいるようだけど、そんな凄いのが崇拝もされずに、うち捨てられた廃虚に居座っているなんてまずあり得ない話だろう。
むしろその廃虚が盗賊の類いのねぐらにでもなっている方が、オレにとってはずっと困った事になるけど、その場合は精霊の相手が本職のアカスタはむしろ当てにならない。
「とにかくその場所を教えて下さい。後の事はこっちでやりますから」
「分かった――」
アカスタは名残惜しそうに情報は教えてくれた。
たぶんこれを教えたら、オレと別れる事になるのを分かっているからだろう。そう思うならセクハラすんなと言いたくなるが、スケベも男のサガであるので許してやろう ―― これ以上のセクハラをしない限りはな。
「それではお別れですね」
「名残惜しいのう……せっかくまた会えたのに本当に残念じゃ……」
どうせ精霊に聞けばオレの居場所はすぐに分かるんだろ。
役に立ってくれるなら、まあ少々のスケベ根性には我慢して付き合ってやるけど、それ以上の深い関係にはなるつもりはありませんから。
「ワシもファーゼストでお前と別れた時は、今生の別れかと思っておったんじゃ。しかし最近になって精霊からお前らしき者の話を聞いてな。ひょっとしたらと思い、一縷の望みをかけてわざわざここまで来たんじゃぞ」
う~ん。まさに世界を股にかけたストーカー ―― と言ったら言い過ぎだとオレも思うけど、これは聞き捨てならない話だぞ。
どうやらファーゼストにいたときより更にオレの力が増したから、精霊にとってもかなり目立つ存在になってしまってどこに言っても見られている状況になってしまったらしい。
何しろオレの場合、アカスタのように個人でやってくるどころか、下手をすると国家レベルで組織と人員を使って追いかけてきそうな知り合いは何人もいるし、当然その中には顔を合わせるのも真っ平な連中だっているのだ。
もしも聖女教会の追っ手に同じ事が出来る相手がいたのなら、オレの居場所は筒抜けという事になる。
アカスタとの再会は決して悪い事では無かったけど、後々の事を考えるとかなり心配ではあるな。
「いろいろ教えてくれてありがとうございました。機会があったらまた会いましょう」
「分かった。お前の胸の感触は忘れんからな」
それは今すぐにでも忘れてくれ!
「ではその廃虚の場所を教えてくれませんか?」
この質問に対してアカスタは大げさに肩をすくめる。
「おいおい。ワシはシャーマンじゃぞ。せっかくの精霊に関する貴重な情報をタダで教えるというわけにはいかんのう」
むう。この祠の場所を教えてくれた物売りの親父と同じ事を言ってくるな。
まあ確かにアカスタも『精霊のプロ』なんだから、タダで利用しようというのは虫がいい話ではある。
もしも身体まで要求してくるなら、幾ら何でも応じるつもりはないが、他の事ならアカスタもそう無茶な事は言わないだろうから、どうにか都合をつけてもいいだろう。
アカスタがどう思っているかはともかく、オレとしてもコイツを『友人』とは思っているのだよ。
「分かりました。それでは何をすればいいですか?」
「おう。それはありがたいのう。だったらワシとしてはだ――」
アカスタは嬉しげに笑い ―― そこから手を伸ばしてオレの胸をいきなり鷲掴みにした。
「な……何をするんですか!」
オレは反射的に胸をつかんだ手をはたき、そして己の身体を手で抱え込む。
これには自分でも女の子っぽい反応がかなり身についてしまったと思わずにはいられなかった。
「いやあ。前の時は師匠に身体を預けていたから、ワシはいきなりの事でじっくり堪能出来なかったけど、やっぱりいいもんじゃのう」
そういってアカスタはオレの胸の感触を思い出すかのように、その手をワキワキと動かす。
思い返せば初対面の時に、アカスタの師匠に胸をもまれていたんだった。
まったく師弟揃ってとんでもないスケベ野郎だ。
お前なんざ一生童貞でいやがれ。
「これで情報提供の礼という事にしておくから、そう怒るなよ。それとももっと触って欲しいのか?」
マジで股間を蹴り上げてやりたいところだが、まだ肝心の情報を得ていないので、ここは怒りを飲み込むしかない。
「もう十分でしょうから、その廃墟の場所を教えてください」
「何だったらワシが案内してやってもいいぞ。もちろん追加料金込みだけどな」
「そこまでは結構です!」
その『追加料金』で何をされるか分かったもんじゃないし、そもそも知らない人間を同行させたらテルモーはともかく、人間不信が根深いミキューは逃げ出しかねないからな。
今は廃虚の場所を聞くだけで十分だ。
「う~ん。残念じゃ……しかし精霊がいるとなると危険があるかもしれんぞ」
「そんな事はこっちだって覚悟の上ですよ」
オレも何かすると危険の方が寄ってくるような気がするけど、相手が精霊であればオレもかなり自信はある方だ。
そりゃまあ精霊と言ってもピンキリで、神様に匹敵するような強力な精霊もいるようだけど、そんな凄いのが崇拝もされずに、うち捨てられた廃虚に居座っているなんてまずあり得ない話だろう。
むしろその廃虚が盗賊の類いのねぐらにでもなっている方が、オレにとってはずっと困った事になるけど、その場合は精霊の相手が本職のアカスタはむしろ当てにならない。
「とにかくその場所を教えて下さい。後の事はこっちでやりますから」
「分かった――」
アカスタは名残惜しそうに情報は教えてくれた。
たぶんこれを教えたら、オレと別れる事になるのを分かっているからだろう。そう思うならセクハラすんなと言いたくなるが、スケベも男のサガであるので許してやろう ―― これ以上のセクハラをしない限りはな。
「それではお別れですね」
「名残惜しいのう……せっかくまた会えたのに本当に残念じゃ……」
どうせ精霊に聞けばオレの居場所はすぐに分かるんだろ。
役に立ってくれるなら、まあ少々のスケベ根性には我慢して付き合ってやるけど、それ以上の深い関係にはなるつもりはありませんから。
「ワシもファーゼストでお前と別れた時は、今生の別れかと思っておったんじゃ。しかし最近になって精霊からお前らしき者の話を聞いてな。ひょっとしたらと思い、一縷の望みをかけてわざわざここまで来たんじゃぞ」
う~ん。まさに世界を股にかけたストーカー ―― と言ったら言い過ぎだとオレも思うけど、これは聞き捨てならない話だぞ。
どうやらファーゼストにいたときより更にオレの力が増したから、精霊にとってもかなり目立つ存在になってしまってどこに言っても見られている状況になってしまったらしい。
何しろオレの場合、アカスタのように個人でやってくるどころか、下手をすると国家レベルで組織と人員を使って追いかけてきそうな知り合いは何人もいるし、当然その中には顔を合わせるのも真っ平な連中だっているのだ。
もしも聖女教会の追っ手に同じ事が出来る相手がいたのなら、オレの居場所は筒抜けという事になる。
アカスタとの再会は決して悪い事では無かったけど、後々の事を考えるとかなり心配ではあるな。
「いろいろ教えてくれてありがとうございました。機会があったらまた会いましょう」
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